メッセージ・開講挨拶
夢をかたちに
病院経営者・病院経営参謀の方へ
病院経営で重要なことは、限られた医療資源を効率的に運用し、いかに良い医療を患者さんに提供するかに尽きると思います。医療は、ただ収益を追求するだけではなく、不採算部門を抱えながらも、社会的使命として、より良い医療を提供し続けられる体制作りが求められます。
そのためには、高い倫理観や的確な情報分析力、課題解決のための様々な選択肢を立案できる能力を持ち、医療機関にとってあるべき姿を打ち出し、組織末端まで浸透させる病院経営のリーダーが必要です。
また、病院経営参謀にとって重要なことは、高い倫理観を持ち、専門性を活かして的確な情報分析を行い、次に打つ手を複数提示することが要求されます。さらには、医療現場を知っていること、あるいは知ろうとすることであり、前線を無視した参謀に従うことによる失敗は、歴史が語ってくれています。
物事をあまりシニカルに考えず、前向きに夢をもって、「夢をかたちにしてゆく」という姿勢が重要ではないでしょうか。
独立行政法人 地域医療機能推進機構 理事長
千葉大学医学部附属病院 元病院長
山本 修一
TAC病院経営実務講座 開講に向けて
先進国に類を見ない超高齢化社会を迎えつつある日本の社会保障費は増加傾向にあり、ヘルスケア市場は確実に拡大しています。とはいえ、病院経営においては、消費税増税、医療法改正、診療報酬制度のマイナス改正など厳しい環境下のもとであっても、成長し、進化するための戦略的な経営を行うことが求められています。
そのような状況下においても、目指すべき戦略的病院経営は、競合医療機関を出し抜いて自分たちが利益を独占しようとするものではありません。
医療は地域の産業であり、医療機関は患者を中心として連携し、協業し、地域を支えながら良質な医療を提供するためには、継続的に一定の投資が不可欠であり、経済的利益を獲得する必要はありますが、経済的利益は医療機関の究極の目的ではなく、生存条件に過ぎません。
TAC病院経営実務講座は、病院経営者のほか、税理士・公認会計士・中小企業診断士・社会保険労務士などの経営の専門家の方々にむけて、医は算術ではないが、適切な利益獲得の仕組み創りは欠かせないということを理解していただけるように配慮しています。
千葉大学医学部附属病院 副病院長
病院経営管理学研究センター長・特任教授・ちば医経塾塾長
岡山大学病院 病院長補佐・経営戦略支援部長
岡山大学客員教授
三重大学医学部付属病院 病院長補佐
東邦大学医学部医学科客員教授
日本大学医学部社会医学系医療管理学分野客員教授
自治医科大学客員教授
井上 貴裕
TAC 病院経営実務講座の特徴
TAC病院経営(医療経営)実務講座では、大学附属病院にて開設している病院経営(医療経営)支援人材育成カリキュラムのオプション講座を開設し、医療・経営の第一線で活躍する講師陣から学ぶプログラムを提供いたします。
高い倫理観と、医療従事者の行動原理や医療の特殊性を理解した上での実務能力を兼ね備えた病院経営(医療経営)支援人材を養成します。