資格の学校TACだからできる! 【外務専門職(外交官)】試験の対策・勉強法を徹底解説!
このページでは、公務員試験の外務専門職(外交官)に絞って、出題傾向と対策方法・勉強法などを解説します。
公務員試験のキホンを知りたい方は、「公務員試験とは?」を、一般的な公務員試験の内容を知りたい場合は、「公務員試験の内容と種類」をご覧ください。
外交官(外務省専門職)について詳しく知りたい方は!
1.外務専門職(外交官) 試験概要
外交官になるには?
外交官になるには、外務省専門職員採用試験に最終合格する必要があり、外務省専門職員採用試験は、例年次のような日程で実施されます。
まず、第1次試験が6月中旬の土日、2日間にわたり実施されます。
第1次試験(筆記試験)に合格した場合、第1次試験合格者を対象に7月下旬から8月上旬にかけて第2次試験(人物試験)が実施され、最終合格発表は8月下旬になります。
最終合格者には、事前に電話で最終選考に残った旨の連絡があり、8月末日に外務省にて研修語通知と意思確認が行われます。
そのうえで、最終合格者は外務省専門職員採用候補者名簿に記載され、試験実施の翌年4月に外務事務官として外務省に採用されます。
-
試験地
第1次試験地は、原則として東京都ないし大阪市ですが、申込者数等の状況に応じて、同都市周辺に設ける場合もあります。第2次試験は東京都(外務省本省)にて行われます。
試験内容
1次試験
- 専門試験各科目 120分(記述)
- 時事論文試験 90分(記述)
- 基礎能力試験 140分(多肢選択)
- 外国語和訳・和文外国語訳 120分(記述)
-
専門試験
国際法(必須)、憲法・経済(1科目選択式)の記述試験です。各科目2時間ずつ合計4時間で行います。各科目は3題が出題され、科目ごとに2題を選択する形式になっています。
-
時事論文試験
「時事問題についての筆記試験」が1時間30分で1題出題されます。外交や国際情勢など、最近は国内の問題が出題されることがあります。
-
基礎能力試験
五肢択一式の試験です。2時間20分で40題を解答します。一般知能分野(数的処理・文章理解)と一般知識分野(社会科学・人文科学・自然科学)及び時事が出題されます。
【科目の内訳】
一般知能分野:数的処理[判断推理・数的推理・資料解釈](16題)・文章理解[現代文・英文](11題)
一般知識分野:社会科学(3題)・人文科学(5題)・自然科学(5題)・時事(3題)
-
外国語試験
和文外国語訳が2題、外国語和訳が2題、計4題が出題される記述式の試験です。2時間で行われます。
好きな外国語を1言語選択することができますが、ここで選択した言語は2次試験(人物試験)での外国語試験での言語に使われるため、翻訳・会話の両方で使える言語を選択する必要があります。
外交官(外務省専門職)について詳しく知りたい方は!
2次試験
- 個別面接 2回 各10分~20分
- グループ討議 40分程度
- 外国語試験 15分程度(面接)
- 身体検査
-
個別面接
志望動機(なぜ外交官なのか)や、担当したい言語・国(外交官になって何がしたいのか)などを、面接官とコミュニケーションしながら伝えます。自己PR力が問われる試験です。
1回目:4対1の面接/2回目:5対1の面接
※日本語で実施されます。
-
グループ討議
8~10人のグループで与えられたテーマについて討論します。テーマは国内・国際問題双方あり、時事的な問題が討論の議題となる傾向が強いです。
-
外国語試験
2対1で外国語の面接を行います。1次試験で選択した言語で実施されます。
通常、用意されているスクリプトの黙読 → 音読 → それに関する質問 → 受験生個人に関する質問という流れです。スクリプトのレベルは概ね新聞記事や社説程度です。パーソナルクエスチョンは面接カードに沿ってなされることが多く、海外旅行や専攻など典型的な質問がなされます。外国語でコミュニケーションする能力が審査されます。
-
身体検査
胸部エックス線撮影などを含む一般的な身体検査
外交官(外務省専門職)について詳しく知りたい方は!
2.どうやって勉強するか?
手前味噌で恐縮ですが、Wセミナーで合格を目指すのが一番の近道です。
理由
2021年度 外務専門職 合格者占有率 92.3% ※
最終合格者総数52名のうち48名がWセミナー講座生です。
一目瞭然の合格者占有率92.3%がWセミナーの強みを物語っています。Wセミナーで外務専門職の勉強をスタートし、上位の成績を取り続けたなら、それは外務専門職試験の合格ラインを超えていることを意味することになり、熱意ある仲間と一丸となって外務専門職試験に挑戦できる最高の環境がWセミナーにはあります。
- Wセミナー講座生とは、公務員試験対策講座において、目標年度に合格するために必要と考えられる、講義、演習、論文対策、面接対策等をパッケージ化したカリキュラムの受講生です。各種オプション講座や公開模試など、単科講座のみの受講生は含まれておりません。また、Wセミナー講座生はそのボリュームから他校の講座生と掛け持ちすることは困難です。
- 合格者占有率は「Wセミナー講座生(※1)最終合格者数」を、「外務省専門職試験の最終合格者総数」で除して算出しています。また、算出した数字の小数点第二位以下を四捨五入して表記しています。
上記は2022年1月31日時点で調査にご協力いただいた方の人数です。
学習アドバイスを公開します。
Wセミナーの紹介だけでは、終わりません!
ここでは、外務専門職受験者の多くが受講する大人気コース「総合本科生プレミアム」を例に、基本的な学習の流れに対する心構えや、面接を含めた各試験についての学習方法や勘所を特別に公開します!
練られた戦略的なカリキュラムと納得の学習アドバイスをご覧ください。
1.学習の基本的な流れ
①基礎能力対策
「講義 → 講義の復習 → 問題集を解く → 演習で実力チェック → 弱点を中心に復習 → 模試」が基本的な学習の流れとなります。
数的処理・文章理解に関しては問題集を年内に2周、本試験までに3周解くことが目安です。人文科学・自然科学・社会科学に関しては本試験までに問題集を2周させることを目安としてください。
1周目は時間がかかっても良いのでしっかりと知識を定着させてください。2周目以降は解答時間も気にして早く正確に解くことを心がけてください。
基礎能力試験で足切りになっては元も子もないので、油断せず継続的に学習しましょう。
②記述試験対策
まずは、「専門科目攻略のための最重要講義(基本マスター講義) → 講義の復習 → 専門論文の基本ルールを演習(基本マスター演習)で実力チェック →弱点を中心に復習」することで、基本知識を定着させます。
その後は、「応用・発展講義(論文マスター講義) → 講義の復習 → 応用レベル演習(論文マスター演習) → 添削 → 添削答案の復習 → 本試験型答練(論文答練) → 添削 → 添削答案の復習 → 模試」で合格答案を作成する力を磨きましょう。
本科生は添削を何度でも無料で受けられますので、積極的に活用してください。
また、少しでも分からないことがあれば、教室講座生は担当講師に、ビデオブース講座・通信講座生は質問メールなどを上手に活用して疑問点を放置せずに必ず解消してください。
2.専門記述試験
総論
専門記述試験は、外務専門職試験最終合格の鍵を握っていると言っても過言ではありません。学習範囲が広く、記述形式のため、きちんと知識を整理できていないと時間内に合格答案を作成することはできないでしょう。
まずは基本マスター講義・演習を通じて基礎的な知識を固め、その上で論文マスター講義・演習、論文答練などを通して答案作成の力を磨きます。
本科生は添削を何度でも受けられますので、何度も添削を受けて合格答案を作成できる力をつけましょう。
各論
①国際法
国際法は専門科目の中でも最大の学習量と学習時間を要し、かつ合否を分ける科目と言って良いでしょう。
国際裁判所の判決・定義・要件は論文を書く上で必要不可欠ですので、正確にインプットしてください。本試験でも見られるような様々な分野を横断する問題に対応するには、国際法の全体像をつかむことが大切です。
クロスレファレンスを意識した体系的理解を心がけましょう。また、国際法には英米法的要素が半分ほど混ざっています。
すなわち、判例の積み重ねがそのまま法になっていく発想に慣れる必要があります。講義の中で行う判例の図解を理解の助けにしてください。
②憲法
憲法は、暗記事項も比較的限られているため勉強しやすい科目と言えます。憲法を初めて学習する場合、憲法の考え方に馴染むことがまず必要です。
そして、どのようなことが争点となっているか、憲法学における論点を押さえ、それについての判例や学説の考え方をマスターしていく必要があります。
さらに、理解しただけでは、憲法学の答案は書けません。答案作成のためのパーツとなる論点の論証をしっかりと覚えなくてはなりません。
また、本試験では人権分野から2問、統治分野から1問出題される年度が多く、学習の比重は人権分野の方が高くなります。
近年は、判例の事案をベースにした事例問題が出題され、事例・事案の分析能力が試されていますが、答案を書く上で求められている知識レベルはそれほど高くなく、講義でインプットした知識で十分対応できます。
③経済学
経済学は理解に時間がかかるかもしれませんが、暗記量は他の専門科目と比べて多くない科目です。論文を書く上で経済用語の定義は必要不可欠なため、一語一句正確に暗記しましょう。
グラフに関しては何度も書く練習を行い、また書く際は、「設定」→「均衡」→「比較静学」の流れを常に意識しましょう。
また、経済学は時間との勝負でもあります。本試験のような緊張状態でも、微分や細かい計算問題をすばやく正確にこなさなければなりません。
本試験ではボリュームの多い問題の出題も散見されます。全ての事項につき丁寧に答えていては時間が足りなくなってしまうので、重要なエッセンスのみを選び出し、効率よく点数の取れる答案を作成することを目指しましょう。
3.基礎能力試験
総論
基礎能力試験の対策としては、出題数の多い数的処理・文章理解を中心に学習することになります。
人文科学・自然科学・社会科学の知識系科目は範囲の広さの割に一つひとつの分野からの出題数が少なく、得点効率が悪いので、頻出分野を中心に効率的に学習を進めることが必要です。
基礎能力試験の学習内容は、大学受験時に学習した内容と重なる部分も多いため、自分の得意分野・苦手分野を見極め、効率的に得点に結びつく学習を心がけてください。
また、基礎能力試験は本試験時に時間が足りなくなりやすいので、直前期に時間配分や難問・苦手問題の取捨選択の訓練を取り入れてください。解けない問題に時間をかけすぎると解けるはずの問題に時間がかけられなくなり得点が伸びなくなります。
各論
①数的処理
数的処理は出題数が多いにもかかわらず、苦手意識を持っている人が多くいます。しかし、長期のトレーニングで点数が伸びる科目ですので、できるだけ早めの学習が大切になります。
数的処理の点数が安定してくると、基礎能力試験の点数も安定するので、苦手な人は勉強開始時期から毎日数題(3題~5題)ずつ、もしくは30分から1時間程度問題を解きましょう。毎日解くことで、数的処理の解き方が身につきます。
学習方法としては、まずは、講義を通じてじっくりと「知識」や「解法パターン」を覚えるところから始めましょう。数的処理が最初から得意な人のほとんどは、小中学生の時代に「知識」や「解法パターン」を叩き込まれています。
数的処理においても基本は「覚えること」だと思ってください。また、長期間放置せず、せめて月に1回くらいは今まで勉強してきた内容の総チェックを心がけましょう。
数的処理が知識系の科目と違う点は、覚えた知識を「使いこなす」ことが必要とされるところにあります。講義をひと通り受け、必要な知識や解法パターンを覚えた後は、それらを使いこなせるようになるために、なるべく多くの問題を解きましょう。
解けなかった問題があったときには、解説を読むだけで終わらせずに、必ず講義で学習した内容とセットで復習しましょう。そうすることで、習った知識をどう使いこなすかが見えてくるようになります。
②文章理解
現代文の学習のポイントは「論説文」という文章形式と「五肢択一」という出題形式にあります。五つの選択肢の中に必ず正解があるという択一試験の特徴を捉え、消去法によって正解肢を見つけ出すのも有効です。
英文の対策としてはTOEICⓇTEST等の英語試験の対策を活用すると良いでしょう。単純に文章理解の対策になるだけでなく、ハイスコアを取っておけば、面接時のアピールにもつながります。
③人文科学
一般知識の中でも最も学習範囲が広い分野が、人文科学です。
暗記がメインというイメージが強い科目ですが、一つ一つの事象を個別に暗記していくのではなく、「なぜ」それが起こり、「どのように」変わっていったかといった「文脈」を押さえることが問題の正誤を判定できるようになるための重要なプロセスです。
日本史・世界史・地理に関しては講義によりその時代・テーマを理解することが重要です。時代やテーマなど全体像が理解できたら、多くの問題を解き、解説を熟読することで個別の事象の理解を深めます。
思想・文芸は暗記色がかなり強い科目なので、直前期の詰め込みでも対応可能です。
④自然科学
人文科学と同じようにこちらも多くの学習時間を費やすことは非効率な科目です。
学習を進める場合、文系出身などで苦手分野になる方は、暗記系の問題を中心に学習を進め、計算等が必要な問題はある程度捨てるような工夫をして、学習の負担を少なくして勉強しましょう。
⑤社会科学
主に法律系、経済系、行政系の専門科目における基本的な知識が問われます。
法律に関しては憲法から出題されることがほとんどですので、専門記述の対策がそのまま対策につながります。ただし、憲法以外の分野から出題されることも稀にありますので、直前期に過去問を確認しておくと良いでしょう。
経済に関しても専門記述の対策で問題ありません。それ以外の分野に関しても基本的な問題が多いので直前期の詰め込みで十分対応可能です。
4.時事論文試験
時事論文を書くにあたって、外交官として必要不可欠な国内の動向や国際情勢に関する一定程度の知識が重要です。
外交青書・外務省HPやNHKオンライン時事公論をチェックしたり、新聞を定期購読したりすることで知識を補うと良いでしょう。
知識を詳細にわたって網羅している必要はなく、最低限の知識さえあれば十分対応が可能です。むしろ自分の考えをしっかりと持ち、それを論理的に表現できるかによって時事論文の出来不出来は決まります。
より説得的な論文を書くためにも、日ごろのニュースに対して自分がどのように考えるかを意識するようにしましょう。
また、時間に余裕があるときに、実際に時間内で論文を書き終えることが出来るかを確認してみると良いでしょう。
5.外国語試験
外国語は定着するまでに時間がかかるため、早めの対策をお勧めします。
和文外国語訳には単語力、表現力が不可欠です。単語帳などを用いて早い段階から単語力強化に努めましょう。
また、毎年必ず1・2問、国際的な時事問題が出題されます。これらに対応するために時事用語にも慣れることが必要です。外務省HPに載っている外交青書(日本語版・英語版)を使用教材として用いるのも良いでしょう。
また、英語以外の言語での受験予定者は、受験する外国語試験のレベルを事前に知っておく必要があります。外務省に過去問を請求すれば過去3年分を手に入れることができますので、ぜひ入手しましょう。
なお外国語試験も他の論述試験と同様、水性ボールペンを使うよう指示されます。スペルミスなく英語を速く正確に書く訓練も必要です。
近年は外国語試験において和文外国語訳、外国語和文訳に1問ずつ難問が出題されており、いかに基本的な問題を落とさず他の受験生に差をつけられないかが勝負となります。
また、合格に必要なレベルというわけではありませんが、自信を持って試験に臨むためにTOEICⓇTEST900点、TOEFL ibtⓇ 90点、英検1級レベルの語学力を目指すと良いでしょう。
6.人物試験
総論
第2次試験では、日本語面接、グループ討議、外国語会話、身体検査があり、実際に面接官と向き合い、自分がなぜ外務省を志望したか、外務省に入って何に携わりたいかについて自分の意思をしっかりと表明していくことになります。
そのためには、第1次試験が終わった後も気を抜かず、自己分析を入念に行う必要があります。
第1次試験の合格はあくまで面接官との「交渉のテーブル」につく権利を得るだけのものです。目標は最終合格ですから、第2次試験の各種対策も疎かにせず、万全の準備をもって臨みましょう。
各論
①個別面接
個別面接は、事前に提出(2014年度試験では第2次試験初日に外務省本省にて記入でしたが、2015年度以降は事前提出形式に戻りました)する面接カード及びマークシート式性格検査に基づいて行われるため、特に面接カードの完成度は非常に重要なポイントとなります。
具体的な試験対策は、第1次試験後で十分間に合いますが、常日頃から、なぜ外交官になりたいのか(動機)、何がしたいのか(入省後携わりたい分野)を意識することは大切です。
この意識が個別面接対策のときに役立ちます。第1次試験終了後の個別面接の具体的対策としては、受験仲間と面接カードや質問に対する答えをお互いに添削・確認し合うことをお勧めします。
また実際に模擬面接を何度も繰り返して想定される質問について、しっかりと答えられるようにしておきましょう。
②グループ討議
グループ討議において、完璧な知識は不要ですが、最低限の知識がなければ議論への参加が難しくなりますので、日ごろから新聞を読むようにしておきましょう。
また訓練を積まないと自分の意見を議論の場で述べるのは難しいため、ディベートの練習を積むことが大切です。
議論に参加するために特別必要な知識といったものはありませんが、国際関係、政治、社会に関する基礎的な知識に加え、自分の好きな分野、将来携わりたいと思っている分野における、一定程度の専門的知識を身につけておくと心強いでしょう。
7.外国語面接
外国語面接においては、どの言語でも本番で渡されるスクリプトのレベルは新聞の一般紙程度と考えられますので、それらを使うことも対策のひとつと言えます。
また、時事内容に関するものが例年出される傾向にあり、日本に関連のないスクリプトを取り扱うこともありますので、いろいろな記事を読むように心がけましょう。
個別面接と同様、模擬面接を何度もこなしていくと慣れていきますので、受験仲間やネイティブスピーカーなどと一緒に練習をすると良いでしょう。
またスクリプトに関係のないパーソナルクエスチョンの時間には、なぜ外務省に入りたいのか、海外に行ったことはあるか、など定番の質問が多いので、ある程度想定して対策を行いましょう。