将来の選択肢|現在の勤務先で活かす|田代 順一 さん

中小企業診断士の知識を活かし、
グローバルの組織改善に取り組みたい。

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Profile               

お名前 田代 順一 さん
現職 精密機器メーカー勤務
中小企業診断士
略歴 2017年、中小企業診断士試験合格。
2018年、中小企業診断士登録。 神奈川県出身。大学卒業後、
電子部品メーカーで商品企画・設計・製造などの業務に約7年間従事した後、
精密機器メーカーに転職し、商品企画・開発業務に携る。
2019年4月より海外勤務となりシンガポールに赴任。
中小企業診断士(以下、診断士)を目指した経緯を教えてください。

 診断士を勉強する前に、東京理科大学技術経営大学院(以下、MOT)で学んでいるのですが、MOTに進んだことが結果として診断士につながっています。MOTに進む前、会社では商品企画を担当していたのですが、一生懸命考えて提案をしてもなかなか通りませんでした。「ニーズはあるのか」「どういった利益が出るのか」と質問されてもうまく説明できなかったことが原因です。技術者とはいえマーケティングを学ぶ必要があることを痛感しました。そんなときにマーケティングを学べる場として、社内の人から教えてもらったのがMOTでした。
 実際にMOTで学ぶことにより、マーケティングの考え方で商品企画をすることができるようになりました。それまでは技術者でしたので、技術がすべてと思っていました。しかし、今では技術だけでなく「価値」をどう伝えていくかにマインドが変わりました。

MOTで学ばれた後に診断士を目指されたのですね?

 そうです。商品企画に必要となる財務会計について深く学びたかったのですが、MOTでは学び足りないと感じていました。どうすればもっと学べるかと考えているとき、アドバイスをくれたのがMOTで机を並べて勉強していた診断士の方でした。「診断士を学べば、財務会計も勉強できるよ」と勧められて、MOT修了後に診断士の勉強を始めました。

MOTと診断士を比較するといかがですか?

 企業内で仕事をしている立場で考えると、診断士の方が実務に役立つ機会が多いと思います。しかし、MOTと診断士のどちらが有利かという訳ではありません。戦略策定やビジネスモデルの構築を考えたりする部分では、経営を深く学べるMOTが有利です。一方で、日々の実務は多岐に渡っています。企業勤務で得た知識を整理して実務に役立て、広い知識を身につけるという点では診断士の方が有利だといえますね。

診断士を学んだことで業務に活かすことはできたのでしょうか?

 学びたかった財務会計の知識を身につけることができ、商品企画において投資対利益を考える際などで役立っています。会社としての商品企画用の予算フォームがあるのですが、その計算方法の根拠を理解できるようになったので、提案の切り口を変えるなど工夫ができるようになったと思います。
 診断士を学んだことで、やらされているのではなく、なぜこの業務をしなければならないのかを理解できたことが特に大きいと思います。

現在の業務内容を教えてください。

 開発職として勤務しています。弊社の場合、開発職が商品企画から実際の設計までを行うのですが、私はこれまで主に商品企画を担当していました。商品の戦略やニーズを考えた上で、商品の仕様を設計・企画していました。
 2019年4月からシンガポールに赴任となります。業務はリエゾンといわれる日本と海外をつなぐ仕事です。PM(プロジェクトマネジャー)として現地で商品開発を行う責任も担うため、日本での業務と大きくは変わりません。ただ、異なる点として「組織改善の仕事をしてほしい」といわれています。現地組織の改善、開発の標準化、仕事の進め方の見直しなど、海外の開発部門の役割をどう位置づけるかといった内容になり、まさに診断士の知識が活かせる内容ですね。診断士の科目でいえば、組織的にどう位置づけるかは「企業経営理論」が、開発の効率化は「運営管理」が役立つと思います。

診断士を目指される方にメッセージをお願いします。

 以前はモノを作れば売れる時代でした。いまは何を訴求点とするのか、どうやって売るのかなど、プロモーション等も問われています。技術者もマーケティングやマネジメントなどのビジネスセンスを身につけなければならない時代になったのです。また、モノづくりも自社だけで製品を製造する時代ではなく、他社と連携して行う時代ですから、そこにもマネジメント能力が求められます。
 診断士は単に資格を取得するために勉要するだけでなく、副次的に仕事に活きてくる資格だと思いますので、勉強を進めていく中で自身の変化がわかります。それを楽しみながら勉強していくことをお勧めします。そして、勉強を始めようか悩むなら、始めた方がいいと思います。視野が広がる資格ですので、技術者を含め、あらゆるビジネスパーソンにお勧めします。

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