資格試験・資格取得の情報サイト>電気主任技術者(電験三種・二種)>電験三種は本当に難しい?~電験三種の難易度分析~

電験三種は本当に難しい?簡単になったって本当?
~電験三種の難易度分析~

合格率から難易度を考える

このページに来てくださった皆さんは「頑張っても自分には合格できるのかな」「実際どのレベルの人が受験しているんだろう」と色々疑問をお持ちかと思います。過去の合格率に注目して、難易度について一緒に考えていきましょう。
まずは過去10年の電験三種の合格者数、科目合格者数をご覧ください。

電験三種 受験者数/合格者数/科目合格者数

         

実施年度 受験者数(名) 合格者数(名) 科目合格者数(名)
令和6年度上期 25,416 4,064 7,898
令和5年度下期 24,567 5,211 8,761
令和5年度上期 28,168 4,683 9,252
令和4年度下期 28,785 4,514 8,269
令和4年度上期 33,786 2,793 9,930
令和3年度 37,765 4,357 12,278
令和2年度 39,010 3,836 11,686
令和元年度 41,543 3,879 13,318
平成30年度 42,976 3,918 12,335
平成29年度 45,720 3,698 12,176
平成28年度 46,552 3,980 13,457
平成27年度 45,311 3,502 13.389
平成26年度 48,681 4,102 14,625

これを合格率に直すと、以下のようになります。

電験三種 全科目合格率/科目合格率

実施年度 合格率 科目合格率
令和6年度上期 16.0% 31.1%
令和5年度下期 21.2% 35.7%
令和5年度上期 16.6% 32.8%
令和4年度下期 15.7% 28.7%
令和4年度上期 8.3% 29.4%
令和3年度 11.5% 32.5%
令和2年度 9.8% 30.0%
令和元年度 9.3% 32.1%
平成30年度 9.1% 28.7%
平成29年度 8.1% 26.6%
平成28年度 8.6% 28.9%
平成27年度 7.7% 29.6%
平成26年度 8.4% 30.0%

科目別合格制度と難易度の考え方

電験三種の合格率とは、「その年に電験三種を取得した人」の割合を表します。
上の表から分かるように、令和4年度上期までの合格率はほぼ10%を切っています。10人に1人しか受からないと言われれば、電験三種は難易度が高いと感じるかもしれません。

しかし、令和4年度下期以降の合格率は15~20%と高めに推移しています。一体どうしてでしょうか?
それは、電験三種には科目別合格という制度があり、その制度がますます使いやすくなったことにあります。

科目別合格制度

試験の結果は科目別に合否が決まり、4科目すべてに合格すれば第三種電気主任技術者試験合格となりますが、一部の科目だけ合格した場合には科目合格となって、翌年度及び翌々年度の試験では申請によりその科目の試験が免除されます。
つまり、3年間で4科目の試験に合格すれば第三種電気主任技術者免状の取得資格が得られます。

(一般財団法人 電気技術者試験センターHP抜粋)

つまり、3年間かけて4つの科目に合格すれば電験三種を取得できるのです。
令和3年度まで電験三種の試験は年1回の実施でした。科目合格をした場合でも、残り2回の試験で4科目をそろえることができなければ合格とはなりませんでしたが、令和4年度から年2回に変更されたことで、科目合格をした場合、残り5回の試験で4科目をそろえれば合格することができるようになったため、合格のチャンスが増え、結果的に合格しやすい試験となってきています。
試験自体の難易度は大きく変わっていないため、科目合格した人の割合は、試験制度変更後も毎年30%前後で安定しています。
3人に1人が受かる試験を3年間で合格すればいいと考えれば、電験三種が難易度の高い資格という印象も多少は薄れるのではないでしょうか。

電験三種 他の理系・文系資格との難易度比較

理系資格ランキング

今度は他資格との難易度について比較してみましょう。
まずは他の理系資格との難易度ランキングです。
既にお手持ちの理系資格がある方、ある程度難易度を知っている理系資格がある方は、電験三種と比較してみてください。
電験三種(全科目合格)の難易度は9.1%と高めですが、電験三種(科目合格)になると難易度は下がります。

文系資格ランキング

今度は文系資格との難易度ランキングで比較をしてみましょう。TACが取り扱っている主な資格との比較となります。
もちろん理系以上に勉強方法や試験スタイル、受験者数が違いますから、あくまで参考としてご覧ください。
文系にも一般的に難易度が高い資格が多いですが、概ね理系と同じような推移となります。

本腰を入れて勉強はした方がいいけれど、全く歯が立たない資格ではないということがお分かりいただけたのではないでしょうか。

では先ほども少しお話した科目別合格制度を使うとどんなメリットがあるのかみていきましょう。

科目別合格制度で合格をめざす
電験三種合格のための
3つのメリット

電験三種

先ほどの科目別合格制度のおさらいです。科目別合格制度は、「合格した科目が、合格した年の翌年と翌々年まで試験が免除になる制度」でした。つまり「1科目でも合格した年を含め3年以内に4科目全部合格しましょう」というルールとなります。TACで取り扱っている他資格だと、例えば中小企業診断士の1次試験がこの制度を取っています。
「3年間の中で合格すればよい」と考えると、そこまで遠い資格ではないですね。

ではこの制度を利用するメリットを3つご紹介します。

1

忙しい社会人は無理なく確実に合格を狙える!

時間のない社会人は総学習時間に合わせて科目数を選びましょう。
もし本試験まで8か月~1年の猶予があるならば、4科目全てを目指すことをオススメしますが、難しい場合は無理せず科目を絞りましょう。
1科目だけなら「理論」のみがオススメです。

2

計算メインと暗記メインの科目をバランスよく組み合わせて苦手を乗り切る!

電験の科目には、計算の多い科目と暗記の多い科目があります。
計算もしくは暗記ばかりだとモチベーションが続かない方は、自分の得意不得意に合わせて組み合わせ可能です。
特に文系の方で最初から躓きたくない…という方は、工夫して計算科目ばかりにならないようにしましょう。
各科目の学習方法や科目については石田講師の動画「年末から始める電験三種」もぜひご覧ください。

3

範囲の広さを学習時間でカバー。高得点を狙える!

電験三種の科目は範囲が広いのが特徴。全てを学習するには時間がかかります。
科目合格制度を使えば、1科目に充てられる時間が増え、着実に範囲をつぶすことができます。

数学のレベルに着目すれば、文系でも大丈夫

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このページは、おそらく文系出身の方もご覧いただいていることと思います。  
合格率を基準に資格の難易度をみてきましたが、やはり一概に比較はできません。そこで、こちらでは特別に文系出身の方も一度はふれたことがあるであろう「数学」に注目して考えてみましょう。
ひとくちに数学といっても、その中でも電験に必要なもののみですから、中学生レベルの知識に簡単なベクトルや複素数の知識を徐々に上乗せすれば十分です。 電験三種で扱う電気の知識に関しては、私たちの身のまわりにあるものばかりですので、簡単な問題から順番に積み重ねていけば、自然と身についてしまいます。  ご自身に合ったものでかまいません。是非一度、電験のテキストに目を通してみませんか?  数式は一見難しそうでも、やりはじめてしまえば文系出身の方も自信がでてくると思います。

みんなが欲しかった!電験三種 はじめの一歩(TAC出版)

電験三種は手が届かない資格では
ありません

文系でも着実に狙える

先ほどの科目合格率でも見たとおり、約3人に1人は合格できる科目合格を着実に狙っていけば、文系の方でも取得可能です。
特に数学や物理に縁遠かった方は、最初は理解に少し時間がかかるかもしれませんが、慣れてくれば問題もこなせるようになりますから、「サインコサインってやったな、懐かしいな」なんて学生時代を思い出して楽しみながら資格を目指してみましょう!

社会人にも優しい資格!

科目合格制度でゆっくりじっくり目指すことができるので、社会人に向いた資格になります。
もちろん時間に余裕のある方は全科目合格目指して早く電気主任技術者として活躍しましょう!

電験三種への第一歩はココからスタート!

電験三種取得の先を考えよう

今や私たちの生活になくてはならない電気ですが、その歴史は浅く、実用化されたのはここ150年のこと。
生活に明るさと豊かさをもたらしてくれる一方で、その扱いは非常に難しく、時には命の危険さえあるものです。
だからこそ、その保守・運用には国が認めた資格をもつ人材が必要であり、その資格こそ「電気主任技術者」なのです。
私たちの国にも、「2011年 福島原発」や「2018年 北海道全停電」などをはじめ、電気に関する解決しなければならない課題がまだまだたくさんあります。「電気主任技術者」を取得することで、そんな日本の電気の安全を担うことができるようになるのです。

 

ここまで読んでくださった皆さんが、この資格をきっかけに電気の未来に携わってくださることを願っております。

何気なく取得した電験三種が、あなたと日本の未来を変えるかもしれません。

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