1級電気工事施工管理技士とは?仕事・試験概要・合格率などを徹底解説!
1級電気工事施工管理技士とは?
電気工事施工管理技士とは、建造物の建設や増築などに必要な電気工事に関する施工計画の作成、工事現場における工程・品質・原価・安全などの管理、電気工事の監理を行うことができる国家資格です。
電気工事施工管理技術検定には1級と2級、それぞれ第一次検定と第二次検定があり、第一次検定に合格した者は「電気工事施工管理技士補」を、第二次検定に合格した者は「電気工事施工管理技士」をそれぞれ称することができます。
1級電気工事施工管理技士と1級電気工事施工管理技士補とは?
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1級電気工事施工管理技士とは
1級電気工事施工管理技士は第一次検定・第二次検定の双方の試験に合格することで取得することができます。1級電気工事施工管理技士の資格を取得することで、特定建設業の許可基準の一つである「営業所ごとに置く専任の技術者」、建設工事の現場に置く専任の「監理技術者」として認められるとともに、経営事項審査における技術力の評価において、計上する技術者数にカウントされるなど、施工技術の指導的技術者として社会的に高い評価を受けることになります。
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1級電気工事施工管理技士補とは
1級電気工事施工管理技士補は、1級電気工事施工管理技士を補佐する資格で、一次検定に合格することで取得することができます。所定の大規模な工事現場には、本来、監理技術者を専任で置かなければなりませんが、技士補を専任で置くことにより、監理技術者は2つの現場を兼任できることになります。また、技士補は二次検定に合格することにより、1級電気工事施 工管理技士になることができます。(二次検定の受検にあたって有効期間や受検回数の制約はありません。)
1級電気工事施工管理技士を取得するメリット
1
企業にとっても有資格者を採用するメリットが大きいため、取得することで就職・転職に有利に!
電気工事施工管理技士の資格取得者が在籍する企業は、公共工事の受注を受けられる可能性が広がるだけでなく、企業の信用度も高まるため、就職・転職の際に武器としてアピールすることができます。
2
幅広い電気工事に関する知識、技術レベルが公的に証明される
1級電気工事施工管理技士の資格を取得することで、自分の技術レベルが企業や協力会社などに評価されやすくなり、仕事への自信にもつながります。
3
監理技術者・主任技術者になれることで、昇格・昇給のチャンスも広がる
1級電気工事施工管理技士を取得することで、所属する営業所の専任技術者、監理技術者、または主任技術者として工事現場の統括業務も可能となります。企業によっては資格手当の支給や、昇格・昇給のチャンスが広がることで待遇面の向上も期待できます。
1級電気工事施工管理技士 試験ガイド
1級電気工事施工管理技術検定 試験概要
第1次検定|1級電気工事施工管理技士
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試験日
<第一次検定>6~7月頃の日曜日
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試験地
全国10地区
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試験時間
午前試験:2時間30分
午後試験:2時間
[1日通しで実施] -
第一次検定
合格基準全体で得点が60%以上(89問中60問解答し36問以上の正解)かつ、施工管理法〈応用能力〉で得点が50%以上(6問中3問以上の正解)
試験の内容|第1次検定
検定科目 | 検定基準 | 知識/能力 | 解答形式 |
---|---|---|---|
電気工学等 | 1.電気工事の施工の管理を適確に行うために必要な電気工学、電気通信工学、土木工学、機械工学及び建築学に関する一般的な知識を有すること。 2.電気工事の施工の管理を適確に行うために必要な発電設備、変電設備、送配電設備、構内電気設備等に関する一般的な知識を有すること。 3.電気工事の施工の管理を適確に行うために必要な設計図書に関する一般的な知識を有すること。 |
知 識 | 四肢択一 (マークシート) |
施工管理法 | 1.監理技術者補佐として、電気工事の施工の管理を適確に行うために必要な施工計画の作成方法及び工程管理、品質管理、安全管理等工事の施工の管理方法に関する知識を有すること。 | 知 識 | 四肢択一 (マークシート) |
2.監理技術者補佐として、電気工事の施工の管理を適確に行うために必要な応用能力を有すること。 | 能 力 | 五肢択一 (マークシート) |
|
法 規 | 建設工事の施工の管理を適確に行うために必要な法令に関する一般的な知識を有すること。 | 知 識 | 四肢択一 (マークシート) |
第2次検定|1級電気工事施工管理技士
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試験日
<第二次検定>例年10月中旬の日曜日
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試験地
全国10地区
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試験時間
3時間
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第二次検定
合格基準60%以上
試験の内容|第2次検定
検定科目 | 検定基準 | 知識/能力 | 解答形式 |
---|---|---|---|
施工管理法 | 1.監理技術者として、電気工事の施工の管理を適確に行うために必要な知識を有すること。 | 知 識 | 五肢択一 (マークシート) |
2.監理技術者として、設計図書で要求される発電設備、変電設備、送配電設備、構内電気設備等(以下、「電気設備」という。)の性能を確保するために設計図書を正確に理解し、電気設備の施工図を適正に作成し、及び必要な機材の選定、配置等を適切に行うことができる応用能力を有すること。 | 能 力 | 記 述 |
令和6年度 1級電気工事施工管理技術検定実施日程
書面申込 | インターネット申込 | |
---|---|---|
2024/2/9(金) | 1次・2次申込書販売開始 | - |
2/22(木)~3/8(金) | 1次・2次申込受付期間 | 1次・2次申込受付期間 |
6/24(月) | 1次検定受験票送付 | |
7/14(日) | 1次検定実施 | |
8/23(金) | 1次検定合格発表 | |
8/23(金)~9/6(金) | 当年度1次検定合格者の2次検定受検手数料払込期間 | |
9/30(月) | 2次検定受験票送付 | |
10/20(日) | 2次検定実施 | |
2025/1/10(金) | 2次検定合格発表 |
試験地(10地区):札幌・仙台・東京・新潟・名古屋・大阪・広島・高松・福岡・沖縄
- 2次検定のみの受験(一級施工管理技士補・技術士)の受検申込期間も上記の1次・2次申込受付期間と同一日程
- インターネット申込は、再受検者の方が申込みできます(インターネット上で申込手続は全て完了のため受検願書の購入は一切不要)
試験の日程・形式・受検資格等は変更になる可能性があります。受検の際は必ず最新の受検の手引でご確認ください。
1級電気工事施工管理技術検定の詳細は一般財団法人 建設業振興基金ホームページ(https://www.fcip-shiken.jp/)をご確認ください。
1級電気工事施工管理技術検定 受検資格
令和6年度からの主な受験資格|1級電気工事施工管理技士
第一次検定 | 令和7年3月31日までに19歳になる者 (学歴、実務経験ともに不要) |
---|---|
第二次検定 | 制度改正前の受験資格要件による二次検定受験ができる (令和10年度まで) |
受験資格に関する詳細については、必ず最新の「受検の手引」にてご確認ください。
その他注意事項、受験資格に関する詳細については、最新の「受検の手引」、一般財団法人 建設業振興基金ホームページ(https://www.fcip-shiken.jp/)にて必ずご確認ください。
1級電気工事施工管理技士の合格率・難易度は?
[第一次検定]受検者数は毎年14,000~16,000人前後、合格率は40%前後で推移しています。
[第二次検定】受検者数は毎年8,000~10,000人前後、合格率は60%前後で推移しています。
合格率の推移|1級電気工事施工管理技士
従来は一次検定を学科試験、二次検定を実地試験と呼んでいました。
過去7年 試験実施状況|1級電気工事施工管理技士
年度 | 一次検定(学科試験) | 二次検定(実地試験) | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
受検者 | 合格者 | 合格率 | 受検者 | 合格者 | 合格率 | |
2023年 | 16,265 | 6,606 | 40.6% | 8,535 | 4,527 | 53.0% |
2022年 | 16,883 | 6,458 | 38.3% | 7,685 | 4,537 | 59.0% |
2021年 | 15,001 | 7,993 | 53.3% | 7,922 | 4,655 | 58.8% |
2020年 | 14,407 | 5,493 | 38.1% | 6,723 | 4,887 | 72.7% |
2019年 | 15,048 | 6,128 | 40.7% | 8,114 | 5,382 | 66.3% |
2018年 | 16,989 | 9,532 | 56.1% | 12,034 | 8,875 | 73.7% |
2017年 | 17,922 | 8,595 | 48.0% | 10493 | 6,556 | 62.5% |
合格者属性|1級電気工事施工管理技士
第一次検定合格者の年齢・勤務先
参考:2022年度合格者
年齢
30~40代が多く、50代以上も10%程度を占めています。
勤務先
建設業が90%を占めています。
第二次検定合格者の年齢・勤務先
参考:2021年度合格者
年齢
30~40代が多く、50代以上も10%程度を占めています。
勤務先
建設業が90%を占めています。
まとめ
1
1級電気工事施工管理技士は、建造物の建設などに必要な電気工事に関する施工計画の作成、工事現場における工程・品質・原価・安全などの管理、電気工事の監理を行うことができる国家資格
2
就職・転職、待遇面の向上など個人としてのメリットだけでなく、企業にとっても信頼につながる、公共工事入札の際の加点になるなどメリットの大きい資格
3
第一次検定合格で「1級電気工事施工管理技士補」、第二次検定合格で「1級電気工事施工管理技士」の称号を得られる
4
受検には学歴・資格要件に加えて所定の実務経験が必要。合格率は一次検定で40~50%前後、二次検定で60~70%前後と低くはないため、しっかり対策をすれば合格できる資格
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