FP(ファイナンシャルプランナー)1級の受験資格は?条件をクリアして合格しよう!
FP(ファイナンシャルプランナー)1級とは?
FP(ファイナンシャルプランナー)1級の試験に合格することで、多くの企業から「貴重な人材」とみなされ、大幅な年収アップが期待できます。では、このFP1級は、どのような資格試験なのでしょうか。
本章では、FP1級の合格点や難易度について解説していきます。
FP1級試験の合格点
FP1級試験は『きんざい』と『日本FP協会』の2団体が主催しています。前者の場合は、学科試験と実技試験を、後者の場合は実技試験のみを実施しています。
そして試験の合格点は、主催する団体によって異なります。『きんざい』の合格点は200点満点中120点です。『日本FP協会』が主催する試験の合格点は、100点満点中60点です(いずれも実技試験の合格点)。
点数は異なりますが、どちらも6割をクリアすることで合格基準に達します。
FP1級試験の難易度
FP1級は、学科試験の難易度は高いものの、実技試験の合格率は高い水準を維持しています。以下では、過去に実施された試験における、受験者や合格者、合格率をまとめましたので確認してください。
学科試験の合格率
実施時期 | 合格者/受験者 | 合格率 |
---|---|---|
2024年5月 | 736人/4,340人 | 16.95% |
2024年1月 | 456人/5,226人 | 8.72% |
2023年9月 | 653人/5,023人 | 13.00% |
2023年5月 | 170人/4,831人 | 3.51% |
2023年1月 | 638人/6,146人 | 10.38% |
実技試験(きんざい)の合格率
実施時期 | 合格者/受験者 | 合格率 |
---|---|---|
2024年6月 | 458人/554人 | 82.67% |
2024年2月 | 614人/698人 | 87.96% |
2023年9月 | 157人/196人 | 80.10% |
2023年6月 | 625人/737人 | 84.80% |
2023年2月 | 649人/754人 | 86.07% |
実技試験(日本FP協会)の合格率
実施時期 | 合格者/受験者 | 合格率 |
---|---|---|
2023年9月 | 967人/1,005人 | 96.2% |
2022年9月 | 1,186人/1,198人 | 99.0% |
2021年9月 | 1,126人/1,201人 | 93.8% |
2020年9月 | 511人/523人 | 97.7% |
2019年9月 | 938人/1,009人 | 93.0% |
-
こちらもチェック!
FP(ファイナンシャルプランナー)1級の受験資格
FP(ファイナンシャルプランナー)1級試験合格の難易度が高いと言われる理由としては、受験資格が厳しいことも一因です。以下3点が、FP1級試験の受験資格として公表されているものです。
1.FP2級技能検定合格者で、FP(ファイナンシャルプランナー)業務に関し、1年以上の実務経験を有する者
2.FP(ファイナンシャルプランナー)業務に関し5年以上の実務経験を有する者
3.厚生労働省認定金融渉外技能審査2級の合格者で、1年以上の実務経験を有する者
しかし上記の受験資格は、実質的な条件とは少々異なる部分があります。以下で各条件について解説します。
1つ目の受験資格
1つ目の条件である「2級技能検定合格者で、FP(ファイナンシャルプランナー)業務に関し、1年以上の実務経験を有する者」というのを、簡単に説明すると「FP2級合格+実務経験1年以上」ということです。
つまりFP2級を取得済みであることと、実務経験(1年以上)があること、どちらの条件も満たしていなければならないということです。
「すでにFP2級を取得している者でなければそもそも受験できない」といった条件が、FP1級のハードルをさらに押し上げていると考えられます。
2つ目の受験資格
2つ目の「実務経験が5年以上ある人」というのは、もはや説明不要な受験資格でしょう。実務経験が5年以上あれば、FP2級、3級を飛ばしていきなり1級から受験することができます。
しかし、この方法はあまりおすすめできないものです。理由としては、実務と試験には、一部乖離があるためです。
つまりFP1級試験を受験することはできても、合格を望むことは難しいということです。やはりFP3級、2級と、しっかり段階を経て受験するのがベターな方法と言えます。
3つ目の受験資格
3つ目の受験条件である「厚生労働省認定金融渉外技能審査2級の合格者で、1年以上の実務経験を有する者」というのは、実はほとんど該当者がいない条件です。というのも「金融渉外技能審査2級」という試験自体が、2001年をもって廃止されてしまっているためです。
もし同資格を取得していたとしても、それは20年以上も前に取得したものです。法令などが変わっている部分も多いうえに、そもそも知識の大半を忘れてしまっている可能性もあるでしょう。
FP(ファイナンシャルプランナー)1級を取得するメリット
FP1級を取得することには、多くのメリットがあります。具体的には「金融全般の知識が身に付く」「信用が高まる」「専門性の高い仕事に就ける」といった3つが考えられます。
本章では、それぞれについて、より具体的にどのようなメリットがあるのかを解説していきます。学習を進める際のモチベーションにしてください。
金融全般の知識が理解できる
FP1級の試験に合格する際、一生役に立つ金融関係の知識を身につけることができます。例えば資産運用や老後の資金計画、税金など、将来的には自身のためにもなる知識を学ぶことができます。
またしっかりとしたお金に関する知識を持てるため、現在の生活においてもすぐに応用できるでしょう。仕事に活かすだけでなく、実生活に沿った資格試験と言えます。
信用力が高まる
金融に関する知識をしっかりと身に着けることができる「FP1級」は、社会的信用を得ることもできます。独立するなどして、個人で事務所などを経営する際にも、FP1級という資格は、信用力を高めます。
専門性の高い仕事ができる
FP1級は実務に即した知識を身に着けることができるだけでなく、より専門性の高い仕事に就くための「武器」にもなります。企業としても、FP1級の保持者が在籍していることは、競合他社との差別化するうえで重要なポイントとみなされます。
もちろん企業の中でも、専門性の高い資格を取得することで、希望部署へ配属してもらえる可能性が高まります。
実技で不合格になる人の特徴
FP(ファイナンシャルプランナー)1級の実技試験は、合格率が高い傾向にあります。しかし場合によっては「不合格」となってしまうケースも。
その原因としては「対策が足りていない」「あがり症」「人の話を聞かない」の3つが挙げられます。それぞれについて、以下で解説していくので、これからFP1級の実技試験を受けようと考えている方は、ぜひ「反面教師」にしてください。
対策が足りていない
そもそも「対策が足りていない」ことで不合格になってしまう可能性は大いにあるでしょう。高い合格率である実技試験ですが、対策をしなければ不合格になる可能性はあります。
FP1級の学科試験と実技試験は別の試験です。合格率の低い学科試験をクリアしたからといって油断せず、しっかりと対策したうえで試験に臨んでください。
あがり症
試験本番に弱い、いわゆる「あがり症」であることも、不合格の原因となってしまいます。実技試験は、就職の面接のような形式で進みます。面接やそもそも人前で話すことに、苦手意識を持っている方は要注意です。
もちろん、試験当日は誰でも緊張することはあるでしょう。しかし試験官もそのことはわかっています。ある程度、緊張して話せないこともありますが、限度を超えたものになってしまわないよう注意してください。
人の話を聞かない
FP1級の実技試験に不合格になってしまう最後の原因は「人の話を聞かない」ことです。面接官は鋭い質問を投げかけてくることもありますが、答えに詰まっている受験生に対して、さりげないヒントをくれるといった優しさもあります。
そのため、面接官の話をよく聞いてさえいれば、問題なく回答できるケースも少なくありません。しかし人の話を聞けない方は、せっかくのヒントも活かすことができず、不合格となってしまうかもしれません。
受験資格をクリアして、FP(ファイナンシャルプランナー)1級に合格しよう!
FP1級は3つの条件のうち、いずれかをクリアすることで受験資格が得られます。しかしなかには、条件として記載されてはいるものの、実際にはほとんど該当者がいない項目もあります。
多くの受験者は「FP2級以上を取得している」かつ「実務経験が1年以上ある」という条件に該当するでしょう。受験条件をクリアして、ぜひFP1級の合格を目指してみてください。
効率よく合格をつかみたい方は、TACのような受験指導校の活用をおすすめします。
デジタルパンフレットを閲覧する
資格の最新情報やTACのコースを掲載したパンフレットを、お使いのデバイスでいますぐご覧いただけます。
お申込いただいた場合、個人情報の取り扱いにご同意いただいたものとして取り扱わせていただきます。
FP(ファイナンシャルプランナー)1級についてもっと知ろう!
FP1級取得者の年収は?性別・年齢別・事業規模別・働き方別などに分けて解説
FP(ファイナンシャルプランナー)1級の資格取得者の年収について、性別・年齢別・事業規模別・働き方別など様々な観点からわかりやすく解説します。FP1級の取得を検討されている方は必見です! 続きを読む »
FP1級の難易度は?合格をつかむための効果的な学習方法も紹介!
FP1級試験の難易度はかなり高いです。そのため、独学では一発合格が難しいとされている資格でもあります。本記事では、FP1級試験の難易度についてわかりやすく説明したうえで、学習方法についても解説します。これから受験を考えている方は、ぜひ参考にしてください。 続きを読む »
FP1級の合格率はどのくらい?合格率をアップさせるコツもご紹介
FP1級試験の合格率は例年10%前後とされています。これは他の国家試験の合格率と比較しても、かなり難易度が高いといえます。そこで本記事では、FP1級試験の合格率について解説するとともに、効果的な学習方法や合格つかむコツなどもあわせてご紹介します。 続きを読む »
FP1級は独学でも合格できるのか?独学のメリットとデメリットも解説!
FP1級試験はかなり高難易度な試験とされています。独学でも受験資格さえクリアしていれば試験を受けることはできますが、かなり厳しいのが現実です。本記事では、FP1級に独学で挑む際のメリットやデメリット、効率よく合格をつかむための学習のポイントをわかりやすく解説します。 続きを読む »
FP1級に必要な勉強時間は?試験の概要や学習方法もわかりやすく解説!
FP1級合格のために必要な勉強時間はどのくらいなのでしょうか?FP1級は難易度が高い試験のため、試験の概要や難易度を理解したうえで、十分な対策が必要です。この記事では、FP1級試験の概要や難易度などを解説し、具体的な勉強方法についても紹介します。 続きを読む »
FP1級の実技試験は2団体が主催しており、いずれかを選んで受検する必要があります。しかし、それぞれ実施方式や出題範囲が異なるため、自分に適した受検方法を選ぶことが大切です。この記事では、FP1級の実技試験の種類や合格率、不合格になる人の特徴について解説します。続きを読む »