日常生活にも役立つ「数字力」を鍛える10分間トレーニング ティーチャー鈴木の数的センスアップ塾 Vol.4

Point-考え方-

 シンプルそうな問題に思えますが、解き始めてみると案外神経を使う問題だとわかると思います。そのぶん根気強く考えて答えがピッタリ合ったときには、大きな達成感を感じるはずです!


 今回の問題では、「7が含まれるページの枚数」ではなく、「ページに印字された7の個数」が聞かれています。ですので、一の位から千の位までの各位で「7」が登場する個数をそれぞれ数え、それらを単純に足し合わせればOK。
 こういった問題は、いつもお話ししているように「順序よく解く」のがポイントです。いくつか解法はありますが、今回は1~3216という数字を桁数ごと(一桁台~四桁台)に分割して、「小さい桁数」から、またその中でも「小さい位」から順に、「7」の個数を数え上げていくことにしましょう。


 ではまず、一桁台のページ(P.1~9)を考えます。これは簡単ですね!「7」が印字されるのはP.7の1個(…♥)のみです。


 次に、二桁台のページ(P.10〜99)を考えてみましょう。
 一の位に「7」が印字される数は、P.17、27、…87、97と十の位の種類のぶんだけありますので、9個です。
 続いて、十の位に「7」が印字されるのは、P.70~79の10個ですね。これらを足し合わせれば、二桁台のページで印字される「7」の数は19個(…♦)とわかります。【図1】

 次は三桁台のページ(P.100~999)を考えてみましょう。先ほどと同様、各位で登場する「7」の数を順に数え上げていきます。ただし、なるべく楽をする方法を考えましょう。
 下二桁(00~99)に出てくる「7」の個数は、先ほど求めたP.1~9、10~99に出てくる「7」の個数が活用できます。百の位の9種(1~9)それぞれに、♥+♦=20個が存在していますので、9種×20個=180個が下二桁で印字されている「7」の個数です。
 あとは、百の位に「7」と印字されるP.700~799の100個を足し合わせればOK。
 以上より、三桁台のページ(P.100〜999)では、「7」は全部で180+100=280個(…♠︎)印字されていることがわかりました!【図2】

 ではいよいよ四桁台のページ(P.1000~3216)に突入です!中途半端にページが終わっていますので、キリのいい数字で分割して考えていきましょう。
 まずP.1000〜2999を考えてみましょう。
 千の位に「7」が印字されることはないので、下三桁(000~999)だけを考えればOK。下三桁に印字される「7」の個数は、先ほど求めたP.1~9、10~99、100~999に印字される「7」の個数が活用できます。千の位の2種(1~2)それぞれに、♥+♦+♠=300個が存在していますので、2種×300個=600個が、P.1000~2999に印字されている「7」の個数です。
 さあ、ゴールが見えてきました。最後のページがP.3216なので、さらに数字を刻んで、まずはP.3000~3199を考えます。
 下二桁(00~99)に印字される「7」の個数は、先ほど求めたP.1~9、10~99に印字されている「7」の個数が活用できます。千の位は1種(3のみ)、百の位は2種(0~1)、下二桁は♥+♦=20個ですので、1種×2種×20個=40個がP.3000~3199に印字されている「7」の個数です。
 最後に残ったP.3200~3216、この中に「7」がくるのはP.3207だけ。つまり印字されている「7」は1個ですね。
 以上より、四桁台のページ(P.1000〜3216)に印字されている「7」は全部で600+40+1=641個(…♣)となります!【図3】

 では、いよいよ仕上げです!
 一桁台で1個(♥)、二桁台で19個(♦)、三桁台で280個(♠)、四桁台で641個(♣)なので、答えは1+19+280+641=941個となります!

Answer

 いかがでしたか?一見シンプルに見えますが、結構骨の折れる問題だったと思います。ポイントは数字をどうグルーピングし、どんな順序で数え上げていくのかということ。また、現在地を見失わないようにしながら、先の流れをイメージして進めていくというスタンスが大切です。これは論理的に物事を考えるときには重要な考え方ですね。ここで紹介した以外にも、本問は様々な切り口で解くことができます。違ったアプローチで解いてみるのもおもしろいと思いますよ!

難しい問題ほど解けるとスッキリしますよね!
次回は2月号(1/5発刊)掲載予定です。お楽しみに!

[『TACNEWS』 2021年12月号|連載|ティーチャー鈴木の数的センスアップ塾]  


Profile

筆者 鈴木 伸介(すずき しんすけ)

TAC統計検定®・ビジネス数学検定 ・中小企業診断士講座講師
ハーモニービジョン株式会社代表取締役

各種数学セミナーで講師活動を行いながら、社会人向け数学教室「おとなのENJOY!数学クラブ」「おとな数学オンライン」を主宰、ビジネスパーソンの数学リテラシー向上に尽力している。

保有資格:中小企業診断士・統計調査士・ ビジネス数学検定1級AAA
著 書 : 『もう一度解いてみる入試数学』(すばる舎)

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