将来の選択肢|就職・転職で活かす|金井 秀悟 さん

診断士取得はゴールではなくスタート、
人生経験を深め、自身の新たな価値・可能性に気づくことができた

Profile               

お名前 金井 秀悟 さん
現職 中小企業診断士、CIA
略歴 2018年度。中小企業診断士試験合格
2019年5月、中小企業診断士登録
大学卒業後、物流業に22年間勤務。スキルアップのために中小企業診断士に挑戦し一発合格。その後、現在勤務する金融業に転職。中小企業診断士を取得後に内部監査の国際資格であるCIA(公認内部監査人)を取得、現在に至る。
中小企業診断士(以下、診断士)をめざした経緯を教えてください。

  物流業に22年間勤務し、国際物流の商品設計、交渉にあたってきました。長年勤める中で、自分自身のスキルアップを考えたことが資格取得をめざすきっかけです。当初は簿記3級やビジネス実務法務検定3級など、短期間で取得できる資格を次々と取得しました。でも「せっかくなら経営にコミットできる難関資格を取得して、自己のスキルアップを達成したい」と考えて診断士をめざしました。
 2017年7月、TACの講座説明会に参加したとき、1次試験は7科目もあり、2次試験の理論はさらに難しそうだったので、1年で受かるだろうかと不安を感じたのを覚えています。ただ塾通いを始めた小学校4年の娘に、勉強する父親の後ろ姿を見せたいという思いで挑戦を決めました。

受験時代のエピソードをお聞かください。

 TAC診断士講座には、講座説明会において、定着に時間がかかると聞いた「財務・会期」を少しでも早く学ぶために、当時、早期申込特典であった「『財務・会計』早期Web受講」を8月から受講しました。結果として、「財務・会計」の基本講義開始後、講義が復習のような形となり、得意科目とすることができました。また、「財務・会計」は「経済学・経済政策」とも関連があるため、こちらも同様に得点源とすることができました。 診断士試験7科目を学習していくと、ビジネスパーソンとして生きていく上で重要な内容を体系的に、そして経営を多面的に学べることを実感します。その刺激が、モチベーションにつながりました。
 2017年8月に学習を開始して、1年間は毎日最低1時間の学習を自身に義務づけ、平日は1日平均2時間を目標に、2週間を1クールで学習管理をしました。2週間で4回ある土、日曜のうち3回は、TAC八重洲校の自習室で朝一番から夕方17時半まで勉強。もう1回の土日は家族サービスにあてました。ただし外出先でも隙間時間を利用して最低1時間程度は勉強しました。
 こうしてチャンレジした2018年、診断士試験に一発合格できました。

診断士の資格を活かしていますか。

 2019年には診断士活動の一環で「地方創生☆政策アイデアコンテスト2019」に参加し、幸いにも地方創生担当大臣賞を受賞しました。結果的に、企業として地方創生に取り組み、資格を強みに活躍している人材が大勢いる金融業に転職しました。

現在の仕事に、診断士は活かされていますか。

 転職後、金融機関で内部監査を担当し、今年で5年目になります。内部監査の国際資格であるCIA(公認内部監査人)取得を目指しました。その際、診断士で培った勉強に向かう姿勢と、診断士受験で得た知識が大きく活かされました。特に3つのパートに分かれるCIA試験の3パート目、「内部監査のためのビジネス知識」は内容がまさに診断士1次試験の7項目とほぼ重なっていました。CIAは、診断士の知識が一助となりました。
 CIA受験だけでなく、診断士に挑戦したことで学習習慣が身につき、それまで勉強や社外活動をまったくしてこなかったのが不思議なくらい、勉強や社外活動に興味が湧いてきました。

地方創生担当大臣賞受賞、素晴しいですね。その後の診断士として活動はいかがですか。

 企業内診断士として、活動の場を広げていく事が難しい点は誰もが経験すると思います。そのような中でプロボノ活動(社会貢献活動)を中心に、現在も地方創世活動として自治体支援を行っています。大臣賞を受賞したことで2023年は1年間の職員研修、2024年は知的資産経営報告書作成に携わる機会を得ました。こうした年間研修や刊行物の発行に携わる経験は、診断士取得前には考えられなかったことです。

診断士を取得して良かったと思う点と今後の展望をお願いします。

 2024年5月で診断士を取得して5年を迎えます。人生100年時代に、その100年を生き抜く資格を得られたと思っています。企業内診断士は、時間制限のある中で資格維持といった課題を乗り越えながら活動しなければなりません。しかし企業や社会に貢献しながら人生経験を深められ、自身の新たな価値に気づくことができたのは大きな財産になりました。
 診断士取得はゴールではなくスタートです。診断士の中でどう差別化し、どう自己アピールしていくのか。何か強みを持つためには、まだまだ研鑽しなければならないと考え、資格登録後、診断士養成塾に入りました。いろいろな指導を受ける中で携わることになったのが地方創生です。その1つ目の活動で、大臣賞を受賞。そこから人とのネットワークが大きく広がって、40歳過ぎにも関わらず転職を含めて人生をリスタートできたのです。
 今後はさらにもう一段スキルアップするために、新たな資格にも挑戦したいと考えています。

診断士をめざしている受験生にアドバイスをお願いします。

 最初の一歩を踏み出すことが大事だと思います。途中で挫折しそうになることもあるでしょう。合格の先にある、取得によって得られる経験や価値は合格前には実感できないので、気持ちが負けてしまうことがあるかもしれません。でもそんな気持ちになるのは、あなただけではありません。
 診断士受験時代、小学4年だった娘は中学に進学し、診断士をテーマに作文を書いて発表しました。結果的に1年で合格してしまい、娘の受験期には私が勉強する姿を目の前では見せられませんでしたが、受験前年の学習だけでなく、企業勤務の傍ら診断士の社外活動で社会貢献する姿を見てくれていたんだなと、胸が熱くなりました。
 どんなときも前向きな気持ちを忘れずに。成功をイメージして頑張って夢の第一歩を踏み出してみてください。

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