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大学卒業後、システムインテグレータ(企業や行政の情報システムの構築、運用などの業務を一括して請け負う事業者)に入社し、公共系認証システムの立ち上げに携わりました。といっても、システム開発ではなく新規事業の立ち上げを担当し、新規事業の業務の構築・運用の企画から要件定義までを行いました。その新規事業が立ち上がり、事業の運用チームの管理を行った後、社内異動がありシステム開発を担当することになりました。 システム開発はそれまでとは異なる業務内容になりますから、ゼロから始めるようなものです。そこで情報処理系の勉強などを始めてみましたが、もっと経営層に近い部分、マネジメントに関わる勉強をしたいと考えるようになりました。また、自分で生きていける力を身につけたいという思いもあり、国家資格を調べてみました。そのときに社会人が大勢取得していて、仕事を行っている今の環境の中で勉強できる資格で、身になるものとして診断士に着目し、目指すことにしました。
受験に際してはTACの講座を受講しました。すると、ある講師から「週20時間は勉強してください」と言われたのです。そこで、逆算して計画を立てました。土日に4〜5時間ずつ勉強すると考えると、平日は1日2時間になります。ただ、時間は確保しても勉強の習慣が身についておらず、ついさぼってしまいます。そんなときは別の講師から「習慣化が大切」とアドバイスされ、とにかく確保した時間は机に向かうようにして、勉強のリズムを作っていきました。こうして週20数時間の勉強時間を確保して勉強を習慣化し、1年間で無事合格することができました。
ITの会社ですからITに詳しい人は大勢いますが、社内でお客様の財務諸表を見たり、お客様の内外環境を分析し、ビジネスについてお話をしたりする機会は多くありませんでした。診断士で身につけた知識を活かし、お客さまの全体像、つまり経営環境はどうか、市場はどうなっているのかをビジネスパートナーとしての目線で、お客様とお話をさせていただく機会を得られるようになりました。お客様の情報を分析したり、整理したりする際や、社内で事業計画を立てる際などは、診断士で学んだ知識が役立ちました。
実は診断士の勉強をしているうちに、財務会計の面白さに魅かれ、もっと深堀りしたくなったのです。1次試験が終り2次試験の準備をしている段階で、次は簿記検定を勉強し、向いているようなら公認会計士(以下、会計士)試験にチャレンジしようと決めました。診断士の受験が終わった後、翌年の2011年から日商簿記検定2級、1級に合格、そして会計士試験にチャレンジし、2014年に在職中に合格しました。
M&Aコンサルティングに携っています。私は会社や事業を売る会社側に立って、交渉をどのように進めていけばいいのかなど全体の管理、事業を切り出す場合には事業の財務諸表の作成などを行っています。また、デューディリジェンス(対象企業や事業の財務、税務や資産状況等の実態調査)への対応、M&Aの契約関係の締結支援、買収完了に向けた手続支援(取引先との契約関係の整理等)などにも関わります。交渉全体のタスクを見て、スケジュール管理を行うのも仕事の一つです。 コンサルティングの仕事では、本当にいろいろなことを依頼されます。財務系の業務は会計士の知識がベースになりますが、法務系や労務系の相談などもあります。診断士で勉強した知識により「勘どころ」がわかることもあり、どう調べればいいのか、他の専門家とどうつなげればいいのかなどがわかり、幅広いご相談に対応できています。しばらくはこのまま、コンサルティング業務を続けていきたいと考えています。
診断士の勉強を始めるきっかけは人それぞれだと思います。ただ、勉強して損ではありませんので、まずは始めてみるといいでしょう。そして最後まで勉強すれば、知識やいろいろなものの考え方も習得できます。 私は間違いなく、診断士の勉強を始めたことが自身のキャリアの分岐点であったと思います。診断士の勉強を始めたからこそ見えた世界があり、会計士の勉強も始められました。また、私は受験時代に多くの仲間に支えられましたが、受験を通じて仲間やネットワークも広がり、今日でも親しくおつきあいしています。合格後も資格を活かして幅広い活躍ができます。まずは診断士の勉強を始めてみてはいかがでしょうか。
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