外交官(外務省専門職)合格体験記

あきらめなかった人が最後に必ず勝つ!

土屋 貴久さん

DATA BANK

研修語 フランス語
出身校 創価大学 経済学部(卒業)
合格年度 2023年度
選択科目 憲法
志望理由:日本と国際社会の平和のために貢献したい。

 私は、中学生の時に韓国の姉妹校への訪問とホームステイを経験しましたが、ホストファミリーが家族と同様に接してくれ、反日だと思っていた韓国の印象がまるで変わりました。また、その滞在期間中に北朝鮮との軍事境界線に行く機会があり、平和や安全保障について関心が深まりました。その後、大学時代には韓国とフィリピンに留学し、日本人としての自覚を持ったとともに、日本のプレゼンスの向上や国際社会の平和のために貢献したいと思うようになりました。大学在学時に外務省専門職試験を受験しましたが、本腰を入れて学習した期間も3ヶ月しかなく、1次試験で不合格でした。併願先の横浜市役所には合格でき、横浜市役所代表として、TICADに従事する貴重な機会をいただき、開発協力やアフリカにも関心がさらに広がりました。そこで再度、不完全燃焼だった外務省専門職試験の受験を決意しました。

TAC・Wセミナーを選んだ理由:迷うことなし

 合格者数や規模はもちろんのこと、TAC・Wセミナー生が解ける問題が出た時に圧倒的に差がつくと思ったからです。まず講師の講義と教材がわかりやすいことは間違いないですが、徹底的な基本講義と応用講義、2次試験対策など手厚いフォローがあります。少し割高ですが、それは全て投資だと思い、TAC・Wセミナーに入会しました。

私の基礎能力試験対策:自分に合った点の取り方で

 ほとんどの受験生はおそらく数的処理の問題集を回すなど、数的処理で点をとりに行くスタイルだと思います。
 しかし、数的処理は時には難問が多い年もあったり、計算ミスなどの凡ミスも怖いと感じました。
 そこで、一般知識はやれば安定した得点につながると思い、日本史、世界史、地理、生物、物理と全ての科目を学習し、数的処理は理解をメインにして問題集にほとんど手をつけませんでした。というより、なかなかその時間が取れなかったというのが現状です。特に私は仕事をしながらの受験でしたので、机に向かう時間は1日2~4時間程度でした。ちょっとした移動時間にできることは何かと考えた時に、日本史や世界史などのハンドサイズの教材に取り組むのがちょうどいいと感じました。机で学習していた科目は、論文答練期まではほぼ英語、論文答練期は国際法と憲法にほとんどの時間を費やしており、電車などの移動時間は一般知識に回していました。
 本番は、数的処理の難易度はかなり易しめで、たいていは解けたのですが、見間違いと計算ミスにより、4点も落とす失態をしました。一般知識でも凡ミスをしてしまいましたが、それがなければ全問正解で、一般知識をしっかりやっていて良かったと思いました。

社会人の皆様へ:戦略を練り抜くこと!そして自分を信じること!

 仕事を辞めずに続けている社会人は、他の受験生が多い人で1日15時間ほど学習している中、2〜4時間くらいしか学習できません。常にあきらめとの戦いだと思います。それでも「社会人なら仕事の経験もあるし、面接でしっかり自分の強みを押し出せる。だからまずはとにかく1次試験を突破する!」と自分に言い聞かせて毎日学習しました。正直、19時や20時から学習を始めようとしても、仕事の疲れで眠くて仕方ありませんでした。なので毎日、学習前に20~30分仮眠して、切り替えて、とんでもない集中力と勝負感を持って学習しました。また、常にいろんなこととの葛藤だと思います。「学習の時間を確保しなければ、受からない。でも職場でも信頼される人になりたいから、全力で仕事をしたい。」そう思う毎日でした。正直、完全な両立はできないと思います。どちらも中途半端に見えてきます。そして、仕事に費やす時間が減り、なんだか仕事も身に入らず新しいことを覚えることができなくなり、人生で初めての経験でしたが、職場でバカにされ始め、何度も悔しくて眠れない日がありました。仕事を辞めようと何十回も思いました。でも最後まで信じることができるのは、自分です。「自分なら絶対にやり遂げることができる。」と自分に言い聞かせていました。様々な葛藤があり、中途半端な自分に失望するかもしれませんが、それでいいんです。最後に勝てば全て報われます。

最後に:今しかできない大きな挑戦

 私の人生を振り返った時に、常に自分に甘く、努力ができない人間で、中途半端で、そんな自分に失望し続ける人生でした。高校時代は、エースとして甲子園に行くという昔からの夢も叶わず、大学受験も2~3ヶ月しか学習が続かず、大学在学中の外務省専門職試験受験も残り3ヶ月で学習に本腰を入れるなど、長期間何かに対して努力できる人間ではありませんでした。しかし、今回の挑戦で、「今妥協したらこの先の人生で一生後悔する」と肝に銘じて挑戦しました。朝起きるのが苦手な私が仕事前に朝6時から30分学習し、野球やバスケ、ダンス、ゲームといった毎日だった私が、仕事の後はTAC・Wセミナーの自習室に早歩きで向かっていて、スマホをいじるか寝ることしかしていなかった電車でも少しずつ学習をするようになり、自分が自分ではなくなったかのように変わっていきました。それはもちろん、周りの人の支えがあったからですが、それに加えて、外交官になりたいという思いが人一倍強かったからだと思っています。それほど、外交官の仕事が魅力に満ち溢れているからです。確かに、受かる保証はどこにもないです。でも努力しなければ受かりません。逆に努力すれば受かる可能性があるなら、とことんやってみようと思って、全力で勉強してみてください。合格発表まで何があるかわかりません。もしかしたら受かっていたかもしれない試験も途中であきらめてしまってはそれこそ受かりません。それでは後悔しか残りません。自分に負ける日もたくさんあると思いますが、次の日は必ず自分に勝つ!その延長線上に合格は必ず見えてきます。そして、私をずっと奮い立たせてくれた言葉があります。「勝つことは幸福である。負ければ不幸であり、みじめだ。だからこそ断じて勝たねばならない。」という言葉です。確かに人生はこれから先も長いから、ここでは勝負は決まらない。失敗してもまたどこかで挑戦して、勝てる時が来ると思います。しかし、外務省専門職試験の受験ができるのは、周りの支えがあってのことで、もしかしたらそのチャンスは今しか来ないかもしれません。だからこれから受験するみなさんは、これが今しかないチャンスと思って全力で挑戦してほしいと思います。最後の最後まで自分を信じて挑戦してください。また、外務省で私を見かけたらぜひ声をかけてください。応援しています。

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