タックス ファンタスティック! 第75回テーマ 遊びなのか仕事なのか?

田久巣会計事務所の代表の田久巣だ。会計士や税理士のSNSを見たり先輩の話を聞いたりしていると、友達と飲んだりイベントに行ったり、かなりゆるい感じで遊んでいるようにしか見えないことがある。本人に聞くと、遊んでいるように見えるが実は仕事なのだ、と真剣に反論されたり、いやそのまんま遊びだよ、と開き直りや照れ隠しをされることもあったりする。さて、今回は遊びと仕事の境目がテーマだ。


監 子 税太君、助けて!


税 太 監子さん、この展開初めてですけど、いきなりどうしたんですか?


監 子 合コンがダブっちゃったの。しかも両方幹事。どうしよう…。


税 太 監子さん、しばらく恋愛ネタがまったくなかったのでだいぶ渋い大人になられたのかと思いきや、フルスロットルモードですね。「遊び」はほどほどにしたほうが…。


監 子 あらあら、税太君、それは聞き飛ばせない言葉ね。今「遊び」と言ったわね?


税 太 え?ちがうんですか?合コンって「仕事」として捉えることもあるんですか?


襟 糸 フフフ。税太君、その質問は愚問だ。「仕事」と捉えるに決まっている。


税 太 え、なぜですか?


襟 糸 9月13日にリリースされたChatGPTの新モデル「OpenAI o1」に聞いてみよう。

質問
仕事と遊びの境目ってなんでしょうか?

回答
仕事と遊びは一見すると対極にあるように思えます。仕事は一般的に義務や責任を伴い、収入を得るために行う活動とされています。一方、遊びは楽しみやリラクゼーションを目的とした自発的な活動です。しかし、現代社会ではこの境目がますます曖昧になってきています。
境目を考える際の要素:
1.目的と動機: 仕事は収入や社会的役割の達成を目的としますが、遊びは自己満足や楽しみを追求します。
2.義務感と自由度: 仕事には締め切りや目標が設定されており、責任が伴います。遊びは自分のペースで行え、義務感はありません。
3.結果と報酬: 仕事は金銭的報酬やキャリアの発展をもたらしますが、遊びは内面的な満足感やリフレッシュ効果があります。
4.社会的認識: 社会や文化によって、何が仕事で何が遊びかの認識も異なります。
しかし、仕事が楽しく感じられたり、遊びがプロフェッショナルなスキルや成果を生む場合もあります。例えば、趣味を仕事にしている人や、クリエイティブな職業に就いている人にとって、その境目は非常に曖昧です。
結論:仕事と遊びの境目は明確に線引きできるものではなく、個人の感じ方や状況によって変わります。重要なのは、自分にとってバランスの取れた生活を送り、どちらからも充実感と満足感を得ることではないでしょうか。


襟 糸 ごらんの通りだ。監子君にとっては恋愛は今や生き甲斐であり、自己満足というより義務感があり、キャリアを磨くうえでも大事なものなのだ。その恋愛のきっかけである合コン、しかもその幹事はかなり仕事と言えるだろう。


監 子 う~ん、褒められているのか皮肉を言われているのか…。でも確かに真剣と言う意味では仕事よ。あ~、ダブり解消の調整に神経使うわ!


税 太 気持ちはわかりますけど、監査実務が一番の仕事ですよね?合コンはしなくても給料下がらないですし、仕事と言うと「言い訳」だと思うんですよね。それって奥さんに怒られる典型的なワードで、この間昔の友達とただご飯食べていたのを会食と称して仕事にカモフラしようとして、奥さんに怒られていた筆者の天野さんと変わらないと思います!


監 子 こら、税太君、天野さんのプライベートを露見しちゃだめよ!でもそういえば開業税理士さんなどはほんと楽しそうに飲み食いして遊んでいるSNS投稿も多いよね。あれも仕事なのかなぁ?田久巣代表、恒例のダジャレも含めてポイント欄で解説お願いします!

【今回のポイント】

初めての展開で監子君からのスゴい無茶ぶりだが、仕事と遊びの境目は士業だけでなくあらゆる職業においてよく論点になる。ただ士業において確実に言えるのは、士業は資格を取った瞬間にサムライになるということ。特に税理士だと身の回りの日常すべてが仕事と関係ないとは言い切れなくなる。ご飯を家族と食べに行ってもサービス業や接待の店候補を学ぶ勉強の場になったりするし、何気ないイベントのSNS投稿のゆるさが事務所への入所応募数を増やすかもしれないし、野球好きな同業の友人と野球をしているときにふと仕事の相談をされたりもする。「休息」はとても大事でしっかり意識的にとるべきだが、普段の生活の「球速」を緩めすぎないのも大事なのだ。


[『TACNEWS』タックス ファンタスティック!|2024年10月|連載 ]

Profile

筆者 天野 大輔(あまの だいすけ)

1979年生まれ。公認会計士・税理士。税理士法人レガシィ代表社員。慶應義塾大学・同大学院修了(フランス文学を研究)。情報システム会社でSEとして勤務。その後公認会計士試験に合格、監査法人等で会計監査、事業再生、M&A支援等を行う。その後相続専門約60年の税理士法人レガシィへ。相続・事業承継対策の実務を経て、プラットフォームの構築を担当。2019年に士業事務所間で仕事を授受するWebサービス「Mochi-ya」、2020年にシニア世代向けの専門家とやりとりするWebサービス「相続のせんせい」、2024年に士業のためのSNS「サムシナ」をリリース。主な著書『相続でモメる人、モメない人』(2023年、講談社/日刊現代)。2023年、YouTubeチャンネル「相続と文学」配信開始。

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