国家一般職になるには?

試験制度について詳しく解説!

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霞が関の中央省庁では、国の政策立案や運用、法律の制定など、国の舵取り役として多くの国家公務員が活躍しています。国家一般職の職員は、政策の実行やフォローアップなどに関する事務を職務とし、中央省庁(本府省)や地方機関(出先機関)の最前線で働きます。

この国家一般職になるには、人事院が行う国家一般職試験に最終合格すること、志望する中央省庁(本府省)や地方機関(出先機関)で内々定をとる必要があります。この国家一般職試験はどのような仕組みになっているのでしょうか。ここでは、大卒レベルで行われる試験の仕組みについて詳しく解説していきます。

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1.国家一般職試験とは

国家一般職試験とは、国家公務員のなかでも一府十二省庁の職員になるための試験です。毎年春ごろに実施されており、行政区分だけでなく、技術系区分も用意されています。


第1次試験を突破し、第2次試験を受験する人にのみ、希望府省庁に官庁訪問(採用者を選考するための面接などが行われます)する権利が与えられます。

また国家一般職試験は大卒者向け試験と高卒者向け試験のほかに、社会人向け試験も実施されます。


■国家一般職試験(大卒程度)試験形式

国家一般職試験試験形式.png

■国家一般職の受験区分

国家一般職試験(行政区分)は、その地域に所在する機関への採用を対象とする地域別の試験でもあり、全国を9つのブロックに分けて実施されます。

したがって、例えば「行政 関東甲信越地域」の区分で受験し、合格した(ブロック採用された)場合、勤務地は関東甲信越地域に限定されます。北海道地域や近畿地域など、他のブロックの地域で勤務することはなく、一度入った府省のブロックの中で働くことになります。

9つのブロックの詳細は、以下の通りです。


国家一般職受験区分.png

ただし、中央省庁(本府省)に採用された場合は、霞が関のある東京都に勤務することになります。

中央省庁への採用は、全ての地域からの採用が可能になっています。(外務省を除く)

ここがポイント!

  • 中央省庁(本府省)採用:霞が関勤務
  • ・各府省に採用され、特定分野について専門的業務を行う。
    ・国の中枢、霞が関で主に企画立案を行い、スケールが大きな仕事ができる。

  • 地方出先機関採用:地方勤務
  • ・「○○省関東××局」といった出先機関に採用され、管区内の本局や事務局で活躍。
    ・採用先や配属先によっては窓口業務もあり、勤務地域はある程度限定される。

2.国家一般職の受験資格

国家一般職試験には以下のような受験資格があり、これを満たす方であれば受験できます。

ただし、日本国籍を有しない方や二重国籍の方など、受験資格を満たしても受験できない場合もあります。

■国家一般職試験(大卒程度)受験資格例(2024年度)

1.1994(平成6)年4月2日~2003(平成15)年4月1日生まれの者

2.2013(平成15)年4月2日以降生まれの者で次に掲げるもの  

(1)大学を卒業した者及び2025(令和7)年3月までに大学を卒業する見込みの者並びに人事院がこれらの者と同等の資格があると認める者  

(2)短期大学又は高等専門学校を卒業した者及び2025(令和7)年3月までに短期大学又は高等専門学校を卒業する見込みの者並びに人事院がこれらの者と同等の資格があると認める者

3.国家一般職試験(大卒程度)の
試験内容と実施スケジュール

2024年度の試験から、国家一般職試験(大卒程度)の基礎能力試験の出題数・出題内容が大幅に変更されるとの発表がありました。

出題数が40題から30題に削減される他、従来、知識そのものを問う問題であった知識分野からの出題は、普段から社会情勢等に関心を持っていれば対応できるレベルの時事問題を中心とした問題に変更されます。


つまり、2024年度試験からは、知識分野の出題数が減少し、知能分野の比率が高まることになります。

ここでは、2024年度の試験案内をもとに、大卒程度の国家一般職試験(行政区分)について解説いたします。

■2024年度 国家一般職試験(大卒程度)スケジュール

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国家一般職の第1次試験

基礎能力試験

〈配点比率:2/9〉

基礎能力試験は、公務員として基礎的な能力(知能及び知識)についての、多肢選択式の筆記試験です。知能分野(文章理解・数的処理)と知識分野(自然・人文・社会に関する時事、情報)の2つで構成されています。30題必須解答で、そのうちほぼ半数の14題を数的処理が占めていることから、国家一般職においても、数的処理は最重要科目と言えるでしょう。

30題必須解答(1時間50分)

知能分野:文章理解10題、判断推理7題、数的推理4題、資料解釈3題

知識分野:自然・人文・社会に関する時事、情報6題

専門試験

〈配点割合:4/9〉

国家一般職の専門試験出題分野と出題数は、試験区分によって異なります。

ここでは、行政区分の専門試験について解説します。

行政区分では、次の16科目(各5題)から8科目を選択し、合計40題を解答します。

制限時間は3時間です。

政治学/行政学/憲法/行政法/民法(総則及び物権)/民法(債権、親族及び相続)/ミクロ経済学/マクロ経済学/財政学・経済事情/経営学/国際関係/社会学/心理学/教育学/英語(基礎)/英語(一般)

一般論文試験

〈配点比率:1/9〉

1題必須解答(1時間)

一般論文試験は、文章による表現力や、課題に関する理解力などをはかる筆記試験です。

この試験は第1次試験で実施されますが、第1次試験合格者は「基礎能力試験」と「専門試験」の成績で決定されます。

したがって、一般論文試験の成績は第2次試験以降に活用されることになります。

ただし最終合格者は、第2次試験での成績だけでなく、第1次試験で実施された「基礎能力試験」及び「専門試験」の成績も含んで決定されることに注意しましょう。

国家一般職の第2次試験

人物試験

〈配点比率:2/9〉

人物試験として、人事院による個別面接(面接官:受験者=3:1)が行われます。おおむね15~20分程度で、質問内容は面接カードの記入内容に沿って、受験者の回答を掘り下げながら人間性や将来性を探るコンピテンシー評価型面接です。

人物試験の評価は、A~Eの5段階評価で行われます。

この人物試験や他試験種目の成績を総合し、最終合格者が決定されます。

しかし、最終合格=採用内定ではないことに注意が必要です。

国家一般職の官庁訪問

官庁訪問とは?

官庁訪問は、採用試験とともに内定を得るための重要なプロセスです。

国家一般職の採用内定をもらうためには、第2次試験(人物試験)での合格だけでなく、官庁訪問において内々定を勝ち取らなければなりません。

そもそも官庁訪問とは、民間企業の就職活動における民間面接に近いもので、志望している各官庁の職員から、業務内容の説明や面接などを受けることができます。志望している官庁に関する知識を深める場でもありますが、同時に、採用に向けた自己アピールの場と言えるでしょう。

志望している官庁に採用されるためには、官庁訪問への参加が必須条件となります

国家一般職の官庁訪問の時期は?

国家総合職の官庁訪問は最終合格者の後に実施されますが、それに対し国家一般職の官庁訪問は第1次試験合格者発表後、すぐにスタートします。

つまり、第2次試験である人物試験と並行して官庁訪問を行わなければならないということです。

官庁訪問先の内々定と、第2次試験での合格が揃って初めて採用となるので、たとえ官庁訪問先で内々定をいただいても第2次試験で不合格であれば意味がありません。そんな悲劇を避けるためにも、しっかりと対策をする必要があります。

官庁訪問先の選び方

官庁訪問が可能なのは、受験したブロック地域内にある出先機関と本府省です。

前述の通り、国家一般職の採用試験は、9つのブロックごとに行われます。例えば関東甲信越地域の区分で受験した場合、関東甲信越地域内にある「東京法務局」「東京労働局」などの出先機関、そして霞が関にある「文部科学省」「厚生労働省」などの本府省に官庁訪問ができるわけです。

もちろん、関東甲信越地域以外の地域区分を受験した方でも、本府省での官庁訪問が可能です。

官庁訪問の開始時期や方法に関しては、例年2月頃に国家公務員試験採用情報NAVIや人事院のホームページなどで公表されます。志望する官庁の情報を取りこぼさないよう、しっかりとチェックしておきましょう。

ここがポイント!

  • 訪問できるのは3省庁程度が一般的!                                
  • 省庁主催の説明会・セミナーにはできるだけ顔を出す!                          
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4.試験実施状況

大卒程度の国家一般職(行政区分)の試験実施状況です。

例年、大卒程度の国家一般職(行政区分)採用試験の倍率は、北海道地域・中国地域が低く、関東甲信越地域・近畿地域・九州地域・沖縄地域が高くなる傾向があります。

2023年度の試験では、最も低い倍率は北海道地域の1.7倍、最も高い倍率は九州地域の2.9倍でした。また、関東甲信越地域・近畿地域・沖縄地域の倍率が2.8倍と、九州地域とほぼ変わらない高倍率になっています。

受験年度や地域区分によって多少の差異は生じますが、大卒程度の国家一般職試験の倍率は、おおむね2.5~3.5倍となっており、決して簡単な試験ではないということがうかがえます。

この倍率を勝ち抜き、採用内定をいただくためには、しっかりと対策をしておくことが必要となるでしょう。

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※採用予定数は、過年度試験の合格者名簿から採用される者を含んだ数です。

5.最後に

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国家一般職の試験について解説しました。

国を動かすスケールの大きな仕事に携わることのできる国家一般職は、非常に魅力的な職種ですが、合格への道のりは決して平坦ではありません。


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