外交官(外務省専門)合格体験記
自分の個性を大切に、最後まで粘り強く
諸見里 杏さん
DATA BANK
研修語 | ロシア語 |
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出身校 | 東京外国語大学 国際社会学部 (在学中合格) |
合格年度 | 2022年度 |
選択科目 | 憲法 |
- 志望動機:自分のやりたいことが直接国益につながる素晴らしい職業!
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幼少期から外国語を自在に操れる人や海外での仕事に憧れを持っていました。また、高校生の時、母校のOBで外交官をされている方の講演を聞き、外交官という職業に興味を持つようになりました。大学でロシア語とロシア地域の研究をしていく中で、学んだ語学力や知見をさらに深めたいと思うと同時に、それを多くの人のために役立てたいという思いが強くなっていきました。自分のやりたいことが直接国益につながる、そんな素晴らしい職業は外務省専門職しかないと思い、受験を決めました。
- TAC・Wセミナーを選んだ理由:圧倒的な合格者占有率と自主ゼミ制度
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外務省専門職の圧倒的な合格者占有率を見て、迷わずTAC・Wセミナーに入ることを決めました。また、大学の授業で国際法を履修した時に全く理解できず、独学では無理だと悟りました。しかしTAC・Wセミナーでは初学者でも論文が書ける実力になるよう、基礎からきちんとカリキュラムが組まれているので、安心して勉強を進めることができます。さらに二次試験の面接やグループ討議の対策もしっかりしています。私は二次試験にも大きな不安を抱えていたのですが、一次試験後に結成される自主ゼミで何度も模擬面接や討議の練習をすることができます。いろんな人と面接カードを見せ合ってアドバイスをしあったり、自分が試験官役となって他者の面接を客観的に見たりするうちに、少しずつ自分の考えを表現することができるようになっていきました。この自主ゼミ制度こそ、多くの受験生が通うTAC・Wセミナーにしかない一番の強みだと思います。
- 科目別試験対策:少しでも楽しいと思えるポイントを見つけ勉強を続けていく
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国際法は、最初は全く意味が分かりませんでしたし、章末テストの内容もすぐに忘れてしまいました。しかし論文マスターから論文答練期に論文の形でインプットとアウトプットを繰り返すうちに、少しずつ理解できるようになっていきました。なので最初から完璧に覚えようとせず、後から何度も復習することを前提に講義を進めていったほうが良いと思います。私の勉強法は、とにかく何かの裏紙にサイトマップや論文の構成を書くことでした。また、歩いたり皿洗いをしたりしながら、答案の要旨を頭の中で説明するようにしていました。国際法には様々な分野がありますが、自分の好きな分野ができたり、他の分野とのつながりがわかったりすると面白いと思えるようになりました。少しでも楽しいと思えるポイントを見つけることが勉強を続けていくコツだと思います。
憲法ではまず前提となる論証を覚えなければならないのですが、最初は大量の論証カードを見て、本当にすべて覚えられるのか不安でした。実際、単なる暗記作業が苦手で後回しにしてしまったため、論文マスター期に答案化しつつ暗記していました。何度も紙に書いたりパソコンに打ち込んだり、とにかくインプットとアウトプットを繰り返すようにしていました。といっても、やはり丸暗記は苦手だったので、要点を覚えたら後は具体的検討の部分を充実させることに力を注いでいました。それぞれにあった勉強法や論文の書き方があると思うので、答練や演習で試行錯誤してみてください。
- 受験生活を振り返って:反面教師にしてください
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反省点として、外国語試験対策を早くから始めなかったことが挙げられます。和訳と英訳の量が多く、外交青書に出てくるような専門的な用語も覚えなければならないため、相応の対策をする必要があります。私のように英語力に自信のない人は、少なくとも年内から(できればもっと前から)コツコツと語彙力を鍛えていくべきだったと反省しています。
もう一つ、私は通信で受講していたのですが、なかなか全体のペースに追いつけないことが負い目となって、担任カウンセリング制度や合格者アドバイザー制度を活用しようとしませんでした。今考えるととてももったいないことをしたなと思います(そのせいで情弱になり、答練が始まる2日前に答練の存在を知りました…)。カウンセリング制度は、勉強のやり方を相談したり、志望動機について話したりしてモチベアップにもつながるので、どんなに勉強がうまくいってないときでも積極的に活用してほしいなと思います。
- 最後に:自分ならできる!という気持ちを持ち続けること
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これまで合格された多くの先輩方が「外務省は多様な人材を求めている」「最後まで粘り強く、諦めないことが大切」とおっしゃっています。私もその通りだと強く思います。一次試験後、自主ゼミをはじめ様々な人と出会い、切磋琢磨してきました。最初は、周りの人々の経歴や優秀さ、人間性などに打ちのめされ、挫けそうになりました。しかし面接練習のフィードバックなどを通して自分にも自分にしかない良さがあると気付くことができ、最後まで走り切ることができました。外務省専門職試験は試験科目が多く、期間も長いので、最初から最後まで自信をもって臨める人のほうが少ないと思います。不安になった時には外交官になりたいと思った初心を思い出してください。そして何の根拠がなくても、自分ならできるという気持ちを持ち続けてください。そうすればきっと合格への道は開けると思います。