専門科目の選択方法
外務省専門職員試験の受験生が最も悩むポイントは、「専門科目の選択」ではないでしょうか。ここでは国際法・憲法・経済学の組み合わせによる学習内容の違い(メリットとデメリット)について担任講師がアドバイスします。
総合本科生【国際法+憲法+経済学】で万全の体制を整える
3科目学習の最大の特長は安心感です。本試験で出題される専門試験の問題は当日選択式になっているため、専門科目を3科目学習することで、より解きやすい問題を選択することができます。また、憲法も経済学も他の公務員試験では必須科目になっているケースが多いため、公務員試験の中で併願される方にも安心です。
【担任講師:井能 強志 講師】
メリット
- 本番で解きやすい科目を選ぶことができるので、得点可能性を高めることができる。
- 他の公務員(東京都Ⅰ類や地方上級)を併願することができ、内定可能性を高めることができる。
デメリット
- 科目数が増える分、学習に要する時間が増える。
- 短期間で合格を目指す場合、民間就活との両立が難しくなる。
セレクト憲法本科生【国際法+憲法】で専門職を単願で短期間攻略
憲法はとっつきやすい点が一番のメリット。学習の短期完成を目指す方におすすめしやすい科目です。必要な暗記量は比較的少ないので、合格レベル答案を早い段階で書き上げられるようになります。
【憲法担当:早川 兼紹 講師】
メリット
- 覚える対象は論述のベースとなる限られた論証部分だけなので暗記すべき内容は比較的少ない。
- 答案の評価は、覚えた量ではなく、論述の論理性や説得力の有無で決まるため、文章力にある程度自信がある人は早期に合格答案が書けるようになる。
- 憲法は全ての法学理解の基本になるので、法学全般の理解に役立つ。
デメリット
- 「これが正解!」といえる一義的な解答がない科目なので、不安を感じる人もいる。
- 説得力ある文章が書けるかどうかが決め手になるので、文章を書くことが苦手な場合に苦労することがある。
- 経済学に比べ択一試験の配点比率が低い公務員試験が多いため、憲法だけでは併願の幅を広げづらい。
セレクト経済本科生【国際法+経済学】で専門職と総合職を両にらみ
経済学のメリットは国家総合職対策がしやすいこと。経済区分で受験すれば学習負担が少なく、専門職と総合職の両方から外交官を目指せます。また、暗記量が少なく、安定して得点できるのも経済学のメリットです。
【経済学担当:福嶋 聡 講師】
メリット
- 暗記量が少なく、一度解法を身につけることができれば、安定して得点を取ることができるようになる。
- 国家総合職(経済区分)との併願もしやすく、国家総合職と外務専門職のダブル受験も可能。人物試験では「経済外交」を柱としたPRもできる。
デメリット
- 数式やグラフ(中学数学程度)を用いるため、学習初期に勉強の山場がくる。
- 全体像を理解するまでに多少の時間がかかる。