将来の選択肢|セカンドキャリアで活かす|雨宮 和男 さん

中小企業診断士になって、いつまでも好きな仕事をしましょう。
シニア世代には取得をお奨めします。

雨宮さん

Profile               

お名前 雨宮 和男 さん
現職 ニッチな飲食店のマーケティング企画室
中小企業診断士
略歴 2015年中小企業診断士試験合格。
2016年中小企業診断士登録。
大学卒業後、商業印刷専門会社に入 社しグラフィックデザイナーとして勤務。
その後、中堅広告代理店に転職し、大手食品メーカーの販促を 手掛ける。
1988年外資系広告代理店に転職し、大手外食チェーンをはじめ、大手食品メーカー等のプ ロモーションに携わる。
2013年同社を退社して中小企業診断士を目指す。
2016年「ニッチな飲食店の マーケティング企画室」を設立。
中小企業診断士(以下、診断士)を目指した経緯を教えてください。

 もともとグラフィックデザイナーからスタートしましたので、特に国家資格は必要ないし、資格を取得しようなんて考えていませんでした。ところが58歳のときに管理部門に異動し、登録ベンダーへの発注方法の見直しを行うことになりました。やってみると結構おもしろく、データで見ると問題点も見つかり、改善策なども見えてきました。ただ、不慣れな仕事だったので、管理の本などを読みあさりました。読んだ本を通じて診断士を知ったのですが、実はそれまで存在すら知りませんでした。デザイナーで診断士を取得している人はほとんどいないと思います。

診断士へのチャレンジはどのようにして始まりましたか?

 59歳になった年の年末にTACのガイダンスに参加しました。担当講師は、ご自身のコンサルティングについて話されました。そのポジティブで気負いもなく、仕事を楽しんでいる感じに「自分が探していたのはこれだ」と感銘を受け、すぐに受講することを決めました。実は55歳過ぎた頃から漠然と定年後について考えてきましたが、ここでやっと何をすべきかを見つけることができました。
 そして正月休みにいろいろと考えました。結論は「診断士の仕事をしたい」です。そこで会社を辞めて勉強に専念して、早く合格して独立しようと決めました。定年までには何ヵ月かありましたが、スパッと辞めました。実際のところ、辞めてからも仕事のオファーはありましたが、すべて断りしました。今までやってきたことをこの先も続けることがいいのかと考えると、もっと面白く仕事をしたいという思いが強くなっていましたから。
 診断士試験は1年目に合格するつもりでいましたが甘い算段で、2年目に合格できました。診断士試験はきちんと勉強すれば、ほとんどの方が合格ラインに達すると思います。ポイントはいかに合格方法を学ぶか。この点ではTACに感謝しています。

合格後はすぐに開業されたのですか?

 もともと独立するつもりがあったので、診断士の勉強を始めると同時に、TAC八重洲校の近くにレンタルオフィスを借りました。いまでもそこを拠点に仕事をしています。
 独立当初は勤務時代に経験がある小売業を対象にコンサルティングを展開できないかと考えました。ところが調べてみると、中小の小売業はネット通販に押されて縮小傾向であることがはっきりしましたので、飲食業をメインターゲットにすることにしました。
 私は「ニッチ・マーケティングを通じて社会を変えたい」と考えており、自分が考えているニッチ・マーケティングを、実際の飲食店で展開したらどうなるのかを追求していきたいと思っています。
 現在は、知人が経営する飲食店のサポートをしています。周辺調査やマーケティング、SNSでの発信、ツールの充実などを提案し、実際に導入していくことで売上につながり、喜んでいただいています。

診断士資格取得の意義はありましたか?

 自分の専門分野の上に診断士を置くことで、企画や制作などマーケティング活動をベースにしながら、診断士の立場から経営に関するアドバイスができます。現場だけでなく、経営に関する助言ができることの意味は大きいですね。
 具体的なメリットでは、シニアが独立すると、それまであった会社の信用というバックボーンがなくなります。ところが診断士であれば国家資格の信用度は高く、官公庁への連絡でも「診断士の雨宮です」と名のるだけで、スムーズに話を進めることができます。企業の方との名刺交換の際も、診断士ということで一目置いていただけるようです。
 また、合格直後に自宅マンションの管理組合の理事になりました。大規模マンションなので誰も理事長を引き受ける人がいない中、私がやることにしました。やり始めると、診断士の知識やスキルが役に立ちました。ヒアリングやアンケートをしてSWOT分析をする、それをもとにミッションやビジョンを決め、目標と計画を立てるなど、本当に診断士は役に立つと感じました。

今後の活動について教えてください。

 先にお話ししたニッチ・マーケティングで飲食業、外食産業の仕組みを変えたいし、できることなら社会の仕組みを少しでも変えたいと思っています。そういう意味では毎日とても忙しく楽しい気持ちで仕事をしています。知人の飲食店だけでなく、もっと多くのお店の支援をしたいと考えています。

診断士の学習を迷っているシニア世代の方へメッセージをお願いします。

 診断士になって、いつまでも好きな仕事をしましょう。資格取得はいつ始めても遅いということはありません。特に診断士は独占業務がない代り、好きなことができます。私は診断士として好きなことをしているためか、健康診断を受けたら、勤務時代に指摘されていた項目がすべてなくなりました(持病はありますが)。診断士は健康にもいいみたいです(個人の感想です

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