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Profile
前職では電機メーカーで収益管理、販売管理、OEM管理、海外工場立ち上げに従事していました。20年近く勤める中で、40歳を超えて具体的に自分のキャリアを切実に考えたことが診断士をめざしたきっかけです。広い社会の中のたった1つの会社しか知らなかったので、自分のフィールドを広げ武器を持たなければと考え、まずはFP2級技能士を取りました。 実は診断士は20代の頃から知っていて、知識補充のために勉強したことがありました。FP2級に一発合格できたので、いよいよ診断士に挑戦しようと一念発起したのが前職を退社する前年です。残業も月80時間と一番仕事がハードな時期でした。 こうして独学で勉強を始め1次試験は1回で合格しましたが、2次試験は3回連続不合格でした。 自分が活躍するために、勤務先も見直したいと考えて転職も決意しました。診断士試験に一発で合格していればそれを武器に転職できたのですが、見切り発車で転職活動と診断士受験を同時進行し、現在勤務する素材メーカーに転職しました。
さすがに3回も2次試験に落ちて「これではダメだ」と思い、4回目はTACの通信講座を受けることにしました。 夜は眠くなってしまうので勉強時間は朝1時間と通勤時間の2時間を何とか確保しました。子どもがまだ小さかったので家族に迷惑をかけないように、土日の昼間は一切勉強しませんでした。通信講座で2次試験の勉強をしている1年間は、過去問をやってもなかなか模範解答に近づかず、かなりきつかったです。本試験までにやることはやっていたので手応えはありましたが、不安は最後まで残りました。2次試験に合格できたのは、TACのおかげとしか言い様がありません。
転職後1年で、事業部門企画管理部の部長職となりました。入社3年後には経営企画部・総務部の部長を務めることになり、取締役会事務局・運営、事業ポートフォリオ管理、プロパティマネジメント、株主総会運営などを任されています。 診断士の知識はもちろんのこと、俯瞰的な視点や考え方など広い意味で現在の業務に活かされています。例えば前職と現在の会社の事例しか知らなかった私が、問題解決する際にまず問題を解く手法のフレームワークがいくつか頭に浮かぶようになりました。また、転職して会社の規模が小さくなったことで担当するフィールドが広くなり、事業管理、経営管理から法務、人事、組織、財務に話が広がるようになりました。そんな中で適切な判断や課題解決が求められる場面で、診断士で学んだ組織横断的かつ経営の網羅的知識がフックとなっています。 また、診断士活動をすることで、他社の事例が頭に入るようになりました。社外活動によって比較するものが多くなり、前職と今の会社の事例しか物差しがなかった私のフィールドは広がりました。
私は仕事の報酬は仕事だと思っています。診断士の出発点も「自分は会社の役に立っているのか」でした。今後も今の会社で役に立つ限り頑張ろうと思います。まず、今の環境でベストを尽くすことですね。ただ社会や会社の環境も変わるかもしれませんし、自分も年を重ねるので、何かきっかけがあったときは診断士の資格を表に出し、活躍できるフィールドに出てもいいと考えています。そのために可能な範囲で社外活動を続け、足場と人脈を作り、自分の強みがどこにあるのか探っておいて、診断士として活躍できるようにしておきたいと考えています。
2次試験の問題は、抽象的で対策がとても難しいものでした。その「聞かれていることに対して直接的に答えられるかどうか」を勉強したことが、今とても役に立っています。 診断士を取る前は、まず社内で上司から問われたことに対して、自分が実務に詳しいからと知識をひけらかし、答えたいことだけを答えていました。もちろん仕事として大きく逸れることはありませんが、質問の真意にそって答えていないことが多かったように思います。質問をする人がなぜこれを課題と思っているのか、もう一歩先のことに気づこうとする大切さを診断士で学びました。常にこのことを意識していますので、アウトプットの質が格段に高まりました。相手が聞いている内容の真意を捉え、しっかりと的を外さなくなったことは、自分が一番変わった点だと思っています。
診断士受験を通じ、いろいろな意味で鍛えられて今の私があります。最初は自分の武器として第三者に公言できるものを持つために始めた受験でしたが、何年も苦労して取得したことで勉強する習慣もつきましたし、「関連する領域まで興味があったんだ」と自分の変化に気がつきました。それが診断士を勉強した最大のメリットです。 人はそれほど簡単には変われませんし、診断士は簡単に取れる資格ではありません。しかし、最後までやり切れば、苦労した人ほど自分が想定できていない自分に気づけることも、診断士受験の大きな魅力です。
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