公務員はどのくらい家賃補助を受け取れる? 対象条件や支給額を解説
公務員でも、一般企業の会社員と同じように「家賃補助」を受け取ることができます。しかし公務員が家賃補助を受け取る場合には、いくつかの条件をクリアしなければなりません。
本記事では、家賃補助の受け取り対象となる条件や上限額、関連する法令などを解説します。
公務員について詳しく知りたい方は!
公務員の家賃補助とは?
多くの企業では「家賃補助」という制度があります。これは公務員であっても同様で、一定の条件を目指すことで、家賃補助が支給されます。
しかしなかには「要件に当てはまっておらず、受け取れなかった」「思っていたよりも、手当が少なかった」という方も少なくないでしょう。そこで本章ではまず、家賃補助がどのような制度で、どうすれば取得できるのかなどを解説していきます。
そもそも家賃補助ってどんな制度?
家賃補助とは、名前のとおり住居の家賃を補助してくれる制度です。基本的には、働いている本人が住んでいる住居の家賃が対象となります。
しかし単身赴任などによって、本人と家族が別の場所に住んでいる場合は、配偶者たちが住んでいる住居の家賃も、補助の対象となるケースがあります。
以前までは、持ち家に対する家賃補助も支給されていました。しかし、持ち家への家賃補助は、平成21年に廃止されたことから、現在では9割の自治体で補助が停止されています。
地方公務員に支給される「家賃補助」は、自治体ごとの「条例」によって支給額や条件が異なります。そして各自治体には「一般職員の給与に関する条例」が定められています。
また「規則」によって、細かい金額なども決められています。この内容は、自治体ごとに差があるため、ここで一概に紹介することはできません。
自分自身の自治体が、どのような条例や規則を定めているのかは「条規集」を見ることで確認できます。
もちろん、国家公務員に支給される家賃補助も、基準が明確に定められています。具体的には「国家公務員の諸手当の概要」や「一般職の職員の給与に関する法律」によって、支給額などが決まっているので、気になる方は確認しておくと良いでしょう。
公務員でも家賃補助は取得できる?
一般企業のみならず、公務員でも家賃補助は取得できます。
国家公務員が取得できる家賃補助については『国家公務員の諸手当の概要』によって定められています。同概要によると、国家公務員の家賃補助の最高支給額は「2.8万円」とされています。
最高支給額である2.8万円が取得できる家賃は、6.1万円〜です。しかし6.1万円以上の家賃であっても、支給額は2.8万円までです。
これらは国家公務員のケースであり、地方公務員の場合ではまた異なります。地方公務員の家賃補助は、所属する市町村によって変動します。
参考:国家公務員の諸手当の概要
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一般企業との違いは?
公務員の家賃補助は、一般企業とは異なります。一般企業では、家賃補助を「住宅手当」と呼んでいますが、制度自体の目的などに大きな違いはありません。
この住宅手当は、一般企業のなかでも一部上場企業を始めとした、福利厚生が整っている会社に導入されている制度です。そのため、
一般企業における住宅手当は、支給される条件や支給額などに法律上の決まりはありません。企業ごとに定めている「就業規則」や「雇用契約書」に沿って決められています。
家賃補助はいくら支給される?
公務員の家賃補助は、いくらほど支給されるのでしょうか。また補助金を受け取るためには、どのような条件をクリアしなければならないのでしょう。
取得できることがわかっても、具体的にいくら受け取ることができるのかが最も気になるポイントかと思います。本章では、家賃補助の対象となる条件や支給額の上限、家賃としてカウントされないものなどを解説します。
対象となる条件
家賃補助を受けるためには家賃が「月額16,001円以上である」といった条件を満たしていなければなりません。金額が達していない場合は、家賃補助を受けることはできません。
また家賃が16,001〜27,000円であれば、支給額は「月額家賃−16,000円」となります。27,001円以上の場合は「(月額家賃−27,000円)÷2+11,000円」が支給額です。
支給額の上限
もちろん、いくらでも家賃補助を支給してくれるわけではありません。支給額には上限があるため、いくら16,001円以上であっても、家賃が高ければ高いほど、たくさん補助を受けられるわけではないので注意してください。
家賃補助の支給額は、28,000円までです。そのため、最もお得な家賃は月額61,000円です。
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家賃としてカウントされないもの
住宅補助としてカウントされるものは、当然「家賃」の金額によって変動します。ここで注意したいのが、家賃とともに支払うことが多いものの、補助金においては「家賃」とカウントされない費用があるということです。
以下のような費用は、家賃とはカウントされないため、住宅補助の申請をおこなう際は含めないでください。
- 敷金
- 礼金
- 保証金
- 光熱費(ガス・電気・水道)
- 通信費(インターネットなど)
- 駐車場代
- 車庫代
- 共益費
公務員の家賃補助に関するQ&A
ここまでの内容から、公務員の家賃補助について、支給される金額や条件などについては、お分かりいただけたでしょう。しかし他にも、公務員の住宅補助について、さまざまな疑問を持っている方もいらっしゃるかもしれません。
本章では最後に、同棲している場合の家賃補助や、夫婦どちらも公務員であった場合、万が一不正受給してしまったケースについて解説します。
同棲している場合でも家賃補助はもらえる?
カップルで同棲している住宅においても、家賃補助を受け取ることはできるのでしょうか。
結論から言えば、同棲している場合でも家賃補助を受けることができます。また二人で家賃を出し合っている場合も、家賃補助を受けることはできます。
しかし補助の申請ができるのは、カップルのうち、どちらか一方のみ。基本的には、1つの部屋で受けられる家賃補助は1つです。
公務員であってもなくても、二人とも家賃補助を申請することはできません。
夫婦どちらも公務員の場合は?
夫婦どちらも公務員であった場合は、どうでしょうか。この場合でもカップルの同棲と同じように、両方が別々に家賃補助を申請することはできません。
基本的には、その家の世帯主が家賃補助を受け取ることができます。
これは二人ともが公務員であっても、片方が民間企業に勤めていたとしても同様です。二重に家賃補助を受け取ってしまわないよう、注意してください。
不正受給してしまったらどうなる?
万が一、不正受給をしてしまった場合は、どうすれば良いのでしょう。家賃補助を不正に受給してしまうと、最悪の場合「懲戒処分」となってしまう可能性があります。
また人事担当者は申請のあった補助金について、認定するだけでなく、条件が満たされているかの確認もおこないます。そのため不正受給は、絶対に発覚してしまうので避けましょう。
公務員は家賃補助を上手に活用しよう!
家賃補助を受け取ることで、経済的にかなり助かるという方は多いでしょう。しかし誰でも受け取れるというわけではなく、受給には条件があります。
家賃についても、16,001円以上からといった条件があります。また上限額も定められているので、いくらの家賃であっても28,000円以上の補助金を受け取ることはできません。
くれぐれも不正受給をしない範囲で、制度を活用してみてください。