FPの気になるところをまるっと解説! FP(ファイナンシャルプランナー)の試験制度・合格率・学習時間は?
FP(ファイナンシャルプランナー)の試験に合格するためには、試験制度をしっかりと理解しておくことが不可欠です。
この記事では、学習スケジュールを組む上で重要な「FPの試験制度・合格率・学習時間」について、講師と受講生の会話でご紹介します。
登場人物のご紹介
陽葵(ヒマリ)さん
最近のお金に関するニュースから、将来に不安を感じているものの、何をすればよいかわからない状態。そのような中、FP(ファイナンシャルプランナー)という資格に興味をおぼえている今日この頃。
宅久(タック)先生
現役のファイナンシャルプランニング技能士1級、CFP®として実務の世界で活躍中。また、とある受験指導校で講師として登壇し「FPの魅力と将来性」を伝えるべく日々奮闘中。
試験スケジュール
試験はいつ実施されるのですか。
陽葵(ヒマリ)さん
宅久(タック)先生
試験日程は、資格の種類や実施団体によって異なります。下の表をご覧ください。
なお、一般財団法人金融財政事情研究会は以下「金財」、特定非営利活動法人(NPO法人)日本ファイナンシャル・プランナーズ協会は以下「日本FP協会)」と略します。
FP資格 | 3級 | 2級 | 1級 | CFP | |
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試験月 | 学科・ 実技 |
学科・ 実技 |
学科 (金財) |
実技 | 6課目 (日本FP協会) |
1月 | ● | ● | ● | ||
2月 | ● | ●(金財) | |||
3月 | |||||
4月 | ● | ||||
5月 | ● | ● | ● | ||
6月 | ● | ●(金財) | ● | ||
7月 | ● | ||||
8月 | ● | ||||
9月 | ● | ● | ● | ●(日本FP協会) | |
10月 | ● | ●(金財) | |||
11月 | ● | ● | |||
12月 | ● |
3級は通年実施、2級・1級学科(金財)は1月・5月・9月の年3回です。1級実技(金財)は2月・6月・10月の年3回に対し、1級実技(日本FP協会)は9月の年1回しかありません。
日本FP協会が実施するCFP®は6月・11月の年2回です。
通年実施や年3回実施など、受検チャンスが多いのはうれしいですね。
他の資格試験では年1回が多いので、FPはチャレンジしやすい試験だといえます。
ただ、3級・2級・1級学科はいずれも、金財と日本FP協会とも試験日は同じですので、どちらかを選択しなければなりませんので、ご注意を。
学科試験と実技試験
FP技能士の試験科目「学科」と「実技」の違いは何ですか。
「学科」では、暮らしとお金に関する法律や制度の仕組みの基本的な事項や要件を問われたり、それらをめぐる最新の動向も出題されたりします。いわば「知識を正しく身についているか」について審査されることになります。
「実技」では、学科で身についている知識を実例に即して運用できるかを試されます。事例(ストーリー)を前提として具体的な税額を計算させるなど、実務に近い、より実践的な知識を問われることになります。いわば「知識を正しく理解しているか」を審査されることになります。
実技の方が難しいのでしょうか。
いえ、そうとは限りません。実技は実務に近い問題が多いということは、実務をこなす上では押さえておかなければならない内容が問われているということ、すなわち「定番問題が多い」「出題傾向がほぼ固まっている」といえます。
一方の学科は「知っているか知らないか」ということで出題されるため範囲が広く、しかも、テキストには掲載されていない最新の動向も出題されるところから、学科の方が難しいという方も多く、合格率にもその傾向が現れています。
実技というと面接試験などが思い浮かぶのですが。
実技において、面接試験ともいえる口頭試問形式で行われるのは1級(金財)のみです。3級・2級・1級(日本FP協会)の実技は筆記形式です。ただ、解答方法、たとえば、○×、択一、語句・数値記入、論述式などが級によって異なりますので、ご注意ください。
ところで、学科と実技は、一度の試験で両方とも合格しなければいけないのですか。
学科・実技の両方に合格してはじめてその級の試験に合格したことになりますが、一度の試験で両方合格できなくても、合格した科目は「科目合格」扱いになります。
「科目合格」になるとどうなりますか。
3級・2級を例として科目合格になった場合、合格した科目の試験実施日の翌々年度末までの間(約2年間)に片方の科目に合格すればよいことになります。
あまり時間が取れない社会人にも優しい制度ですね。これならば学習計画も立てやすいです。
また、CFP®も同様に「課目合格制」を採用しています。「金融資産運用設計」「不動産運用設計」「ライフプランニング・リタイアメントプランニング」「リスクと保険」「タックスプランニング」「相続・事業承継設計」の6課目に分かれ、すべての課目に合格しなければなりませんが、1課目ずつの受験および合格が認められています。
そして、ここがポイントなのですが、課目合格はAFP認定者として資格を保持していれば期限なく有効であるところが、FP技能士と異なります。
CFP®も社会人にとって受験しやすい制度ですね。
年2回試験がありますから、たとえば「1回につき3課目学習し、1年で合格を目指す」といったように、戦略的に学習することができるメリットがありますね。
絶対評価と相対評価
合格するためには何点取ればよいのでしょうか。
FP技能士については、学科、実技とも満点の60%以上で合格となります。このように、定められた目標の基準への到達度や達成度を絶対的に評価する方法を「絶対評価」と言います。
60%以上も正解しないといけないのですか。
いえいえ、むしろ「40%未満は間違えることができる」と捉えてください。試験が残念な結果に終わってしまう方の多くは、学習範囲をくまなくチェックし、細かいな論点までカバーしようとする、いわば「完璧主義」「満点主義」にこだわっているように思います。
FPの試験範囲は膨大で、時事問題等も含めたら限度がありません。自ずと中身が中途半端になるのも無理ありません。
「40%未満も間違えることができる」と思考回路を切り替え、得意な論点は確実に正解するように、苦手な論点はそれほど深入りしないといった判断基準で学習すれば、いらぬストレスも抱えずに済みます。
そのように考えると、気持ちが楽になります。
絶対評価のもう一つのポイントとして、周りの受験生の得点が高かろうが低かろうが、自分さえ満点の60%以上を得点していれば合格できる点です。
受験勉強をしていると、成績などをついつい周りの受験生と比較しがちになってしまいますが、周りの出来は関係ありません。言うなれば「自分との闘い」としてモチベーション高く学習を続けることが合格の秘訣です。
ところで、たしか他の資格試験では絶対評価ではなかったように思いますが。
絶対評価の反対として、集団内での相対的な位置づけによって能力や成績を評価する方法を「相対評価」といいます。多くの資格試験はこちらを採用しています。
CFP®試験はまさしく「相対評価」であり、受験生全体の出来具合によって合格基準が変わります。ちなみに、ここ最近の合格基準は課目にもよりますが、50問中30~35点、満点の60~70%あたりを推移しています。
相対評価だと合格するのは厳しくなるのでしょうか。
たしかに、受験生全体の出来具合によりますので、毎回同じ難易度ではありませんし、絶対評価の時のように「これだけやっておけばいい」という戦略が通用しないおそれもあります。高い点数で合格したと思っていたら、周りの受験生はそれより高い点数だったら残念な結果になってしまいます。
しかし、裏を返せば、問題が難しすぎて思うように点数が取れなかったとしても、周りの受験生がそれ以上に点数が低ければ、合格できるチャンスは生まれてきます。「いかに周りの受験生が落とさない問題を正解するとともに、合否の分かれそうな問題を正解することで差をつけるか」といった学習戦略が得策です。
なるほどですね。
FP(ファイナンシャルプランナー)3級の試験制度・合格率・学習時間
3級FP技能検定のCBT化に関するお知らせ
2024年4月より、3級FP技能検定試験は学科試験・実技試験とも全国で随時受検ができる「CBT試験」へ完全移行しました。
※ これまで年3回一斉方式のペーパー試験は2024 年1月試験をもって終了しました。(2級は2025年4月よりCBT試験へ移行予定です。1級 FP技能検定は従来どおり一斉方式のペーパー試験を継続します。)
*日本FP協会実施分のQ&A(日本FP協会確認済み)を下記にアップしました。
【参考リンク】
◎CBTS受験者専用サイト
◎NPO法人 日本FP協会HP …3級FP技能検定(CBT試験)の申請・照会・変更へ
◎一般社団法人 金融財政事情研究会HP …2023年度の技能検定3級試験の実施方法に関するお知らせへ
◎技能検定CBT受検システム専用ページ(きんざい実施分) …CBT試験に関する「よくある質問と回答」「操作方法マニュアル」へ
3級の試験制度や合格率について教えてください。
3級の試験制度の概要は以下の通りです。
3級FP技能検定 | ||
---|---|---|
受検資格 | 特になし※ ※ FP業務に従事している者または従事しようとしている者(FP業務とは、資産の設計・運用・管理およびこれらに係わる相談業務、コンサルティング業務をいいます) |
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試験実施団体 | ●金財 ○日本FP協会 |
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試験月 | 通年実施(候補日より受検生が選択。休止期間を除く。) | |
受検申請期間 | 受検日の4ヵ月前~受検日の属する月を含んで4カ月前の月初より受検日の3日前まで | |
合格発表 | 受検日の翌月中旬 | |
試験範囲 | 学科試験 | ライフプランニングと資金計画/リスク管理/金融資産運用/タックスプランニング/不動産/相続・事業承継 |
実技試験 | 次の科目から1つを選択 ●個人資産相談業務[金財] ●保険顧客資産相談業務[金財] ○資産設計提案業務[日本FP協会] |
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出題形式 | 学科試験 | CBT試験(試験会場にてパソコンで解答する方式) ○×式/三答択一式 合計 60問/90分 |
実技試験 | CBT試験(試験会場にてパソコンで解答する方式) 三答択一式 60分 ●5問(小問は計15問)[金財] ○20問[日本FP協会] |
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合格基準 | 学科試験 | 60点満点で 36点以上 |
実技試験 | ●50点満点で 30点以上[金財] ○100点満点で60点以上[日本FP協会] |
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受検料(非課税) | 学科試験 | 4,000円 |
実技試験 | 4,000円 |
最近の合格率は各試験実施団体のホームページをご確認ください。
・一般社団法人 金融財政事情研究会 試験結果
・特定非営利活動法人(NPO法人)日本ファイナンシャル・プランナーズ協会 FP技能士の取得者数及び試験結果データ
金財は学科が40~50%、実技(個人資産相談業務)が50~60%、日本FP協会は学科が80~90%、実技(資産設計提案業務)が75~85%で推移していますね。実施団体でかなり差が付いています。
実施団体によって受検者層は異なりますし、先ほどもお話ししましたが「絶対評価」で決められますので、この差はあまり気にする必要はありません。
3級は解答形式が○×や三答択一など答えやすいものなので、とっつきやすいですね。
3級は合格率が高いですが、学習範囲が広く、初めて聞く用語もありますから戸惑うことがあるかもしれません。ついつい細かいところまでこだわってしまうと全体像がつかめなくなりますので、基本用語の理解を中心に、着実に学習を進めることが大切です。
また、FPは私たちに生活、特に「家計」に関連した分野を学習するので、耳にした用語が新聞、雑誌、テレビ、インターネットなどで出てきたら、テキストで改めて調べてみるとより理解も深まります。「まずは興味を持って学習する」これが3級合格の秘訣です。
最後に、3級合格に必要な学習時間はズバリどれぐらいでしょうか。
3級合格のための学習時間の目安は「20~30時間程度(TACの講義時間を除く)」だとTACは想定しています。なお、3級は合格率の高い試験ですので「何点で合格したか」にこだわってください。高得点で合格することに意義があります。
FP(ファイナンシャルプランナー)2級の試験制度・合格率・学習時間
2級の試験制度や合格率について教えてください。
2級の試験制度の概要は以下の通りです。
2級FP技能検定[兼AFP資格審査試験] | ||
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受検資格 | 次のいずれかに該当 ・3級FP技能検定合格者(金融渉外技能審査3級合格者含む) ・FP業務に関し2年以上の実務経験を有する者 ・日本FP協会認定のAFP認定研修を修了したもの |
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試験実施団体 | ●金財 ○日本FP協会 |
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試験月 | 年3回(1月/5月/9月) | |
願書受付 | ・1月試験 : 11月中旬~11月下旬 ・5月試験 : 3月中旬~4月初旬 ・9月試験 : 7月上旬~7月下旬 |
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合格発表 | 試験日の約1.5ヵ月後 | |
試験範囲 | 学科試験 | ライフプランニングと資金計画/リスク管理/金融資産運用/タックスプランニング/不動産/相続・事業承継 |
実技試験 | 次の科目から1つを選択 ●個人資産相談業務[金財] ●中小事業主資産相談業務(1・9月のみ実施)[金財] ●生保顧客資産相談業務[金財] ●損保顧客資産相談業務(9月のみ実施)[金財] ○資産設計提案業務[日本FP協会] |
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出題形式 | 学科試験 | 筆記試験(マークシート式) 四答択一式 60問/120分(10:00~12:00) |
実技試験 | 筆記試験(記述式*) 90分(13:30~15:00) ●事例形式 5設例[金財] ○事例形式 40問[日本FP協会] *「択一」「語群選択」「空欄記入」など |
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合格基準 | 学科試験 | 60点満点で36点以上 |
実技試験 | ●50点満点で30点以上[金財] ○100点満点で60点以上[日本FP協会] |
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受検料(非課税) | 学科試験 | 5,700円 |
実技試験 | 6,000円 |
※AFPは合格後、日本FP協会に登録して会員になることによりAFP資格のライセンスが授与されます。
登録料:入会金10,000円(初年度のみ)、年会費12,000円
最近の合格率は各試験実施団体のホームページをご確認ください。
・一般社団法人 金融財政事情研究会 試験結果
・特定非営利活動法人(NPO法人)日本ファイナンシャル・プランナーズ協会 FP技能士の取得者数及び試験結果データ
金財は学科が20~30%、実技(個人資産相談業務)が30~40%、日本FP協会は学科が40~50%、実技(資産設計提案業務)が60~70%で推移していますね。実施団体でかなり差が付いています。
実施団体によって受検者層は異なりますし、先ほどもお話ししましたが「絶対評価」で決められますので、この差はあまり気にする必要はありません。
難度も3級よりアップしたように感じます。
2級ではFPの基本となる問題を土台として応用力が試されます。出題範囲も広くなりますが、2級を学習することにより、3級では見えなかった科目間の繋がりが見えてきます。この繋がりを意識することで学習内容の全体像が把握しやすくなるとともに、実生活に活用できる知識も身についてきます。
また、TACの「3・2級本科生」「2級本科生」など、AFP認定研修も兼ねたカリキュラムで学習されている方は「提案書」を作成しますが、これはAFP認定研修の修了要件のみならず、各科目の復習、特に実技試験対策に役立ちますので、しっかり取り組んでください。
最後に、2級合格に必要な学習時間はズバリどれぐらいでしょうか。
2級合格のための学習時間の目安は「80~100時間程度(TACの講義時間を除く)」だとTACは想定しています。たとえば、通勤時間やお昼休み、または早起きするなど、工夫して「コマ切れ時間」を捻出し学習時間を確保してください。「塵も積もれば山となる」焦らず、じっくりと取り組むことが合格の秘訣です。
FP(ファイナンシャルプランナー)1級の試験制度・合格率・学習時間
1級の試験制度や合格率について教えてください。
1級の試験制度の概要は以下の通りです。
1級FP技能検定 | ||
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受検資格 | 次のいずれかに該当 ◆学科試験[金財] ※日本FP協会は学科試験は未実施。 ・2級FP技能検定合格者または、金融渉外技能審査2級合格者でFP業務に関し1年以上の実務経験を有する者 ・FP業務に関し5年以上の実務経験を有する者 ◆実技試験[金財][日本FP協会] ・1級学科合格者 ・日本FP協会CFP認定者および合格者 |
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試験実施団体 | ●金財 ○日本FP協会 |
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試験月 | ◆学科試験[金財] ・年3回(1月/5月/9月) ◆実技試験[金財][日本FP協会] ●年3回(2月/6月/10月)[金財] ○年1回(9月)[日本FP協会] |
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合格発表 | 試験日の約1.5~2ヵ月後 | |
試験範囲 | 学科試験[金財] | ライフプランニングと資金計画/リスク管理/金融資産運用/タックスプランニング/不動産/相続・事業承継 |
実技試験 | ●資産相談業務[金財] ○資産設計提案業務[日本FP協会] |
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出題形式 | 学科試験[金財] | 筆記試験 ・基礎編:四答択一式(マークシート式) 50問/150分(10:00~12:30) ・応用編:事例形式(記述式*1) 5設例/150分(13:30~16:00) *1 「空欄記入」「数値記入」「誤文訂正」など |
実技試験 | ●口頭試問(半日)[金財] ○筆記試験(記述式*2)2題 20問/120分(13:30~15:30) *2 「択一」「語群選択」「数値記入」「論述式」など |
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合格基準 | 学科試験[金財] | 200点満点で120点以上 |
実技試験 | ●基礎編 100点、応用編 100点の200点満点で120点以上 ○100点満点で60点以上 |
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受検料(非課税) | 学科試験[金財] | 8,900円 |
実技試験 | ●28,000円[金財] ○20,000円[日本FP協会] |
最近の合格率は各試験実施団体のホームページをご確認ください。
・一般社団法人 金融財政事情研究会 試験結果
・特定非営利活動法人(NPO法人)日本ファイナンシャル・プランナーズ協会 FP技能士の取得者数及び試験結果データ
金財は学科が10~15%、実技(資産相談業務)が80~90%、日本FP協会は実技(資産設計提案業務)は90~95%ですね。
あれ、日本FP協会の学科の数字がありませんが。
日本FP協会による1級学科試験は実施されていません。その代わり、CFP®試験合格者または認定者であれば、1級学科試験が免除になります。ですから、1級実技を受検するルートとしては、(1)1級学科(金財)に合格してから、(2)CFP®に合格してからの2種類が存在することになります。
(1)だと、合格率が10~15%の難関試験で、一発合格しなければなりませんが、年3回試験があるのが強みですよね。
(2)だと、年2回しか試験がなく、6課目それぞれ受験しなければなりませんが、課目合格制ですから、学習スケジュールは立てやすそうですね。
(1)と(2)のどちらを選ぶかは、ご自身の実力と学習環境によるところが大きいのですが、試験の「解答形式」も判断材料の一つになるかもしれません。
と言いますと。
1級学科(金財)の解答形式は、基礎編が「マークシート」に対し、応用編は「記述式」となります。記述式では、語句や数値を直接記入する空欄補充問題や途中の計算過程も求められる計算問題などがあります。
一方、CFP®は全課目すべて四答択一式の「マークシート」です。
記述式よりもマークシートの方が学習しやすいという方もいらっしゃいますし、正解にたどり着いていなくても部分点はもらえる可能性があるから記述式の方が良いという方もいらっしゃいます。
ちなみに、最近は(2)のルートを選ばれる方も増えてきています。なかには「CFP®とのダブルライセンスが魅力的だから」という理由で選んだ方もいらっしゃいます。
最後に、1級学科(金財)合格に必要な学習時間はズバリどれぐらいでしょうか。
1級合格のための学習時間の目安は「150~200時間程度(TACの講義時間を除く)」だとTACは想定しています。
基礎編は出題範囲が広く、細かい論点の出題が多いのが特徴です。テキストには掲載されていない時事問題も出されるため、なかなか学習しづらいですが、なかには、2級レベルの問題もありますので、まずはしっかり基本論点をこなしていくことが肝要です。
応用編では事例形式の計算問題が出されますので、まずは形式に慣れることが大切です。計算問題も定番化している論点も多いので、繰り返し問題を解くことが1級学科(金財)攻略のポイントと言えるでしょう。
計算問題の解法がパターン化されている応用編では7~8割、細かい論点まで問われる難しい基礎編では5~6割の得点を目指していただければと思います。
CFP®の試験制度・合格率・学習時間
CFP®の試験制度や合格率について教えてください。
CFP®の試験制度の概要は以下の通りです。
日本FP協会認定 FP上級資格 | |
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受験資格 | ・日本FP協会にAFP登録している者 ・日本FP協会が認めた大学院で、所定の単位を取得した者 |
試験の特徴 | 課目受験 ・ 課目合格が可能 全6課目合格後、所定の要件を満たし、日本FP協会に登録するとCFPとして認定される。 また、CFP合格者は「1級FP技能検定試験の学科試験が免除」される。 |
試験実施団体 | 日本FP協会 |
試験科目 | ・金融資産運用設計 ・不動産運用設計 ・ライフプランニング・リタイアメントプランニング ・リスクと保険 ・タックスプランニング ・相続・事業承継設計 |
出題形式 | 四答択一(マークシート式)1課目 50問/120分 |
試験月 | 年2回(6月/11月) |
受験料 | 1課目:6,600円(税込)※複数科目申込みの場合、割引制度あり |
※CFP®試験に合格後、日本FP協会に登録することによりCFP®資格のライセンスが授与されます。
新規登録料:5,000円(初年度のみ)、年会ライセンス料CFP®会費:8,000円、年会費:12,000円
最近の合格率は各試験実施団体のホームページをご確認ください。
・特定非営利活動法人(NPO法人)日本ファイナンシャル・プランナーズ協会 CFP®資格審査試験 試験結果データ
各課目とも合格ラインが30~35問で、合格率も35%前後で推移していますね。
やはり「相対評価」で決められていますので、数字が安定しているのがCFP®試験の特徴です。
そうなると、受験する課目の選び方は気にしなくてもよいのでしょうか。
まず、各課目間で重複する論点がありますので、1課目よりも2課目、2課目よりも3課目と複数選ぶのが得策です。
特にすべての課目に「税金」に関する論点が絡んできますので「タックスプランニング」は早目に学習しておくと後々が楽になります。また、「タックスプランニング」は毎年税制改正されますので、一度の受験で合格を果たせるよう学習計画を立ててください。
最後に、CFP®合格に必要な学習時間はズバリどれぐらいでしょうか。
CFP®合格のための学習時間の目安は「1課目につき40~50時間程度(TACの講義時間を除く)」だとTACは想定しています。
問題の構成割合は2級レベルが約30%、CFP®の基礎レベルが約20%、CFP®の応用レベルが約50%です。まずは落としてはいけない2級レベルとCFP®基礎レベルの論点を固めることが先決です。
CFP®の応用レベルはCFP®特有の論点です。このレベルをいかに正解できるかが合格へのカギとなります。
CFP®試験は知識問題と計算問題に大別されますが、知識問題は重箱の隅をつつくような出題もあり、これだけで合格点を見込むのは厳しいです。
計算問題は計算量が多く、時間内に解くのが難しいかもしれませんが、出題される論点は決まっていますので、いかに多くの問題を解いて解法パターンを身につけられるかが合格の条件となります。
「FP(ファイナンシャルプランナー)の試験制度・合格率・学習時間」のまとめ
- FP技能検定は年3回の試験スケジュールに科目合格制など、時間の融通が利きやすく学習計画が立てやすい試験です。
- FP技能検定は「絶対評価」なので、学習した成果がそのまま合格に直結しやすい試験です。
- FP1級を目指す方法として「CFP®試験を受験する」のも有効です。ダブルライセンスも得られるので一挙両得!
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