FPの気になるところをまるっと解説! FP(ファイナンシャルプランナー)の学習内容は?
FP(ファイナンシャルプランナー)試験は、生まれてから亡くなるまでの個人のライフサイクルで必要となる「お金の知識」を6分野の分けて体系的に学習します。各分野においてどんなことを学び、そして、何が得られるのでしょうか。「FP試験の学習内容」について、講師と受講生の会話でご紹介します。
登場人物のご紹介
陽葵(ヒマリ)さん
最近のお金に関するニュースから、将来に不安を感じているものの、何をすればよいかわからない状態。そのような中、FP(ファイナンシャルプランナー)という資格に興味をおぼえている今日この頃。
宅久(タック)先生
現役のファイナンシャルプランニング技能士1級、CFP®として実務の世界で活躍中。また、とある受験指導校で講師として登壇し「FPの魅力と将来性」を伝えるべく日々奮闘中。
FP(ファイナンシャルプランナー)で学ぶ6分野
FP(ファイナンシャルプランナー)では、どんなことを学習しますか。
陽葵(ヒマリ)さん
宅久(タック)先生
FPではお金に関する知識とスキルを「ライフプランニングと資金計画」「リスク管理」「金融資産運用」「タックスプランニング」「不動産」「相続・事業承継」の6分野に分けて体系的に学習します。
具体的にはどんな内容ですか。
「人生の三大資金」と呼ばれる教育資金・住宅資金・老後資金といったライフプランニングの柱となる考え方、年金などの社会保険制度、税金、資産運用、相続など、私たちが生きていく上で大切な知識とスキルですので、すぐにでも自分自身の暮らしに役立てられることが大きなメリットです。もちろん、資産に関するコンサルティングを仕事にしている方、仕事にしたい方にとっては必須といえます。
それでは、各分野について見ていきましょう。
(1)FP「ライフプランニングと資金計画」の学習内容
「ライフプランニングと資金計画」では、どんなことが学べますか。
この分野では、公的年金や健康保険・介護保険、住宅・教育ローンの仕組み等を学習します。超高齢社会の重要課題の一つである定年後の生活設計や子どもの教育資金計画などのために年金やローンの仕組み、給付制度を知ることは大いに役立ちます。
老後の生活資金に不安を感じているので、特に年金制度には興味があります。
私たちがお金に関する問題、たとえば、教育資金や住宅資金、老後資金などで困った際に「国がどのように最低保障してくれるのか」を学ぶのが「ライフプランニングと資金計画」です。
もしものときは、国が私たちをいつでも守ってくれるはずでは。
いえいえ、必ずしもそうとは限りません。日本の社会保障制度の多くは「申請主義」を採用しています。社会保障を受けるにあたって当事者自身が申請しないといけません。ですから、せっかく利用できるはずの制度があるにもかかわらず、その存在を知らず申請しなかったために利用できなかったというケースも考えられるのです。
まさに「知らなきゃ損」ですね。
はい、その通りです。「知らなきゃ損する」は、FPで学ぶ6分野すべてに共通するキーワードですね。
(2)FP「リスク管理」の学習内容
「リスク管理」では、どんなことが学べますか。
この分野では、生命保険・損害保険などの各種保険商品について種類から特徴、選択方法、関連する法令まで様々な知識を学習します。疾病や事故など「まさか」のときに自分で備えるための処世術を身につけます。
国が守ってくれるので、「ライフプランニングと資金計画」を学ぶだけで十分なのでは。
残念ながら「ライフプランニングと資金計画」で学ぶのは、あくまで国の最低保障に過ぎません。要はそれだけでは足りないのです。ですから、「いかに充実した将来を過ごすことができるか」「いかに人生におけるリスクを避けることができるか」「いかに自分の判断でどのような形で自分を守るか」を思い描くためにも、「リスク管理」の知識とスキルは必須といえるでしょう。
たしかにそうですよね。たとえば、保険商品も実に様々なものがありますので、それらを見極めるのに役立ちますよね。勉強したくなってきました。
(3)FP「金融資産運用」の学習内容
「金融資産運用」では、どんなことが学べますか。
債券・株式・投資信託・外貨を中心にそれらの特徴や仕組み、売買方法を学習します。金融市場の状況や投資の基本理論も学びますので、資産運用におけるリスクとリターンのバランスを分析・判断することができるようになります。
「ライフプランニングと資金計画」「リスク管理」とはまた違った内容ですね。
「ライフプランニングと資金計画」「リスク管理」が、いわば、いかに資産を守るか、育てるか、といった「守り」の内容であるのに対し、「金融資産運用」は、いかに資産を増やしていくか、といった「攻め」の内容といえるでしょう。将来の夢や生活の安定をかなえたいのであれば、ぜひしっかり学習していただきたい分野です。
数学の知識が必要ですか。数学は苦手なもので。
たしかに、債券の利回りや株式投資の指標などで数式を扱いますが、数も限られていますし、何より電卓が使えますので、あまり苦手意識を持たなくても大丈夫ですよ。
なかには、実際に株式売買を通して数式への理解をより深めようとしている方もいらっしゃいます。まずは「慣れること」です。大事なことです。
(4)FP「タックスプランニング」の学習内容
「タックスプランニング」では、どんなことが学べますか。
はい、読んで字のごとく「税金」について学習します。FPは「家計のホームドクター®」ですから「所得税」が中心になります。所得税の控除や確定申告の手続を理解し、税額計算ができるようになれば、自ずと節税対策もできるようになります。所得税の他にも、法人税や消費税、住民税など様々な税金も取り扱います。
税金と聞くと、どうも難しい印象があります。
たしかに、似たような語句も多く仕組みが複雑そうなので、苦手意識を持つ方が多いのも事実です。しかし、言葉や数式をバラバラにおぼえるのではなく、必要となる範囲を整理した上で「所得税の計算の流れ」の体系を意識して学習すれば全体像が見えてきます。
また、お勤めの方であれば、源泉徴収票の見方や医療費控除の活用など、実生活に直結した内容も多いので、ぜひとも頑張っていただきたいところです。
源泉徴収票の見方に興味があります。しかも、節税対策の知識が身につくのであれば、ぜひ頑張ってみたいです。
(5)FP「不動産」の学習内容
「不動産」では、どんなことが学べますか。
はい、そのものズバリ不動産の取得・保有・売却に際して守らなければならない法律や支払わなければいけない税金、さらには不動産投資についても学習します。
あまり日常生活で「不動産を取得する」といったイメージがつきにくいのですが。
不動産会社にお勤めの方や不動産投資をされている方以外だとイメージがつきにくいかもしれません。 しかし、一般の方々でも「人生最大の買い物」ともいわれるマイホームの購入、相続で受け継いだ土地や家屋の保有・処分など、数は多くはありませんが「不動産」の知識を必要とするケースは出てきます。
不動産広告や登記簿の見方、居住用財産の譲渡の特例などがわかるようになると、選択肢の幅が大きく広がります。
最近では相続に絡む「空き家問題」もよく聞きます。知らないうちに当事者になるおそれもあることを考えると、勉強しておきたい内容ですね。
(6)FP「相続・事業承継」の学習内容
「相続・事業承継」では、どんなことが学べますか。
財産の相続や贈与、事業の次世代への継承に際して必要な法律や税金に関する知識を学習します。遺産争いの防止対策として役立つ知識であり、弁護士や税理士などの専門家に依頼する際にもスムーズに手続・処理をすることができます。
人間だれしも相続の場面に遭遇しますからね。特に相続税に関心があります。
「タックスプランニング」と同様に、相続税もまた似たような語句や数式が出てきますが、こちらも「相続税の計算の流れ」の体系を意識して学習することが大切です。相続税・贈与税を理解できるようになれば、多くの規定を駆使した節税対策や遺産分割対策、納税資金対策を取ることができるようになります。
たしか、最近民法が改正され、相続に関する内容も大きく変わったと聞いています。これを機会に勉強してみたいと思います。
「FP(ファイナンシャルプランナー)の学習内容」のまとめ
- FPは、生まれてから亡くなるまでの間に必要となる「お金の知識」を「ライフプランニングと資金計画」「リスク管理」「金融資産運用」「タックスプランニング」「不動産」「相続・事業承継」の6分野に分けて体系的に学習します。
- 6分野すべてに共通するのは「知らなきゃ損」することが学べること。これがFPを学ぶ大きなメリット。
- 学習する内容はすべて実生活に役立つものばかり。学習中であっても実際に活用しながら知識を深めることができるので、極めて実践的。
デジタルパンフレットを閲覧する
資格の最新情報やTACのコースを掲載したパンフレットを、お使いのデバイスでいますぐご覧いただけます。
お申込いただいた場合、個人情報の取り扱いにご同意いただいたものとして取り扱わせていただきます。
FP(ファイナンシャルプランナー)についてもっと知ろう!