vol2【現役外交官インタビュー】アジア大洋州局北東アジア第二課 三木希視代さん
外務省突撃インタビュー第2弾!
今回は女性職員に外務省でのワークライフバランスについてざっくばらんに語っていただきました!日々多くの業務をこなし、海外での長期滞在を経験しながら、家庭や子育ての両立はどのようにされているのでしょうか?
三木希視代(みききみよ)さん
アジア大洋州局北東アジア第二課
<プロフィール>
H14年入省
研修語:朝鮮語
略歴 ・総合外交政策局企画課
・アジア大洋州局北東アジア課
・在大韓民国日本国大使館
・在中国日本国大使館
・アジア大洋州局北東アジア課
・結婚・出産・育休
・国際協力局民間援助連携室
・在大韓民国大使館
Q. 外務省専門職を目指したきっかけは何ですか?
「外の世界を見てみたい!」と思い大学在学中に韓国に交換留学したことが韓国との初めての出会いです。韓国についてほとんど何も知らない状態で留学したので、見るもの聞くもの全てが新鮮でしたが、日本と韓国が国のレベルになると難しい問題に直面しやすい関係にあることを改めて目の当たりにしました。
留学中にソウルで語学研修中だった外務省専門職員の先輩と知り合ったことでこの仕事の存在を知り、外交という人と人との関係から始まり、国と国との関係に携ることのできる仕事に興味を持ち、受験を決意しました。
Q. 海外勤務が多い職業を選ぶにあたり、結婚・出産などについての不安はありましたか。
学生の頃は、結婚・出産をどのタイミングでするかといったことは特に考えていませんでしたが、いざ社会人になってみると、ライフプランについて不安に思ったことは正直なところありますね。「外務省の人は海外と日本を行ったり来たりするから、結婚するのも大変そうだよね、特に女性は。」と言われることもよくありましたが、職業柄、色々な方と出会う機会がありますし、省内には結婚・出産を経験している女性職員が沢山います。それぞれ家庭環境も仕事内容も異なりますが、様々な制度を利用しながら仕事と家事、子育てに向き合っています。他の機関で働いたことがないので比較はできませんが、女性でも働きやすい環境が整っていると思います。
Q. 具体的にはどのような制度を利用しているのですか。
子どもを持つほとんどの女性職員は、子育ての状況に合わせて勤務時間の調整をしていますね。例えば、私の場合は通常9時半出勤のところを9時出勤にして帰宅する時間を少し早めたりしています。それぞれの育児環境に合わせて職場の上司や家族と相談しながら、仕事と子育てを両立しています。最近は、少しずつですがテレワーク(在宅勤務)をする職員も増えてきました。
Q. 三木さんは、育休から復帰して間もない時期に3度目の大使館勤務を経験されたということですが、この時にご家族はどうされていたのですか。
主人の勤めている会社に理解を得ることができたので、家族全員で韓国に行きました。かつて勤務したことのある国だったこともあり,なんとかなるかなと思っていましたが、やはり赴任当初は保育園探しなどでかなり苦労しました。振り返ってみると、大変なことも色々ありましたが、結果としてはみんなで行って良かったと思っています。単身で赴任するときとは違った視点で韓国社会を見ることができましたし、家族がいたおかげで交友関係も広がり、素晴らしい出会いもたくさんありました。
また、最近、外務省では,子連れで在外勤務を経験した職員達の体験談などを互いに共有し合う場も設けられているようなので、とても心強いと思っています。
Q. 今までで一番印象に残っている仕事はありますか。
中国での勤務が一番印象深いですね。第三国から朝鮮半島情勢や日韓関係を見るという経験がとても新鮮で勉強になりました。当時行われていた六者会合等、北朝鮮関連業務に携わることができたことも良い経験でした。ちょうど赴任していた時期に北京オリンピックが開催されたので、オリンピック業務に関われたことも思い出深い経験となりました。
Q. これから外務省で携わってみたいことはありますか。
外務省専門職員というと、地域に専門的に携わるという印象が強いと思いますが、実際に働いてみるとその業務の幅広さに驚かされます。条約や国際協力、軍縮、経済など、非常に高い専門性が求められる分野が数多くあり、地域のみならず分野の専門性も培うことのできる職場だと思います。このように多くの業務がある中で、「これから何をやっていきたいか」というのはまさに私が日々考えていることですし、悩めるほど選択肢があるというのは魅力的なことですね。他の分野に携わってきた同僚の話なども参考にしながら、新しいことにチャレンジしてみたいです。
Q. それだけ業務の内容が幅広いからこそ、日々勉強をし続ける必要があると感じたのですが、何か意識されていますか。
通訳業務もあるので、語学については日々勉強を続けていますね。また、これまで朝鮮半島情勢に長く関わってきたとはいえ、まだまだ分からないことだらけなので、時間が取れるときには専門的な本を読んだりしています。
Q. 最後に、これから外務省を志す人に向けてのメッセージをお願いします。
今試験に向けて勉強されている方は、ぜひ自分を信じて頑張ってください。外務省は、自分が努力した分、やりがいを感じることのできる職場だと思います。(もう一度人生があったとしたらこの仕事を選ぶと思うかかという質問に対して)恐らく選ぶのではないかと思います。(笑)女性にとっても働きやすい職場です。関心を持たれたのであれば、まずはぜひチャレンジしてみてください!
~インタビュアーの一言~
インタビューの中で、外務省は女性にとって働きやすい職場だと思いますか?という質問に「はい!」と即答されたのがとても印象的でした(笑)。外務省に限らず、公務員全体で福利厚生を充実させる取り組みがなされているのを実感しました。