タックスファンタスティック　Tax Fantastic!!第14回テーマ 税理士って高嶺の花なの？

監　子　あのさぁ、襟糸君。襟糸君は本当にエリートだったの？

襟　糸　フフフ、そんな愚問を言うとは俺も見くびられたもんだ。答えはYESだ！

監　子　ふーん、具体的にどうエリートだったの？

襟　糸　フフフ、先月号もそうだったようだが、監子君もとうとう僕に興味が湧いてきたみたいだね。まあ幼い頃は神童と言われたもんだよ。九九も小学校に入る前にそらんじて たからな。円周率も小数点以下100桁まで 余裕に暗記できたものさ。

監　子　大学も確か有名大学だったんでしょ？なぜ一流大手企業に就職しなかったの？

襟　糸　フフフ、監子君、それは実にプライベートな問題だな。秘密としておこう。

田久巣　就職氷河期と言うやつだよ。面接に落ちまくっちゃったんだよな。

襟　糸　だ、代表～！！私の個人情報をどこの馬の骨ともわからぬ人に知らせていいのですかぁ？？

監　子　馬の骨ってそんな他人扱いしないでよ！でもようやくわかったわ。それでショックでふさぎこんで勉強を始めたってわけね。つまりエリートじゃないわけね！

襟　糸　くぅ～、気にしている過去を今更棒でツンツン突くとは…。そういう監子君だってどうなんだい？一見モテ女子な雰囲気なのになぜ華の一流OLではなくて会計士へ？

監　子　ふふふ、私は大きな組織の言いなりではなく、自立したかったの。学生時代フランスへ旅行に行ってみたら女性が自由に生き生きと街を闊歩していたの。かっこよくて 一人でも生きていけそうな資格を取ることを決意したのよ。

田久巣　それでモテない世界に来ちゃったわけだ。

監　子　あ、あの代表、今日はちょっとブラックなコメントが多いですね…。そう、ぶっちゃけるとその旅行も失恋がきっかけ。何とか資格を取って一人で生きてこられたけど、あまりに一人で生きて行けるもんだから、いまだ独り身…って何を言わせるの！！読者の女性受験生、誤解よ！女性会計士はモテます！

田久巣　税太君はどうだったんだっけ？

税　太　僕はちょっと恥ずかしいですね。襟糸先輩も監子さんもお二人ともすごいですよ。大学を出て国家資格を取ったんですから。僕は大学受験に失敗して無気力になり、就職する気もなくフリーターをしてたんです。飲食店でアルバイトしていた時、いつも夕方になると奥の席で本を見ながら一生懸命電卓を叩いていた女性がいたんです。何をやっているのかなと見たら『簿記一級テキスト』。あるとき本を忘れていったんです。悪いなと思いながら本の中を見たらマーカーとペンで書き込みだらけ。こんなにも努力できるものがあるとは！と驚きでした。本を取りに来た時の彼女のほっとした笑顔を見たら惚れちゃって。いつの間にか結婚して、僕はシステム業界に就職して、でもあの時の『簿記一級テキスト』のぬくもりが忘れられず、転職して５科目合格目指して頑張っている、といったところです。ちなみに妻は家事や子育てしながら今も合格目指しています。

一　同　税太君、感動した！そのストーリーこそエリート！