千葉商科大学「瑞穂会」

千葉商科大学「瑞穂会」のみなさんにお話を伺いました

 全国団体戦の上位チームにその名を連ねる千葉商科大学「瑞穂会」は、会計教育研究の実践の場として学習指導における調査・研究を行っていて、千葉商科大学の学生なら年3回開講している日商簿記検定3~1級講座を無料で受講できるという。税理士試験や公認会計士試験の受験生も含め、毎年、年間300名以上の学生が入会して、さまざまな資格取得に向けて学習を重ねている「瑞穂会」の学生さんたち。
 新型コロナウイルス感染症の影響でさまざまな制限がある中、どのように学習を進めていたのか、今後の夢についてなど、「TAC簿記チャンピオン大会」で優秀な成績を収めた学生さんたちにお話を伺いました。

コロナ禍でがんばる先輩たちの声

桐生竜雅さん(2021年6月大会:団体戦1級1位・個人戦1級3位)
 私は1年生の7月に「瑞穂会」へ入会しました。当時は大学の全てが遠隔授業ということもあり、1人で学習する時間が多く、不安がありました。2021年の3月頃に「瑞穂会」も対面授業に移り、先生方や学生同士での質問や相談が気軽にできるようになり、疑問点や勉強の悩みをすぐに解消しつつ、学習を進められることでモチベーションが上がっていきました。講義内容も非常に分かりやすく、無駄のないカリキュラムで、効率的に学習を進められることが「瑞穂会」のいいところです。
 普段は簿記自習室で学習をしており、検定や大会が近づくと、「瑞穂会」のメンバーと共に過去問題集などを解き、点数を競い合い、疑問点は学生同士で解決する。教え合うことで自分自身の理解の定着に繋がり、コロナ禍で制限がある中でも関係なく、充実した学びの場だと感じています。「瑞穂会」では、継続する重要性を教えてくれるだけでなく、先生方や学生同士が支え合い、「がんばれば必ず成果がでる」ということを教えてくれる点も、モチベーション向上に繋がっていると思います。
 現在は、公認会計士試験の学習を進めており、現役合格ができるようがんばっていきます!

田中雄大さん(2021年6月大会:団体戦1級1位・個人戦1級1位)
 今回の試験勉強を進めていく上で、苦労したのはモチベーションの維持でした。日商簿記検定1級に合格するために「瑞穂会」に入会しましたが、1級の範囲は広く難易度も高いため、高い意識を保ち続けることが難しかったです。また、遠隔授業では1人で問題を解き続けるという日々が長かったので、自分の完成度が周りと比べてどの程度なのか、合格するには、あとどれほどの努力が必要であるのかのめどがまったく立たないまま、不安ばかりが募っていきました。
 しかし、対面授業に移り、いざ仲間たちと勉強を進めていくと、同じ目標に向かう仲間たちの存在の大きさ、切磋琢磨しながら日々を送ることの大切さなど、勉強以外にも学ぶことが数多くあり、充実した日々を送ることができました。ともに過ごした「瑞穂会」の仲間たち、支えてくださった先生方を本当に尊敬しています。そして、感謝しています。
 現在は、税理士試験の勉強を進めています。日商簿記検定1級の勉強で得た知識、経験を今後の勉強に活かしていきたいです。

橘啓介さん(2021年6月大会:団体戦7位・個人戦1級7位)
 私が「瑞穂会」に入会したときは、コロナ禍だったので遠隔授業を余儀なくされました。自宅での学習だったのでやる気も思ったように出ず、誘惑も多かったので、すぐに集中が切れてしまうことが多々ありました。そんな中で、モチベーションを保つことができたのはWed会議のシステムを活用した「オンライン自習室」があったからだと思います。自宅で自習をするときにオンライン自習室を開き、「瑞穂会」のメンバーとわからないところを教え合いながら勉強をしました。コロナ禍での遠隔授業という精神的に辛い期間を乗り越えたからこそ、ここまでやってこられたと思います。
 現在、税理士を目指して勉強しているので、これからも大会や検定を通じて得た経験を活かしてがんばっていきたいです。

木内沙弥さん(2020年11月大会:団体戦1級3位・個人戦1級10位)
 日商簿記検定1級取得は高校からの憧れで、大学に入学してすぐ「瑞穂会」に入会し、簿記の勉強を始めました。約3年間勉強し大学3年の11月検定で日商簿記検定1級を取得することができました。「瑞穂会」での勉強は内容が高度なこともあり、とてもハードでしたが「瑞穂会」の先生方はもちろん同級生や先輩方にも教えてもらい、質問をしてきたメンバーには教えるというインプットとアウトプットを繰り返して知識を定着させることができました。
 現在は教科商業の高校教員となるため、教員採用試験に向けて勉強中です。指導者として「瑞穂会」での経験や日商簿記検定1級の知識を活かし、生徒個々に合った学習方法を探究しながら簿記の指導をし、簿記に強い学校を目指したいと考えています。簿記以外の科目についても高度な知識を得られるよう目標を立て、教材研究をしていきたいです。

藤野拓武さん 梶井佑太さん 白木空流さん(2020年11月大会:団体戦1級1位「瑞穂会Aチーム」)
 私たちは「簿記チャンピオン大会」後に日商簿記検定1級を受験して合格し、現在は、税理理試験(簿記論・財務諸表論)の合格に向けて受験勉強をしています。大会に出場したチームのメンバーと一緒に受験勉強をすることができ、お互いを支え合いながらモチベーションを高めて学習しています。ですので、今の仲間と後輩たちを大切にしながら受験勉強に励んでください!!

「簿記チャン」の活用方法

 「瑞穂会」で指導されている准教授の渡邉圭先生にも「簿記チャン」の活用方法について、学生さんたちに期待することなどを伺いました。



──「簿記チャン」参加理由は何でしょうか。

渡邉 日商本試験1週間前は効果的な学習スケジュールを作り、備える必要があります。①時間配分、②ケアレスミス対策、③学習不十分の論点の発見と復習が、本試験1週間前に開催される「簿記チャン」に参加することで、①~③のうち、どの部分を重点的に対策すればよいかを明らかにすることができます。


──「簿記チャン」を利用して本試験対策をしていると聞きました。具体的にどのようにされていますか。

渡邉 特に、ケアレスミス対策は非常に重要で、ケアレスミスを完全になくすことは難しいですが、接近することは可能です。①問題の読み間違い、②メモ用紙の記入ミス(金額など)、③電卓の誤入力、④解答用紙への誤記入、この4つからケアレスミスは生じることが多いので、「簿記チャン」に出場し、自分が①~④のどのミスが多いかを分析して弱点を把握します。ルーズリーフなどに具体的なケアレスミスを箇条書きするとよいと思います。実際に、「簿記チャン」でケアレスミスをして、本試験中にも同じミスをした学生がいましたが、「簿記チャン」での経験が活きてミスに気づき、無事、日商簿記検定1級に合格することができました。


──「簿記チャン」参加後の復習も大切にしているのですね。

渡邉 「簿記チャン」では、自分の学習成果が個人戦順位で明らかになるので、トップ10にランクインした方は自分の学習方法などに自信を身に付けることができますし、ランクインしなくても自分の学習方法の課題を発見して修正することができますから、参加者全員が順位に関係なく学習成果を評価することができます。


──学生のみなさんには、どのようなことを期待していますか。

渡邉 自分の生き方・働き方を見つけて、失敗を恐れず一生懸命に行動できる人になってほしいです。楽しく、元気で働いてくれればそれで満足です。ですが、これが以外に難しくて、卒業生から「自分は何のために働いているのだろうか」と相談を受けることがあります。人間は考え方が変われば行動が変わります。学生たちには勉強以外に内面的な要素も大切にしてほしいと説明しています。


──「内面的な要素」も大切にするというのは重要ですね。

渡邉 そうなんです。勉強だけではなく、①「継続することの大切さ」を身に付ける、②「困難を乗り越える強い精神力」を身に付ける、③「人に対して感謝する心」を身に付ける、これらを原則として、この原則を守るために必要なルールを各自考えて学習してほしいといつも話しています。
具体的には、次のように指導しています。


①「継続することの大切さ」を身に付ける
日商簿記検定や税理士試験を通じて毎日継続して学ぶことが必要であることを理解させます。長い時間は要するが自ら学び自ら考え、解決する能力を身に付けさせます

②「困難を乗り越える強い精神力」を身に付ける
 日商簿記検定は上級になると難易度も高まるため、諦める学生も出てきます。自己の進路目標をしっかり定めて、誘惑に負けない強い精神力を身に付けさせます

③「人に対して感謝する心」を身に付ける
 指導者や学生同士で相談したり、励ましを受けたり、周りの人に支えられながら資格を「取得」できるということに自覚をもち、それを感謝する気持ちを身に付けさせます


実際に社会へ出て働くとき、このような考え方が本人たちの行動力に大きく影響を与えると考えるからです。学生たちには受験勉強よりも大切なものとして、心を育みながら自分の進路を形成していただきたいです。


──簿記との出会い、「瑞穂会」での出会い、さまざまな出会いを大切に、学生のみなさんには進んでいっていただきたいですね。貴重なお話をありがとうございました。


千葉商科大学「瑞穂会」について、もっと詳しく知りたいという方は、コチラから

「簿記チャンピオン大会」事務局より

新型コロナウイルス感染症の影響で「ひとり」で学習をしている人も多いかもしれませんね。同じ年代の人が同じような状況でがんばっていることがわかる「簿記チャン」という場をぜひ活用して「ひとりではない」ことを実感してください。「簿記チャン」でみなさんにお会いできますのを楽しみにしています!