外交官(外務省専門)合格体験記
語学・地域への情熱を日本のために
大矢 純さん
DATA BANK
研修語 | ペルシャ語 |
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出身校 | 東京大学大学院 人文社会系研究科 (在学中合格) |
合格年度 | 2020年度 |
選択科目 | 憲法 |
- 受験動機:イランでの滞在経験を通して
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私は学部時代から中東史を専攻しており、大学院進学直前にイランでバックパックをしました。現地では、かつてのイラン・イラク戦争の惨禍、そして現在進行形で続く経済制裁の影響で、日本人にとって当たり前の日常が当たり前でないという現状を目の当たりにしました。この経験を通し、日本の日常は絶え間ない外交努力によって見えないところで支えられているということを強く意識し、自らも外交官として日本の「当然」を継承・発展させたいと思うようになりました。その中でも、自分の強みである探究心や語学への情熱を生かして、日本外交に貢献することの出来る外務省専門職員試験を志望しました。
- TAC・Wセミナーを選んだ理由:圧倒的な合格実績と充実したサポート
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毎年圧倒的な合格者占有率を誇っていることから、迷わずTAC・Wセミナーに入会しました。そして、入会してから合格するまで、その圧倒的な実績を裏付ける充実したサポートに支えられ続けました。特に文学部出身の私は、法学について全く門外漢であり、国際法や憲法は完全に未知の世界でした。しかし、そのような私でも、分かりやすいテキスト・授業を通して徐々に知識を積み重ね、またカウンセリングの際などに、講師の方々の的確かつ丁寧な指導を受けることで分からない点も解消し、専門科目に対する苦手意識も次第になくしていくことが出来ました。更に、年明け以降行われる論文答練を通して実際に答案を書く練習を徹底的に行うことで、試験本番にも落ち着いて臨むことが出来ました。
- 試験勉強を有意義なものにすること
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試験勉強と聞くと、覚えたくないことを呪文のように唱えて詰め込む、無味乾燥な行為などと考えてしまうかもしれません。しかし、外務省専門職員試験の試験勉強は、捉え方・姿勢によって有意義かつ仕事にもつながりうるものにもなるということを意識して、勉強をすることをお勧めします。国際法に対する深い理解は、国際情勢の理解にもつながりますし、将来外交官として働く上で有益です。時事論文の練習についても、公務員として身に着けるべき思考力・社会への視点を深めることになると思います。また基礎能力試験も、例えば日本史・世界史の理解は、ただ点数稼ぎのためだけでなく、日本の代表として働くことが求められる外交官として必要な素養にもなります。確かに机に向かって長い間勉強するのは辛いです。しかし、自分が勉強していることは、試験で生きるだけでなく、その後の外交官としての人生でも何らかの形で生きるものだと考えるようにすれば、より有意義なものになり、モチベーション向上にもつながると思います。
- 基礎能力試験対策を甘く見ないこと
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試験では、専門科目だけでなく、その他の科目も合わせた総合力が大切になります。そこで忘れがちなのが、基礎能力対策です。勿論、外務省専門職員試験の対策で最も重点を置くべきは、専門科目(国際法・憲法もしくは経済)や英語です。しかし、基礎能力は専門科目や英語以上に差が付きやすい科目で、一点の差が合否に大きな影響を及ぼしえます。私の場合、数的処理についてはどの科目よりも楽しく取り組むことが出来たのですが、知識分野については点数が伸びず、試験直前には相当焦りを感じながら対策をしなければならなくなりました。これから受験する方には、早め早めに、毎日短時間でもコツコツと勉強することをお勧めします。
- 外国語学習方法
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試験勉強を開始するまで、英文和訳・和文英訳共に本腰を入れてしたことがなかったため、英語は専門科目とともに大きな課題でした。そこで私が行ったのは、第一に日本の近現代史に関する英語の記事を読むこと、第二に、英文版もある日本語新聞のネット記事を見て、英語・日本語間での翻訳をひたすら行うことです。第一の勉強法は基礎能力試験対策にもなり、第二の勉強法は時事対策にもなるので、限られた時間で効果を出す上で有効であったと考えています。なお、第二の勉強法で英訳対策をしていた記事と類似した内容の記事の英訳が本番でも課されたため、その箇所については余裕をもって英訳をすることが出来ました。このように自分にあった勉強法を見つけることも、合格への近道かと考えます。
- 諦めずに努力を続ける力がカギ
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試験勉強を進めていく中で、様々な困難に直面することがあると思います。試験勉強を始めた当初であれば専門科目が暗号の羅列に見えるかもしれません。論文マスター演習や答練が始まると、点数や順位が上がらないことや、学業やバイトとの両立で十分な時間が取れないかもしれません。また今年度の場合、コロナ禍によって試験が本当に実施されるかという不安もありました。このような中で最終的な結果につながるのは、自分を信じてがむしゃらに取り組み続ける粘り強さだと思います。私自身も、憲法の論文マスターで1桁の点数を取って落ち込んだり、試験延期で勉強に身が入らず、本当にこのままで大丈夫だろうか、と思うことも正直ありました。また面接本番でもうまく応答出来ず、後悔することもありました。ただそれでも、最終的に合格できたのは、どれだけ失敗しても何度でも立ち上がる力、ただこの1つのお陰であると確信しています。もしこの体験記を読んだ方で「漠然とだけど自分も外交官として働きたい」「自分を信じて挑戦したい」という思いがあるのであれば、是非その直感を信じ、一歩踏み出してみてください!そして、一緒に日本のために働ける日を心待ちにしています!