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ドラゴンクエスト全盛期に中学時代を過ごした私は、パソコンを学ぼうと商業高校に進学しました。そこで会計と情報処理を学び、大学は経済学部へ。卒業後も会計と情報処理が融合した仕事をしようとIT企業に入社しました。そこで人事給与システムの開発に携わる中で、自己啓発も含めて人事労務知識の基盤を作ろうと考え、社会保険労務士(以下、社労士)を目指しました。その翌年、法律的基盤を培う目的で行政書士にも挑戦しています。 中小企業診断士(以下、診断士)をめざしたのは、仮に社労士として仕事をする際、会社全体を俯瞰した上で人事労務の話ができなければ、人事担当者や経営者に通用しないと考えたからです。診断士は、経営戦略、組織・人事、マーケティング、財務・会計、IT、法務など、企業経営にまつわるオールラウンドの知識とロジカルシンキング、高いコンサルティングスキルを身につけられる資格です。経営コンサルティングをするなら、経営全般に関する知識を有する診断士を身につけた上で労務・法務の相談に乗りたいという強い気持ちがありました。
1次・2次試験合わせて9カ月間です。まず2007年に試験対策をしないで試しに受験してみたら、「財務・会計」と「経営情報システム」の2科目に合格しました。今まで学んできた知識・スキルが活かせた結果です。その他の科目も「中小企業経営・政策」以外は対応できる部分があったので、2008年の試験に照準を合わせてTACの1・2次上級本科生をWeb通信講座で受講しました。
社労士の科目の一つである「労働基準法」は診断士の「企業経営理論」の労働関連法規に充分活かすことができ、社労士受験の知識が得点源につながりました。行政書士で学んだ民法や会社法は、診断士の「経営法務」で出題される分野が重なっていました。
独立開業して最初に受けた仕事はIT業界の新入社員研修でした。その流れで現在も柱となるのは研修関連業務、そしてクライアントとの顧問契約による社労士業務と人事コンサルティング業務です。また、高齢者雇用アドバイザーとして高齢者就労コンサルティングにも一生懸命取り組んできました。このようにして、徐々にコンサルティングや社労士業務の依頼がくるようになって、仕事の幅が広がりました。 複数資格の効果が高いと感じる場面として、実はそれぞれの士業の集まりがあります。どの集まりでも他資格側の依頼があり、これは想定外のうれしい出来事でした。 労働・社会保険の手続、労務相談から人事・経営コンサルティングにつながるケースが最も多く、行政書士については診断士や社労士業務の中で、組織運営上必要となる許認可手続や契約書の作成や確認、会社の設立の支援が求められます。そこをワンストップで対応できればクライアントにとっても私自身にとっても迅速に仕事を進めることができ、3資格のシナジー効果は大きな強みとなっています。
独立したときは本当にやっていけるのか不安でいっぱいでした。開業4〜5年目から毎年コンスタントに受託できる分野が生まれ、その頃から1年間の大きな流れが見えるようになりました。 今後取り組んでいきたいのは、今問われている「働き方改革」です。単純な制度の見直しではなく社会全体の動向を見ていなかければうまくいきません。労働者側のモチベーションを引き出すためにも単純な制度設計ありきではなく、組織に携わる人々の意識改革もともに進めていく必要があると思います。そこをどう整えていくのか、会社が置かれている環境を全般的に整備しながら経営目標・経営戦略を立て、どう組織構成していくのか。枠組みをしっかりと作っていくべきです。それこそ診断士・社労士として一歩踏み込んだコンサルティングスキルを発揮できる場なので、施行までのあと2〜3年が勝負と捉えています。
研修では経営全般に詳しい専門家というスタンスで講師の依頼がありますし、高齢者雇用アドバイザーでは経営を全般的に俯瞰した上でアドバイスできる専門家として紹介を受けます。金融機関との融資交渉で経営者に同行する際に、診断士であれば一目置かれます。「経営全般に関する専門家である診断士」として活躍できるケースはとてもたくさんありますね。 勤務時代には融資交渉や事業計画立案など思いもよりませんでした。今まで見えなかった広い世界を見られることは、診断士として独立して良かったと感じる点です。経験したすべて、出会いのすべてが守備範囲を広げる。それが、診断士のストロングポイントです。
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