将来の選択肢|現在の勤務先で活かす|岡本 享大 さん

新規事業の企画に携わり、ビジネス全般を学ぶ必要性を感じた

岡本さん

Profile               

お名前 岡本 享大 さん
現職 大手鉄道会社勤務、中小企業診断士
略歴 2017年中小企業診断士試験合格。
2018年中小企業診断士登録。大学卒業後、大手鉄道会社に入社、新規事業企画を担当。
自社の新規事業企画にとどまらず、普段の業務を離れてコンサルティング活動でも手腕を発揮している。
中小企業診断士(以下、診断士)を目指した経緯を教えてください。

 社会に出ていくにあたってまず考えたのは、お客様の笑顔が見られる仕事がしたい、そうした思いを胸に選んだ就職先は、大手鉄道会社でした。入社後、数ヵ月間の研修を経て配属されたのが、新規事業企画に関わる部署でした。
 最初は、農業に関する新規プロジェクトに携わりました。私が配属される以前から進んでいたプロジェクトで、いよいよ本格的に事業を立ち上げ、具体的な計画や活動に落とし込んでいくという段階でした。そこで私が任されたのは、当社の経営層に事業内容を説明するための資料作りです。メンバーの一員として期待されていたのだと思いますが、右も左もわからず、見よう見まねで資料を作成しました。新規事業の企画や運営に携わるうちに、「ビジネス全般を体系的に学びたい」という強い思いが芽生えました。その目的に適う資格はないかと探したところ、診断士の資格に目がとまったのです。
 当時、新入社員としては幅広い仕事に関わるチャンスに恵まれていたものの、自分の経験や知識不足から、ビジネスの全体像がつかめずに苦労していたからです。

仕事と受験を両立するためにどのような工夫をしましたか?

 働きながら資格取得をめざしたため、TACの講義、テキスト、問題集は欠かせませんでした。特に学習内容が効率よくまとめられたオリジナルのテキストは、表紙がボロボロになるまで繰り返し読み込んでいましたね。合格するには知識を維持し続けることが必要なので、私は自作の単語カードを活用していました。このカードを普段から持ち歩き、就寝前や起床時間、電車での移動中、入浴時などのすきま時間にチェックするのです。
 2次試験は、限られた時間での対策が大変で、難しい問題も多いのですが、企業が抱える課題に対して解決策を考えることは楽しかったですね。

診断士で学んだことは現在の業務に活かされていますか?

 勉強を通じて身につけた知識は、普段の業務に活かせていますし、資格を手にしたことが自信となり、さらに積極的に仕事に取り組めるようになったと感じています。そして会社からも、資格取得以前に比べ、仕事により多くの裁量を持たせてもらえるようになった気がします。現在、力を注いでいるのは、インバウンドに関する新規事業。入社以来ずっとやってみたかったことでした。企画自体は2年近く前から温めてきて、折を見て上司にも話し、企画書をまとめていた案件です。ようやく企画が通り、事業として立ち上げ、具体的に進んでいます。

社外でのコンサルティング活動もされていると伺いましたが。

 普段の業務を離れて取り組む活動として、東北地方のある企業へのコンサルティングをしています。
 以前から、地方創生というテーマにはずっと興味を持っていました。当然ながら日本の魅力は全国各地にありますので、その魅力を引き出すことで、地方の活性化に少しでも寄与したいと考えていました。そこで、診断士に登録後、資格を活かして自分が役に立てることはないかとウェブで調べていたところ、地方自治体による事業の一環で、農業参入を検討している仲卸業を営むある企業のサポートを担う人材を募集しているのを見つけたのです。自分に手伝えることがあればとの思いで応募したところ、面接を経て経営コンサルタントとして採用されました。採用後は、2、3ヵ月に一度の頻度でその企業を訪問して課題や要望をヒアリングし、農産物のブランド戦略を踏まえた提案を行ってきました。
 この企業は現在、農業参入に向けた準備を進めていますが、さらに近い将来、会社の取り組みをもっと広く知ってもらうための関連事業も立ち上げようと計画しています。

コンサルティングに携わる時に大切にしていることは何ですか?

 相手と同じビジョンを共有することです。将来どうなりたいか。どんな世界にしていきたいか。同じ夢を抱き、一緒に歩む姿勢を大事にしています。具体的な事業や施策に落とし込むのはそれからです。この企業と関わるようになり、私自身非常に恵まれていると感じたのが、皆さんがとても情熱的だったこと。私の提案やアイデアもおもしろがっていただけているようです。分け隔てなく、フラットに接して下さることもありがたいですね。裏を返せば、それだけ期待されているということであり、やりがいを感じています。
 勤務先での業務や実務補習、先述の企業のサポートを通じて、自分の強みであり、今後も挑戦していきたいのはやはり、ゼロからイチを生み出す仕事だということを実感しました。斬新なアイデアを具現化して、世の中を楽しいものにしたいですね。

診断士をめざしている受験生にアドバイスをお願いします。

 次のステージに行くための強い武器になってくれる存在だと思います。資格自体が働いてくれるわけではないですが、自分が成し遂げたいこと、挑戦したいことに取り組む時に、ひとつの大きな味方となってくれるものだと思います。コンサルティングに携わる場合も、仕事において圧倒的な実績を残してきた方は別ですが、資格があることで自信を持つことができ、また相手の信用を得るきっかけのひとつにもなるのではないでしょうか。診断士の資格取得を通じて身につけられる知識は、ビジネスパーソンにとって仕事に活かせることは間違いなく、挑戦のしがいがあると思います。

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