外交官(外務省専門職)合格体験記
日韓交流が原点に
Y・Mさん
DATA BANK
研修語 | モンゴル語 |
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出身校 | 津田塾大学 学芸学部(卒業) |
合格年度 | 2023年度 |
選択科目 | 憲法 |
- 志望理由:日韓関係に感じたもどかしさ
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特定地域の専門家として、語学力や人間力を活かし、国と国を繋ぐ仕事をしたいと思い、外交官を志しました。私は中学生の頃に趣味で韓国語の学習を始め、日韓交流などを通し、文化による相互交流を経験してきた世代です。しかしその一方で何度も「戦後最悪の日韓関係」というフレーズを耳にするなど、外交と民間交流の温度差をひしひしと痛感してきた世代でもあります。このもどかしさが、私が「外交」に興味を持った最初の原点となりました。
前職のホテルで勤務をしていた際に、政府要人の来日や、国際会議の開催など、まさに外交の「現場」に携わる経験をし、自身の目の前で歴史が動いていく様子に感銘を受けました。その際に、日韓交流や平和教育を通じて感じてきたもどかしさ、平和な世界に貢献したいという強い思いを改めて自覚しました。そこで「外交官」として、人生をかけて日本ひいては国際社会に貢献する仕事をしたいと思い、受験を決意しました。
- 社会人の学習法:確実に合格するための学習法を!
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私は受験期間中、ほぼフルタイムで仕事をしながら学習をしていました。
社会人の方は、時間的制約があることから、勇気を持って「取捨選択」を行い、学習に取り組むことが合格への最短ルートだと思います。特に2月以降の論文答練開始後からは、全範囲に手を付けようとせず、しっかりと出題傾向を意識したうえで学習する範囲を絞ることが求められます。私の場合、基礎能力試験ではまず経済・物理・化学は捨てました。日本史・世界史は出題範囲が広いため、過去問を分析して出そうな範囲を絞り集中的に学習しました。また、数的処理については、V問題集を3周ほどしても解けない分野については相性が合わないのだとあえて諦め、得点を取れる分野の問題を繰り返し解くことで、全体として安定した得点を取れるようになりました。
国際法・憲法・経済学といった専門科目の出題傾向は、講師がしっかりと予想してくれ、論文答練の問題にも反映されますので安心してください。
また、直前期の学習時間としては、【平日】3〜4時間、【休日】10時間ほどでした。仕事をしながらの学習は、精神的にも体力的にも非常に大きな挑戦だと思います。実際に私は、1次試験が終了した直後に、相当疲労が溜まっていたのか一気に体調を崩してしまいました。
しかし、1次試験さえ突破すれば、社会人は面接で非常に有利だと感じる場面が多かったです。まずは1次試験突破を目標に頑張ってください!
- 外国語の学習法:朝鮮語の学習法
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朝鮮語の外国語試験は例年、分量が多く、語彙もかなり難しいのが特徴です。語彙は、かなり専門的な用語が出てしまうと対処できないことも多々ありますが、分量に関しては【速読】かつ【翻訳慣れ】することで対処することができると感じました。
具体的に私が行っていたことは、毎日1つの新聞記事を30分以内で翻訳する練習です。過去問と同じ分量ほどの新聞記事を集め(政治・外交・文化などジャンルを意識して収集するのがお勧めです)、30分以内で翻訳します。解き終わったら、分からなかった単語や表現をまとめ、暗記するという学習法です。本番では難解な単語が出たとしても、翻訳文全体の流れがちぐはぐにならないよう工夫しながら文を訳し切る必要があります。そこで、辞書などを使わず、時間内で翻訳し切る練習は、かなり力がつきましたし、専門科目の学習の合間にやることでリフレッシュにもなりました。この学習法を続けたことで、試験本番では、約30分の余裕を持って問題を解くことができました。
- 最後に:最後まで諦めないことに意味がある
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私は、新卒でもなく、決して成績優秀だったわけでもありません。論文答練の際に成績優秀者の一覧に名前が掲載されたことはなく、他の受講生の優秀さに打ちひしがれることも多々ありました。
しかし、どんな悪い結果が出ても「最後まで続けることに意味があるのだ」と自ら言い聞かせ、1つひとつの論文答練や公開模試を大切にこなしました。そして、外交官になりたいという気持ちは誰にも負けない!と言い聞かせながら、学習の辛さや苦しみとも向き合いました。自分がどう外務省に貢献したいか、どんな国際社会を創りたいか、それを具体的に考え、その熱意を最後の最後まで持ち続けた人こそが合格する試験なのだと実感しています。
私も過去に、この合格体験記を読んで受験を決意した1人です。この記事を読んでくださっているあなたには、もう外交官への扉は開かれています。外務省で待っています!