外交官(外務省専門)合格体験記
東南アジア専門官を目指して
林田 雄一朗さん
DATA BANK
研修語 | インドネシア語 |
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出身校 | 明治大学 情報コミュニケーション学部 (卒業) |
合格年度 | 2020年度 |
選択科目 | 憲法 |
- 受験動機
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タイの洪水をきっかけにタイに興味を持ち、タイに留学しました。私は元々海外にあまり興味がありませんでしたが、大学卒業後は海外拠点のある専門商社に就職、その後チェンマイで在外公館派遣員として勤務するなど留学によってその後の自分の人生が大きく変わったことから、留学や海外との交流が若者に与える影響の大きさを実感し、専門職として広報文化外交に携わりたいと考えました。
また、留学中にタイで政治デモが発生し、大使館の発出する情報によって助けられたことから邦人援護や、また、ASEANのハブとして今後さらに重要性を増すタイやASEANとの経済外交など、広報文化に限らず、様々な分野に携わることのできる外務省専門職に魅力を感じ志望しました。
- TAC・Wセミナー・通信講座のおすすめポイント
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知り合いで専門職になった方も皆TAC・Wセミナーの出身者であったことや、仕事をしながら勉強をするのであれば効率的に学習ができるTAC・Wセミナーが最善の選択肢と考えて入会しました。私は海外から通信講座で受講していましたが、倍速再生や好きな時に視聴できるなど、社会人など時間の限られる方は特におすすめです。また、海外からの受講であっても、井能先生のWebカウンセリングを毎月受けていたので、一人での勉強であってもペースをつかむことができ、遅れている部分などについて修正を加えながら学習を進めていくことができました。
- 特殊言語受験対策
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特殊言語ができ、その言語の専門家となることを希望する方は是非その言語での受験をおすすめします。その言語で受験するということは、その言語、地域への造詣の深さをPRする機会であるとともに、英語受験でその地域を志望する方との差別化ポイントになります。
私は外国語訳を中心に学習していました。過去問を時間を計って解いて、それをネイティブ(過去問の日本語を読んで理解できるレベル)に添削してもらう形をとっていました。その際、①正しい表現、②間違っていないがより良い表現がある、③間違っている表現、の3種類に分類し、③が少なくなるように間違えた所を中心に復習し、②についても、何度か翻訳、添削を繰り返すうちに覚えていきました。
外国語訳には1問目:国際関係、2問目:こなれた日本語の文章という傾向があります。1問目については外交、政治、経済、国際関係等のその特殊言語訳をテーマごとに分けてまとめておくと良いと思います。
和訳も重要です。人によって解く順番は違うとは思いますが、私は和訳→外国語訳と解いていたので、和訳をどれだけ早く正確にできるかは、外国語訳の出来にも直結していました。普段から新聞や本を読み、正しい日本語の表現、流れを頭に入れておくことが重要です。早い段階で過去問を解いてみて、どんなところで詰まることが多いか、自分の弱点を見つけておくのをおすすめします。言語によっては日本語と語順が全く異なり、自然な日本語に訳すのにコツが必要な言語など色々あると思います。言語によって異なるとは思いますが、和訳をする際に、一文一文訳そうとすると翻訳の抜けが発生するので、複数の文を1セットとして訳すなど常に先を見て訳すようにするのがよいと思います。でないと私のように本番でかなり長い二重線で修正をする羽目になります。
- 社会人の勉強法
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私は派遣員として仕事をしながら試験勉強をしていました。その際特に気を付けたことは①しっかり計画し、ノルマを立てて、進み具合に応じて修正しながら勉強する、②あれこれ手を出さず、とにかく同じものを繰り返す、③始業前、昼休み、通勤時間などの隙間時間活用の3点です。
また、勉強のペース作りやモチベーション維持のためにも、社会人の方も時間を見つけて定期的に井能先生のカウンセリングを受けることをおすすめします。孤独に勉強する方が多い社会人にとって周りの受験生の状況、何が遅れている、どこを補強すべきというのは自分だけでは見えなくなりがちであるためです。
- 社会人経験をアピールポイントに!
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外務省は多様な人材を必要としています。本当に若くて何にも染まっていない人が欲しいだけなら新卒者だけ採用すればよいですが、私のように28歳と年齢の高い社会人経験者も一定数採用されていることから、民間などでの経験者も欲しているのは間違いありません。 社会人経験のある方は、これまで仕事をする上でぶつかった困難やそれの乗り越え方、集団での立ち位置、人間関係などの経験をしっかりと文章化して自分の中でエピソードとして整理、説明ができる状態にしておくことが重要です。そして、それらの社会人経験から学んだことが、外交官として働く上で、信頼関係構築、情報収集、交渉など、どんな場面で活かせそうかということを試験勉強の合間に常日頃から考えておくと、一次試験後の二次試験対策もスムーズにできるのではないかと思います。
- 絶対に最後まで諦めない!
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私はこの試験を通して、絶対に最後まで諦めないということの大切さを再認識しました。試験勉強は試験前日の最後の一日まで、当日は各科目の最後の1秒まで、たとえ初日にあまり手ごたえがなくても、2日目も全科目最後まで受けきってください。 そして、一次終了後も自主ゼミで切磋琢磨し、新聞、読書、外交青書や外務省HPの研究を通して志望地域・分野の知識を増強する。二次試験開始後も、前の質問にうまく答えられなくても面接中はもう気にせず、1問1問切り替えてください。 自分では出来ていないと思っても、結局のところ本当の評価は分かりません。私自身、一次試験、二次試験どちらもあまり手ごたえはありませんでしたが、最終合格することができました。悔いの残らぬよう、とにかく最後の最後まで試験を受けきってください。その先にきっと合格が待っていると思います。