中小企業診断士 過去問に挑戦!(2023年度 第1次試験 企業経営理論より) 

二次試験過去問2018

本試験で出題された問題を体験し、「どのような問題が出るのか」「どのような知識・スキルを求められているのか」試験問題を見ながらイメージを高めてみましょう!

1.問題

「企業経営理論」第2問

J. B.バーニーが提唱した「VRIOフレームワーク」に則った記述として、最も適切なものはどれか。

ア.外部環境の機会を適切に捉えた価値がある経営資源であれば、業界内において希少でなくても、持続的な競争優位の源泉となる。

イ.価値があり、業界内において希少で、別の経営資源で代替される可能性が少ない経営資源を保有していても、それが組織体制とコンフリクトを起こすようであれば、組織体制を変更せずに経営資源を見直さなければならない。

ウ.価値が高く、業界内で希少な経営資源では、一時的な競争優位を得ることはできない。

エ.業界内で模倣困難かつ希少で価値ある経営資源を有していても、競争優位性を持続的に確立できないことがある。

2.解説・解答

選択肢の解説

VRIOフレームワークに関する問題である。
 VRIOフレームワークとは、企業が事業活動を行う際に活用する経営資源(人、モノ、カネ、情報など)について分析するフレームワークである。具体的には、その経営資源が企業の競争優位の源泉となるには以下の4つの要素が重要だとするものである。
「Value(価値)」・・その経営資源が価値を有していること
「Rarity(希少性)」・・その経営資源を、競合他社が有していないこと
「Inimitability(模倣困難性)」・・その経営資源を、競合他社がマネしにくいこと
「Organizations(組織)」・・その経営資源を、有効に活用できる組織になっていること

一時的な競争優位と持続的な競争優位
• VRを満たした経営資源は、価値が高く、競合他社が現時点では有していない。よって、この経営資源は一時的な競争優位の源泉となる可能性がある。
• VRIを満たした経営資源は、価値が高く、競合他社が現時点で有しておらず、かつ模倣が困難である。よって、この経営資源は持続的な競争優位の源泉となる可能性がある。
• その上で実際に持続的な競争優位を築くためには、Oを満たすことが必要になる。

ア ×
経営資源が外部環境の機会を適切に捉えた価値があるものであったとしても、業界内において希少でないということは、同業他社もその経営資源を有している。よって、持続的はおろか、一時的であっても競争優位の源泉とはならない

イ ×
価値があり、業界内において希少で、別の経営資源で代替される可能性が少ない(模倣困難性が高い)経営資源は、VRIを満たした経営資源であり、持続的な競争優位の源泉となり得る。しかしながら、実際に持続的な競争優位を築くためには、その経営資源を有効に活用できる組織であることが重要になる(Oを満たす)。よって、経営資源(それ)が組織体制とコンフリクト(対立の意。つまり、経営資源と組織が適合しないということ)を起こすのであれば、有効に活用することができず、持続的な競争優位を築くことができない。よって、経営資源と組織体制を適合させることが必要であるが、この場合に、組織体制を変更せずに経営資源を見直さなければならないわけではない。組織体制は、企業の戦略に応じて適したものにするのが通常である(組織構造は戦略に従う)。よって、通常は見直す必要があるのは経営資源ではなく組織体制である。そもそも、せっかく価値、希少性、模倣困難性を有した経営資源を有しているのにも関わらず、その経営資源を見直してしまっては、競争優位を築くことができなくなってしまう。

ウ ×
価値が高く、業界内で希少な経営資源は、経済的価値を生み出すことができるものであり、かつ同業他社が現時点においては有していないものである。よって、一時的な競争優位を得ることができる(その源泉となり得る)。

エ ○
正しい。業界内で模倣困難かつ希少で価値ある経営資源とはVRIを満たした経営資源であり、持続的な経営資源になり得る。しかしながら、選択肢イの解説でも述べた通り、組織がこの経営資源を有効に活用できない状態にあれば、実際に競争優位性を持続的に確立することができない。

解答

正解は・・・エ

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3.解説動画

動画で解説します!
2023 年度 1次試験「企業経営理論」第2問 解説

正解はできましたか?
上記の解説文でもおわかりなったかもしれませんが、解説動画を視聴していただくと、さらに理解が深まると思います。TACのカリキュラムでも、「基本テキスト」などの教材で一から基礎固めしてきますので、初めて学習される方でもご安心ください。

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