建築士試験の旬の情報をお届け! 令和3年の二級建築士 設計製図本試験について

過去に出題実績がない課題設定で行われた二級建築士製図試験について

傾斜地という過去に出題実績がない課題設定で行われた令和3年の二級製図試験について受験生の多くから様々なご意見をいただいています。

「TACの課題でもあのような設定はなかったので、戸惑いました」
「敷地全体を切土・盛土してはいけないって、どう解釈したらよいのでしょうか」
「軒高9000をオーバーしたら失格でしょうか」
「屋外スロープを設ける場合は1/15の、という設定は、屋外スロープを設けなくても良いということでしょうか」
「試験場で動揺してしまい、結局は少しだけ未完成になってしまいました」
などなどです。

設計製図試験の採点はブラックボックスですから、TACでも今年どのような採点がなされるのかは分かりません。ただ、過去の二級設計製図試験の合格率の推移をみれば、今年だけ合格率を極端に下げるというようなことは想定しにくいです。例年通り合格率が40%以上で維持されるとすると、どこの予備校でも事前対応ができていない「傾斜地」に関係するミスは、大きな減点にできないのではないかと考えています。

そのようななかで、比較的大きな減点になりうると思われるのは、次の点でしょうか。
・平均地盤面からの軒高ということを考えて、前面道路からの軒高が9300を超えているような場合。
・敷地全体をフラットにしてしまった場合。
この二つを避けることができれば、その他の要因と相まって合格可能性は十分あるのではないかと推測します。

とはいっても、繰り返しますが採点はブラックボックスですから、本当のことはわかりませんし、試験実施機関でも様々な受験生の答案を分析し、今頃悩んでいるころかもしれません。

試験制度の変更によって、学科合格年を含む5年以内に3回チャレンジすることができるようになりました。本来であれば、万一今年だめでも、製図力が落ちないように次年度に捲土重来を期すべきですが、RC課題は3年後にならないと出題されないと想定されるため、木造はどうしても避けたいという方もいらっしゃるかもしれません。

いずれにしても、気持ちの整理はつける必要があると思いますので、今後もTACではできる限り今年の結果について取材し、推定できる範囲になりますが情報を提供してまいりますので、ご期待ください。

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