外交官(外務省専門)合格体験記
地道な努力が結果に結びつく!
秋山 英輝さん
DATA BANK
研修語 | スペイン語 |
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出身校 | 立命館大学大学院 法学研究科(在学中合格) |
合格年度 | 2022年度 |
選択科目 | 憲法 |
- 志望理由:外交面から日系社会とのつながりを強化したい
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外務省専門職員を目指したきっかけは、二点あります。第一に、中南米諸国との二国間関係の発展に貢献したかったからです。大学4年時にメキシコ留学をした際、現地の日系人と交流し、関係の希薄化が進んでいる点を学びました。この経験から、外交面から日系社会とのつながりを強化したいと考えました。第二に、国際法を尊重した秩序の構築に携わりたかったからです。ロシアによるウクライナ侵攻をはじめとして、昨今の国際情勢を学ぶ中で強く思うようになりました。以上の理由より、私は外務省専門職員としてこれらの取り組みの一端を担いたいと思い、志望しました。
- TAC・Wセミナーを選んだ理由:蓄積された膨大な情報と的確な指導!
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TAC・Wセミナーを選んだ理由は、二点あります。第一に、歴代の先輩方が残してくれた膨大な情報にアクセスできる点です。試験に合格するためには、勉強スケジュール、勉強量、心構え等を知ることが重要です。講師の方々のご指導に加えて、先輩方の過去の試験情報を持っている点は、他の受験生との競争において有利に働きます。第二に、的確な指導を受けることができる点です。例えば国際法は、「法源」から始まり「海洋法」「武力紛争法」等、膨大な量があります。しかし、本試験で出される問題はたったの三問です。これが意味することは、問題の出題者である国際法学者が数多ある論点から厳選した問題であるということです。言い換えれば、この論点は受験生に「押さえておいてほしい」という出題者の意図が伺えます。この「出題者の意図」を講師陣の長年の経験から汲み取って指導する形がまさにTAC・Wセミナーの強みとも言えます。
- 合格の秘訣:学問に王道なし
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周りの合格者を見て、一つ共通している点があるとすれば、「地道な努力」をしてきたという事実だと思います。受講開始前から得意科目が既にあった人もいましたが、一から勉強を開始した人も多くいました。そうした人の中で合格された方は、日々の予習・復習を徹底し、苦手科目と対峙しながらも地道に勉強された方が多いと思います。膨大な量があり、なおかつ難解な国際法を攻略するためには、基礎を固めることが重要であり、そのためには復習が重要と言えます。長期的な試験勉強という特質から考えると、地道な努力が最終的な結果に結びつくと言えます。苦しい時でも挫けずコツコツやり続けること、これが最終合格へと辿り着く近道であると思います。
- 科目別試験対策:何事もコツコツと
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「教養試験対策」:問題を反復継続して解き続けることが重要だと感じました。
○「社会科学」「自然科学」「人文科学」等は復習の量が重要です。私は「自然科学」にあまり力を注げなかったのですが、その他の科目は本試験までに5周を目安に取り組みました。
○「文章理解」は、問題の傾向を掴んだ上で、消去法を徹底して活用しました。
○「数的処理」は、外務省専門職試験の過去問の傾向を掴んだ上で、得意な「判断推理」を得点源にするため問題集を5周しました。
〇「時事問題」は、直前期に集中的に取り組みますが、日頃から新聞を読むことを心がけると、理解が進みます。
「国際法」:論文マスターテキストの答案化問題、外務省専門職試験の過去問の答案作成を積極的に行いました。基本マスター講義、演習、論文マスター講義、演習を通じて得た知識と答案作成のノウハウを、実際に自分自身で磨くことで知識のみならず国際法への自信もつけることができました。答案の添削は、友人にお願いすることができれば答案の質は格段に向上すると思います。専門用語の暗記も重要ですが、本試験では論文形式で書く必要があることを念頭に置くと、どれだけ幅広く答案を事前に準備したかで経験値や答案の質も変わってくると思います。
「憲法」:論文マスターテキストの暗記を徹底しました。人権分野から2問、統治分野から1問という本試験の傾向からすると、人権分野の理解は不可欠です。論証カードを覚えることがその第一歩となりますが、私は通学時間に暗記し、学校で思い出しながら書き出すことを何度も繰り返しました。具体的検討は、問題文の要素をしっかりと拾うことを意識しました。統治は、図式化して理解を深めることに取り組みました。
「英語」:翻訳には慣れが必要だと思い、外交青書の日本語版と英語版を用いて、コツコツ練習を重ねました。加えて、将来携わりたい分野に関わる英文記事を中心に、英語から日本語へ翻訳する練習を繰り返しました。翻訳には単語力も必要となるため、単語帳を用いて暗記を行いました。
- 論文対策について:答練で落ち込まないこと
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論文答練では、本番さながらの環境で答案練習を重ねていきます。当然、予習を入念に行ったのにそれが結果に結びつかないこともあります。しかし、そこで落ち込む必要はありません。毎回の入念な準備は血肉となり後の本試験で活かされます。むしろ、「知っている知識を全て書けたのか?」、「答案構成で足踏みしなかったか?」など反省に反省を重ねることで次の答練に活かすことができる学びを得る機会として答練期間を活用すべきです。
- 最後に:将来の外交官を目指す受験生へ
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外務省専門職試験を受験することを意識されているみなさんは、現時点で外交官になりたいという願望があると思います。そして、実際に受験勉強を始めるとその願望は目標へと進化していくと思います。なぜなら、講義や演習等を通じて学び続けることで外交官になる可能性が高まるからです。単なる願望ではなく、手が届く目標へと変わるのです。加えて、受験勉強を通じて、「タフさ」「思考力」「柔軟性」等様々な強みが自分の中にあることに気づくかもしれません。ぜひ、外交官になりたいという思いを実現させてください。応援しています。