日本のプロフェッショナル 日本の司法書士|2022年5月号
元木 翼氏
司法書士法人ミラシア 行政書士法人ミラシア
代表社員 司法書士 行政書士
元木 翼(もとき つばさ)
1983年、東京生まれ。2006年、早稲田大学教育学部英語英文学科卒業。2009年、行政書士試験合格。2010年、司法書士試験合格。同年、司法書士・行政書士登録。2010年、都内大手司法書士法人・行政書士法人入所。2011年、上記法人東京支店所長、一般社団法人理事。2017年、独立開業、千葉商科大学特別講師就任。2018年、事務所を法人化して司法書士法人ミラシア設立。2020年、行政書士法人ミラシア設立。
生前対策に絞った相続業務を展開。
どれだけデジタル化が進んでも、
士業はどこまでいっても「人」なんです。
日本社会全体の高齢化に歩みを合わせるように、様々な相続業務を士業が行うようになった。相続の中でも生前対策に焦点を当てた展開をする司法書士法人ミラシア代表の元木翼氏は「一次対応から有資格者が対応すべき」と語っている。元木氏の業務へのこだわりや司法書士をめざした動機、そして今後の展開までを詳しくうかがった。
思い立って司法試験に挑戦
現在、司法書士・行政書士として活躍する元木翼氏は幼い頃からサッカーに打ち込んできた。現在はフットサルをやっているが、大学時代はサッカーサークルを自ら立ち上げ、サークルの運営、大学対抗戦や学内対抗戦などの運営を行っていたという。
「学生時代はサッカーサークルの運営が中心でしたね。あとはアルバイトも結構やっていました」
英語圏の文化に興味があり早稲田大学の教育学部英語英文科に進学した元木氏。将来、英語を活かした仕事がしたいという漠然とした思いはあったが、具体的な職業までは浮かび上がっていなかった。
大学3年になり、元木氏は友人たちにつられるように就職活動を行ったが、何か心に引っ掛かるものがあったという。
「会社員になった場合、例えば転勤や昇進などは自分でコントロールできません。コントロールできない何かに人生を左右されてしまうのはどうなんだろうかというモヤモヤした気持ちが、就職活動をしながらもずっとあって。そんな折に偶然、司法試験をめざす人に向けたパンフレットを目にしたんです」
それを読み、司法試験とその後に続くプロフェッションとしての人生に魅せられてしまった元木氏。
「弁護士になりたいという強い思いがあったわけではなく、“会社員ではない何か”になりたいという思いが強かったのかもしれません。でもせっかくやるなら難しい資格にチャレンジしてみようと、司法試験をめざすことを決心しました」
元木氏が大学を卒業する2006年は、折しも新司法試験、つまり現在の司法試験制度がスタートする年だった。新司法試験では、法科大学院を修了して受験資格を得るか、そうでなければ予備試験に合格して受験資格を得なければならないが、当時は制度移行期として、新司法試験(現司法試験)と従来の制度による司法試験(旧司法試験)とが併存していた。
「法学部出身ではない私が法科大学院に進むとしたら、法学未修者課程で修了までに3年間、そこから司法試験へ挑戦することになりますから、かなり長い道のりになります。どうして法学部に進学しなかったのかとこのときは後悔しましたね。悩みましたが、少しでも早く合格できるように旧司法試験に挑戦することに決めました」
元木氏が司法試験をめざすことに、両親は猛反対だったという。
「『突然どうしたんだお前は』というのが両親の本音だったと思います。普通に就職活動をすれば、大企業に就職することも難しくないのに、その道を捨てて司法試験の勉強を始めるわけですからね。周りの誰ひとりこの挑戦に賛成してくれる人はいませんでした。でもなんとか両親を説得して、受験は3回までと期限を決めて認めてもらいました」
こうして元木氏は、司法試験の受験生となった。
学んだ法律の知識を活かすため司法書士の道へ
大学の同級生たちが就職活動を終え、残りの大学生活を満喫している中、元木氏は司法試験の勉強を始めた。学費にはアルバイトで貯めたなけなしの貯金を注ぎ込んだという。
「最初はものすごい量のテキストを見て、大変な道を選んでしまったぞと圧倒されました。でも勉強を始めてみると案外楽しくて。初めて聞く一つひとつの言葉を覚えて理解していくプロセスは、外国語を学ぶ感覚に近いなと思いました」
新たに学ぶ法律は、もともと好きだった外国語学習に通じるものがあったようだ。
試験勉強のかたわら学習塾講師のアルバイトもしていたという元木氏。週末には学生時代の仲間と一緒にサッカーに興じることもあった。
「大学卒業から2~3年経っていますから、サッカー後の飲み会で同級生たちの話を聞くと、みんなが社会人として活躍している様子がわかり、とてもまぶしく思えて。自分の他にも公認会計士試験に挑戦している人がいて、この試験組だけ大学卒業で時が止まっているわけです。試験に合格できないと、社会人としての人生は何も動き出さない。取り残されてしまうようでものすごい恐怖を感じましたね。
これで最後と約束した3回目の受験で不合格となったときは、人生が終わったような感覚がありました。とりあえず、アルバイトではなく何かまともな職に早く就かないといけないと強く思いましたね。そんな中、いろいろ情報を調べる中で目に留まったのが司法書士だったのです。今まで勉強してきた法律の知識も活かせるし、合格すればすぐに実務に就けることも魅力に感じました」
司法試験で結果が出せなかった元木氏は、司法書士受験へと舵を切り直した。
「司法書士の1回目の受験と同年、2009年には行政書士試験を受けて合格しています。何年も勉強を続けてきた法律の知識を何か形に残したいという思いで、勉強したことがない行政法の勉強だけして受験しました。このときはそれが仕事にも通じるとは考えていませんでしたね」
司法書士試験は2回目の受験で、2010年に無事合格。同年、元木氏は司法書士登録と行政書士登録を済ませた。
勤務司法書士として実務を学ぶ
司法書士試験に合格したものの、司法書士業界のことはよく知らなかった元木氏は、まず知り合いのツテをたどって何人かの司法書士に会いに行ったという。
「歩んできたキャリアや仕事内容などを教えてもらう中で、業界のイメージや今後の自分のキャリアもおぼろげながらに見えてきました。やはり実務経験を積むためには司法書士法人に入るしかない。将来のことを考えると営業やマネジメントについても学びたいので、ある程度の規模感で組織化されたところが希望でした。方針も固まり、就職活動を始めたのですが、一般企業への就職活動と比較すると応募先を探すにもほとんど情報がなく苦労しました」
元木氏は合同就職説明会に参加し、3つの事務所に応募。神奈川県に本店があり、東京都に支店がある司法書士法人・行政書士法人に入所した。
「1年間は神奈川県の本店で実務をみっちり学びました。業務内容としては、不動産登記の決済業務が多かったですね。その他の業務も依頼があれば断らないスタンスの事務所でしたので、幅広い業務に携わることができました」
そして2年目からは都内の支店に移り、実務だけでなく営業活動も行うようになった。
「不動産登記をはじめ、いろいろな実務に接してきましたが、お客様との距離が少し遠い印象がありました。もっとお客様との近い距離で仕事ができないものかと思い着目したのは、2010年頃からマーケットが伸び始めた相続の分野でした。所長の指示のもと、金融機関や不動産会社を営業で回る合間に、相続を取り扱う会計務所や葬儀社などに営業をかけ、種をまいていきました」
その当時、元木氏は事務所が依頼したコンサルタントから営業の研修も受け、飛び込み営業の経験もしたという。都内で新規のクライアントを開拓するのは難しく、初めて経験する営業で「0」を「1」にする大変さを味わった。
「3年目からは徐々に相続の依頼などを受けられるようになりました。そしてスタッフを増員するなど支店としても充実し始めたのです。その実績が認められ、支店長も務めさせてもらい、マネジメントの経験もできました」
元木氏の活躍もあり、都内の支店は軌道に乗り始めた。
「タイミングは決めていませんでしたが、自分が決めた売上目標を達成できたら独立しようと決めていました」
その目標を達成したのは入所6年目のことだった。そして2017年1月、元木氏は自らの事務所を開設した。
生前対策をメインに独立開業
自身の事務所を構えるにあたり、元木氏は相続をメイン業務とすることに決めた。
「ただ、同じ相続業務でも勤務時代とは取り組み方を変えました。今ほどではありませんが、開業当時、すでに相続マーケットはライバルが多く厳しい競争の世界に入っていました。相続が発生したあとで仕事を紹介してもらう場合は、葬儀社や会計事務所が営業先になるのですが、ここは大手も含めライバルが多くすでに飽和状態です。ですから、勤務時代のように葬儀社や会計事務所ヘアプローチするのではなく、今後は生前対策に取り組んでいかなければ生き残れないと考えたのです」
勤務時代は相続が発生してから葬儀社や会計事務所、金融機関などから紹介を受け、相続業務を行っていたが、バッティングしないようにすることも考えて、独立後は相続が発生する前の生前対策からスタートさせようというのである。
「ちょうど家族信託が話題になり始めている頃でしたので、積極的に家族信託のサービスを営業しました。家族信託に関しては、勤務時代にも取り組んでいて、セミナーにも登壇していました。また、家族信託に積極的な他の事務所と団体を作り、私自身もその理事を務めていましたから、自然と情報が集まってくる環境にあったわけです」
従来の相続は発生後に依頼されることが多いため、どちらかといえばその場限りのつき合いになりやすい。だが元木氏はひとりのお客様と長くつき合うことを理想と考えた。
「例えば登記のご依頼を受けたとき、そこからその方の相続や、その方のご家族、そしてその方の奥様のご家族にも広げていくなど、ひとりのお客様を起点に広く長くいろいろな人とおつき合いしていきたいと考えています。マーケティング的に言えばライフタイムバリュー(顧客生涯価値)の最大化になりますが、そのためには、1回きりの依頼と対応で終わってしまう関係ではなく、何かあったらここに相談しようという、かかりつけ医のようなポジションになれるかどうかが勝負の分かれ目なのです。そう思ってくださるお客様が増えていけばいくほど、営業しなくとも自然に案件が入ってくるようになりますからね。この状態が理想です」
一方で司法書士の王道ともいえる不動産登記に関しては、開業以来一度も営業活動をしたことはないという。
「不動産登記が重要な業務であることは確かですが、市場として見た場合、現状は不動産会社や金融機関が依頼する先の司法書士事務所はほとんど決まっています。全国対応ができる大手事務所が重宝がられることもあり、新規参入はそう簡単ではありません。また、不動産登記は季節性がある業務で、3月・9月・12月と毎月の月末が非常に多忙になり、この時期は他の業務より優先しなくてはいけなくなります。加えて、どうしても不動産登記は下請け的な要素が強い業務ですので、例えば不動産登記と相続業務が同時に進行していたら、期限が迫っている不動産登記のほうを優先せざるを得ないので、相続の業務は後回しになってしまう可能性があります。以上のような理由から、私たちくらいの規模の事務所では両方の業務を同時に行うことはあまり得策ではないと考えています」
また、不動産登記と相続業務では必要となる専門知識や取り組むスタンスが異なるため、同じスタッフが両方をかけ持つことはかなり難しいという。決められたスケジュールの中で不動産決済に向けて参加者を調整することがメインとなる不動産登記と、時間をかけて調べ、考えてプランを組み立てる相続との両立は困難と判断しているのだ。
一次対応から司法書士有資格者が対応
現在の業務内容としては、もちろん相続発生後の依頼もあるが、生前対策を前提にした相続の案件が多く、遺言、家族信託、成年後見(任意後見)、生前贈与、相続放棄が並んでいる。この業務内容は開業当時と変わらないという。それぞれの業務内容に合わせた専門サイトや生前対策情報サイトなどを複数運営している。
「業務として一番多いのは生前対策ですが、その内容を分析すると遺言、家族信託、任意後見の順でしょうか。また、全業務の1割程度ですが商業登記もあります。これはおつき合いがある会計事務所からの依頼です。不動産登記は相続に関連して発生するもののみで、月1件~2件程度です」
以前はインターネット経由の依頼が多かったが、現在ではリアルでの紹介の比率が高くなっているという。一度依頼を受けたことのある方からの紹介が多く、加えて会計事務所、保険会社、金融機関、法律事務所、ファイナンシャル・プランナー、IFA(資産運用アドバイザー)の会社、特定の不動産会社と幅広い。これは特定の紹介者、依頼者の比率が高くなってしまうことを避けるため、あえて分散させるように元木氏が意識しているからだという。不動産会社や金融機関から不動産登記を数多く受けている事務所の場合、メインクライアントからの依頼がなくなると事務所の存亡に関わるケースもあると聞いているし、実務を通じてそういう可能性があることを実感している。だからこそ、仕事を紹介してくれる間口は広く取っているのである。
さて、元木氏は自身の事務所のスタート当初からその後の組織化を意識してスタッフ2名を雇用しているが、現在では総勢10名となり、司法書士4名と有資格者1名が在籍。開業翌年の2018年には司法書士法人となり、2020年には行政書士法人も設立している。スタッフの半数が有資格者であることには、元木氏のこだわりが現れている。
「不動産決済がないのなら、わざわざ司法書士を何人も雇う必要はないのではと同業者から言われることがあります。そうした考え方もあるかもしれませんが、私は自分の事務所の方針として、相続のお客様に対して一次対応から司法書士有資格者が対応すべきだと考えています。資格を持たなくてもきちんとした提案ができる人はいると思いますが、資格があることでお客様に安心感を持っていただくことができますから、お客様へのご提案は、司法書士の勉強をして確かな知識を身につけた有資格者が行うべきというのが私の考えです。事務所Webサイトのトップでも、私たちの強みとして『専門家(国家資格者)による専任担当制』を謳っています」
プロフェッショナルとしての司法書士の仕事に誇りを持っている元木氏。これからオンライン化、デジタル化が進む士業の世界における士業のあり方はどのように変わっていくと考えているのだろうか。
「どれだけデジタル化が進んだとしても、お客様にとってはお客様の目の前に現れた人がすべてだと思います。だからこそ、相談者の前に現れた専門知識を持つ有資格者がそのお客様の問題を、責任を持って解決するべきだと考えています」
そんな元木氏だけに、採用活動に関してもこだわりがあるようだ。
「少しずつスタッフは増やしていく予定です。求める人物像は、好奇心と向上心がある人、自分の頭で考えて仮説が立てられる人ですね。どちらもこの仕事をしていく上では必要なものだと考えています。
そして人手不足で売り手市場の時代に逆行していると言われるかもしれませんが、有資格者もしくは資格取得に向けて勉強している方を求めています。今補助者が5名いますが、全員が資格取得に向けて勉強しています。働きながら資格を取得するのはとても大変だとわかっていますので、できる限りのサポートをしています。特に勉強時間を確保することがとても重要なので、事務所のことよりも試験勉強を優先して構わないと話しています。人によって受験指導校などに通う曜日も違うでしょうし、試験前は長めに休暇を取りたいという方もいると思います。その辺は柔軟に対応しながら資格取得をサポートしています」
こうした柔軟な対応ができるのも、相続や家族信託がメイン業務で、自分たちでスケジュールをコントロールできるからこそのようだ。
相続実務家のプラットフォームづくり
自らの事務所体制の整備と並行して、元木氏は相続実務家コミュニティ「生前対策実務家倶楽部ミラシア」を3年前に立ち上げており、現在では150名の会員が参加している。
「生前対策の実務家が集い、情報交換・ノウハウ共有を行うことにより、各実務家が提供する生前対策サービスの品質及び顧客満足度の向上を目的として活動しているグループです。コロナ禍前はリアルで集まってセミナー開催や最新情報・ノウハウの提供などを行っていましたが、現在はオンラインでの開催がメインになっています。そのためか、以前は関東地方の方が中心でしたが、今では全国各地の皆さんにご参加いただいています」
参加している会員は士業も多いが、保険営業担当者やファイナンシャル・プランナーも大勢参加している。「自分自身が生前対策の様々な提案を行っていく中で、司法書士だけではできることが限られていると痛感しました。税務・不動産・金融など、その道のプロに頼んだほうが、プロの目やノウハウが入り、良い提案ができるケースもたくさんあります。そのための横のつながりをしっかりと作りたいと思ったのです。ただ、信頼できる方を探すといっても、簡単には見つかりません。そこでいろいろな方に参加してもらい、学んだり情報共有ができたり、横のつながりが作れるプラットフォームのようなものを作って、どんどん参加してもらおうと考えました」
参加者と切磋琢磨していくうちに横のつながりも強くなっていき、例えば不動産の売却をしたいと依頼を受けたお客様が地方在住だった場合には、コミュニティを通じてその地域の不動産会社に依頼するといったこともできるようになってきた。もちろん元木氏が紹介するだけでなく、元木氏が紹介を受けることもあり、信頼できる実務家のネットワークは全国へと広がりを見せている。
また、元木氏は実務家もターゲットにした書籍『親の財産を凍結から守る 認知症対策ガイドブック』(日本法令)を2021年12月に出版している。1,000件を超える認知症対策の相談事例をベースに、認知症予備軍の家族がいる方、その支援者となる司法書士、弁護士、税理士、ファイナンシャル・プランナーなどを対象に、認知症対策の基本や成年後見制度、信託制度を活用した具体的な対策内容をわかりやすく説明した1冊だ。
スタッフの幸せ、サービスの質、自分がつり合う規模を模索
独立開業して5年が経ち、生前対策を打ち出した相続業務で着実な成長を遂げている元木氏だが、5年後、10年後の事務所像についてはどのように考えているのだろうか。
「順調と思われているようですが、これまでの歩みを振り返れば、自分としてはつらいことが6割~7割、うれしいことが3割~4割というイメージです。ただ、この感覚は私に限らず、他の士業や経営者の皆さんも感じていることだと思います。
私としては事務所をそんなに大型化するつもりもありませんし、拠点展開を行うつもりもありません。ただ、組織化は必要だと思っているので、ある程度の規模の事務所にするために人を増やしていきたいとは考えています。諸先輩方の経験談を聞くと、数十名規模で、ある程度自分の目が届く範囲で最低限の組織化をしていくのが自分には合っているのではないかと思っています」
拠点展開を考えない理由として、元木氏はこう語っている。
「自分が仮に依頼者側だったら、東京に本店があって地方にいくつも支店を出している事務所よりも、地元で独立開業してがんばっている地元出身の士業の事務所を選びます。その地域に思い入れのある人のほうがいいですから。そういう考えがあるので、拠点展開は考えていません。スタッフの幸せやサービスの質が保てるラインで、自分の性格にも合っている規模を見極めて、そのラインを今後4~5年で実現していきたいですね」
最後に、現在司法書士の資格取得をめざしている方々にメッセージをいただいた。
「1年に1回しか受験のチャンスがないので、いつ合格できるかわからないという不安もあるでしょうし、試験や資格について様々な情報が飛び交う中でモチベーションを保つことに苦労されている方もいらっしゃると思います。でも合格して実務を始めれば、それまでのつらい勉強が嘘のように楽しい日々が待っています。受験勉強は通っている受験指導校の先生の言う通りに進めて、むやみに手を広げたりせずにテキストや過去問題集だけを愚直にこなしていくのが一番だと思います。これから業界に入ってくる皆さんとともに、もっと業界を盛り上げていきたいと思いますので、ぜひ合格をめざしてがんばってください」
[『TACNEWS』日本の司法書士|2022年5月号]