通関士インタビュー 通関士の一日の仕事を紹介

通関士の一日の業務内容

 

意外と知られていない通関士の仕事内容。はたして、通関士は一日をどのように過ごしているのでしょうか。

今回はTAC通関士講座講師、星野先生からお聞きして参りました。 星野先生は講師になられる前に、20代前半から8年半、通関業者の通関士として、成田空港で輸入申告書の作成・審査を担当されておられました。


通関業者とは、依頼者から手数料を受け取り、輸出入申告手続を依頼者に代わりおこなう業者です。ヤマト運輸、佐川急便、日本通運などの大手の物流会社は通関業者でもあります。

この記事の監修者

星野先生

星野 敦 講師

TAC通関士講座専任講師。元・日本通運の通関士で、成田空港での勤務経験がある。実務経験も交えたリアルでわかりやすい講義と親身なフォローで、毎年数多くの合格者を輩出しているTACの人気講師。

 

インタビュー

通関士だった時の一日のスケジュールを教えてください


               
9時~ 1日の申告予定の確認、輸入申告書の作成・審査。そのほか、依頼主への確認など

定時の少し前に出社し、今日おこなう申告予定の確認をします。その後、NACCS(※)で自分が担当する輸入申告書の作成、審査に取りかかります。統計品目番号を誤ると関税額や税率が間違ってしまうため気を抜けません!
その他、申告書作成にあたって、通関業者の営業担当者が依頼主に確認できなかった細かい点を、依頼主に確認します。たとえば、セーターなら模様が入った編み方か、入っていない編み方かで関税率は変わってきますが、そこを確認できていなければ直接依頼主に訊きます。

NACCSとは「輸出入・港湾関連情報処理システム」、簡単に言ってしまうとパソコンを使用して通関業者等と税関等の間でデータをやり取りするシステムのことです。

10時~ 税関への書類の提出、税関職員からの質問があれば、その対応

通関士の審査が終わった申告書を税関へ提出します。件数の多い日は、一人50~60件ぐらい申告することもあります。
また、提出した申告書について税関職員からの質問があれば、その対応をすることも重要な仕事です。
13時30分~ 昼食
14時30分~ 保税地域へ荷物の確認

明日申告分のものについて、保税地域(※)へ書類上の物と実際に届いた物が合致しているかの確認に行きます。蔵置場所を管理している保税地域の職員に、貨物を持って来てもらったりします。

保税地域とは、輸入の許可がされる前の外国貨物を置くことができる場所です。

16時~ その他細かな業務

航空会社から「梱包の箱が壊れていますよ」と連絡があったりした場合は確認に行ったりします。依頼者としては中身が破損していた場合は、当然自分の払う関税額を減らしたいですし保険金もほしいので、税関や保税地域の担当者を呼んだりして一緒に状況を確認します。
また、たまに臨時開庁申請(※)をします。これがあるときは、場合によっては帰宅が遅くなるときもあります。

平日17時以降や土日等、税関の開いていない時間に審査や検査をしてもらうことです。

17時~ 次の日の申告内容の確認
18時~ 帰宅

通関士の方達がおっしゃる「魔の月曜日」とは、どのような一日のことですか?


税関が土日でお休みのときも貨物は届きますからね。月曜日になると、どうしても処理する書類が溜まってしまっていますし、税関の受け付けてくれる時間も決まっていますから、仕事が立て込んでしまうため、「魔の月曜日」と言われます。こういった時は、お昼に行けるのは14時とかになってしまいます。

繁忙期はいつでしょうか?


忙しい時期は年末年始とゴールデンウィーク前後ですね。通関士ならでは!なのは、中国の「春節」ですね。中国との間の貿易量はやはり多いですから。

通関士の男女比を教えてください。


私が現役のときは9割が男性でしたが、最近の合格者に聞くと、今は通関士として入社される方の7割が女性という会社があるなど、状況は変わって来たみたいです。

特に印象的だったことはなにかありましたか?


昔、ジェイク・ロバーツという体にヘビを巻いているプロレスラーがいました。スイマセン昔の話で。私の場合はヘビではなくワニの生皮なんですが、アレを税関検査の立ち会いに行って見たときは本当に臭いがすごかったです……。
あとは、20世紀初頭の中国の陶磁器、これを69類(※)の「陶磁」で輸入すると関税がかかるんですけど、製作後100年を超えるものだと、関税のかからない97類(※)の「こっとう」で通関を通せるぞ、というケースがありました。「こっとう」で通関する場合、製作後100年を超えていることの証明が必要となります。このあたりの判断は通関士の専門知識が活きる場面ですね。

「こっとう」といえば、昔の火縄銃のケースを思い出しました! 93類(※)の「けん銃」だと法律で「輸入してはならない貨物」に該当してしまうんですが、銃口を職人さんに塞いでもらい、単なる置物にすれば、「こっとう」で申告できるかな?と税関に相談に行ったことはあります。 結果ですか?そのときは税関は認めてくれませんでした(苦笑)

輸出入される貨物は「第○類」といった形で分けられ、それぞれの税率が計算されます。第69類は「陶磁製品」、第97類は「美術品・収集品およびこっとう」、第93類は「武器および銃砲弾ならびにこれらの部分品および付属品」。

休日は何をされていましたか?


休日に仕事をすることはありませんでしたね。
90年代のことなんですが、大のプロレス好きで、全日本プロレスからUインター、FMWまで幅広く観戦に行ってました。当時は、川田選手、前田選手、大仁田選手が特に好きでしたねぇ~。あ、今はプロ野球の広島カープの試合や、JリーグのFC東京の試合の観戦に行くことが多いです。あとはスイーツの食べ歩きですね(笑)

通関士ならでは!というような、日常生活で思わずしてしまうことはありますか?


そうですね、お店に行った際に色々と売っているものを見ると、つい、「この商品の原産地はどこだろう?」と考えちゃいますし……、そうそう!「コレは第○類だな⁉」と考えちゃうところなんか職業病ですよね(笑)

最後に、通関士に興味を持たれ受けてみようかなと考えている方達へ、ひと言お願いいたします


通関士の業務は貿易の最前線といっても過言ではありません。通関士が正しい申告書を税関に提出しないと、通関がストップし、貿易が滞ってしまいます。また、税金の専門家といえば税理士さんですが、税金のうち関税だけは通関士しか扱えません。とても重要な業務なんです。
また、この資格は通関業者以外でも、商社や、貿易を行うメーカー等の貿易業界全般で、その知識を活かせるので、貿易に興味をお持ちの方はぜひ目指していただきたいですね!

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