外交官(外務省専門)合格体験記
日本とインドネシアと世界をつなぐ
垣内 栄さん
DATA BANK
研修語 | フランス語 |
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出身校 | 早稲田大学 政治経済学部 (在学中合格) |
合格年度 | 2021年度 |
選択科目 | 憲法 |
- 受験動機:インドネシアでの経験から
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私が外務省専門職を志望するきっかけとなったのは、1歳から18歳までの間の約17年間をインドネシアのバリ島とインドネシアで過ごしてきたことからです。インドネシアでの生活を通して慢性的な交通渋滞等のインフラの脆弱性等の問題を実際に体験してきたことから、国家間協力は現地の人々の暮らしをより豊かにすると同時に、日本企業の経済的利益や日本に対する信頼の向上の観点から、国益を増進することが可能だと感じました。そのため、これまでに培ってきた異文化での経験を活かし、日本と東南アジア地域ないしアフリカ等の途上国とさらに強固な信頼関係を築くことによって経済協力を促進する専門家として貢献したいと考えました。
- TAC・Wセミナーを選んだ理由:圧倒的な合格実績
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大学入学以前から外交官に関心をもっていたこともあり、大学に入学してすぐに大学の近くにあったTAC早稲田校にお話を聞きにいきました。そこでいただいたパンフレットに記載のあった合格実績の数字から迷わず入学を決めました(実際に入学したのは大学2年後期くらいからです)。また、私は義務教育課程をインドネシアの学校で終えており、大学でも英語で学位を取得するプログラムに入っていたため、日本語の論文試験・基礎能力試験に全く自信がありませんでしたが、TACの2年・1.5年のコースについてのお話を聞き、他の受験生より早く学習を(特に国際法)はじめることにより、ハンデを克服できるのではないかと考えたからです。
- 私の筆記試験対策:国際法は暗記だけじゃない
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外専の筆記試験は基本暗記が大事と言われていますが、個人的に特に国際法は暗記をはじめる前の基本マスター講義と論文マスター講義が一番だと大切だと感じました。憲法は覚える箇所も限られているので、理解が甘いまま暗記する付け焼き刃でもなんとかなるという所感でしたが、国際法は覚える箇所が膨大すぎて理解して知識を整理したうえでないと暗記は難しいと感じました。そのため、国際法のテキストは試験直前まで何度もさらっていましたし、理解した部分は暗記もしやすく、すっと入ってきました。
- 基礎能力試験対策:帰国生は大変!
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数的処理はもちろんちゃんと難しかったですが、他の受験生にとっても難しいので、毎日問題集を解いていたら、なんとか周りについていくことができました。しかし、世界史・日本史・思想・自然科学等の知識分野は、高校で経営学や英文学、インドネシア語等を履修していた身としては、周りの日本で教育をうけてきた受験生等との大きな差を感じました。基礎能力試験の講義も全て受けてノートもばっちり取ったのですが、やはり直前期は国際法に時間をとられ、基礎能力試験対策をあまりできなかったため、本試験ではまさかの知識部分1問のみの正解で合計19点でした。それでも運良く2次試験に進めたので良かったのですが、帰国生(特にインター生活長い方)は知識分野は要注意かもしれません。
- 併願について:他の公務員試験と独立行政法人と民間
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外務省専門職の主な併願先として防衛省専門職があげられますが、私は志望理由の観点から合致しなかったので、代わりに民間企業を3社(独立行政法人も含めて)受けました。民間就活をして良かった点としては、自分を客観的に分析するくせがつき、1次試験の後に慌てずに自己分析をせずに済んだことです。また、苦労した点としては、企業や独立行政法人に併願状況について聞かれたことです。外務省と言ってしまうと、どちらが第1志望かが明白になってしまうため、言わないことも考えましたが、基本的にどの面接でも正直に全て話しました。もしそれで落ちたら「この面接官は自分が外務省に受かると思ったから採用しなかったんだな」と前向きに腹を括って民間企業の面接にのぞみました。
- 私のモチベーション維持法:計画を立てる!
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「不安な時ほど計画を立てる」井能講師がどこかでおっしゃっていた言葉が私は強く印象に残っています。試験勉強は本当に長期戦(特に2年・1.5年の受験生にとって)なので、定期的に不安になりモチベーションの維持が難しかったです。そんな時ほど「明日は国際法の条約法条約と憲法の表現の自由を覚えて、次の日は海洋法と経済的自由をやって、次は…」などと自分のGoogleカレンダーのTaskに入れて計画を立てていました(勉強期間のカレンダーはびっしりでした)。不安に思ってなかなか寝れない時も「とりあえず今日やるTaskはできたし、明日はあれをやるからとりあえず大丈夫」と自分に言い聞かせていると自然を眠りについていました。