通関士試験をズバリ解説! 通関士の仕事内容は?

通関士の仕事内容とは

通関士は、「輸出入手続をおこなうプロフェッショナル」

通関士の仕事は、輸出入の許可を出す役所である「税関」に貨物を「通す」ことです。
海外から貨物を輸出入する場合、法人・個人に限らず税関に輸入申告をして、検査を受け、関税を正しく計算し支払った上で輸出入の許可を受けなければなりません。通関士はこのような輸出入の手続に関する専門家であり、依頼人に替わって通関業務をおこないます。
通関士には年1回おこなわれる通関士試験に合格した人だけがなることができます。通関士試験は毎年約7,000 人が受験しており、その専門性から貿易業界において高い評価を受けています。また、TPP・EPA・FTAなどの経済連携協定が推進され貿易の自由化・規制緩和が進む日本において、需要は高まりつつある職業です。

このページでは通関士の仕事内容について詳しく見ていきましょう。

この記事の監修者

星野先生

星野 敦 講師

TAC通関士講座専任講師。元・日本通運の通関士で、成田空港での勤務経験がある。実務経験も交えたリアルでわかりやすい講義と親身なフォローで、毎年数多くの合格者を輩出しているTACの人気講師。

通関士の独占業務
通関士の仕事内容
通関士が活躍するフィールド
通関士の将来性

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通関士の独占業務

通関士は「通関書類の審査」、「通関書類への記名・捺印」という独占業務を持つ、財務省が管轄している国家資格です。また、貿易業界唯一の国家資格でもあります。
外国からモノを輸出入する際は税関の許可が必ず必要となります。日本で輸出入をおこなうのは商社やメーカーが主となりますが、通関手続には高度な専門知識が要求されます。そのため、専門の「通関業者」や、通関業を兼業している「国際物流業者」「航空業者」「海運業者」「倉庫業者」に通関手続を代行してもらうことが一般的になっています。そして、通関業者は各営業所に「通関士」を1名以上おかなければならないことが法令で定められているため、通関士の活躍が必要となるわけです。


通関士の独占業務
(参考) 通関業法施行令5条

通関業者は、法第十三条の規定により通関士を置かなければならないこととされる営業所ごとに、通関業務に係る貨物の数量及び種類並びに次条に規定する通関書類の数、種類及び内容に応じて必要な員数の通関士を置かなければならない。

通関士の仕事内容

通関士の仕事内容

通関士の仕事は、輸出入の許可を出す役所である「税関」に、貨物を「通す」ことです。
税関は輸出入する貨物に麻薬や特許権を侵害する物品、ワシントン条約で定められた動植物が含まれていないかを取り締まったり、物品に対して適切に関税を課し徴収するなど、安全かつ公平に貿易がおこなわれるよう「国の門番」としての役割を担っています。
対して通関士は、輸出入をしたい商社やメーカーなどの依頼人と税関との間に立ち、貿易が円滑におこなわれるようにする潤滑剤の役割を果たします。具体的には税関に提出する書類の作成とチェック、関税額の確認と納付、輸出入審査や検査の立会い、税関名に対して不服がある場合の申し立てなどをおこなっています。
島国であり他国との貿易に大きく依存している日本では通関士の役割は非常に大きなものです。また、自由貿易が拡大しつつある昨今において、その重要性がますます大きく拡大していく仕事といえます。

通関士の仕事の魅力

通関士の一番の魅力は貿易業務の中で専門性が最も高い点です。税理士でも扱うことが許されない「関税」を取り扱うのが通関士であり、その専門性の高さから通関業者はもちろんメーカーや商社での評価も高く、求人が安定していることも特長の1つです。
通関士の仕事の魅力を元通関士の星野講師が解説します。

通関士の仕事の実態

通関士の給料は?資格手当はでるの?残業はあるの?航空貨物と海上貨物で仕事の内容は異なるの?通関士のリアルな実態を、元通関士の星野講師が解説します。

通関業者の種類と女性職員

通関業者にはどんな会社があるの?女性の職員はいるの?通関業者の種類や女性職員の実際を、元通関士の星野講師が解説します。

通関士の仕事のエピソード

日本通運の通関士として成田空港で勤務経験のある星野講師が、通関士時代のリアルなエピソードをお話しします。税関検査の立会い業務でおこった驚きのエピソードや書類作成の専門性がよくわかるエピソードなど、実務経験者の話から通関士の仕事のイメージを膨らませてみてください。

通関士が活躍するフィールド

「通関業者」「通関士」という言葉に馴染みがない方も多いと思います。しかし、私達が生活の中で利用している海外から輸入された様々な物(食料・衣服etc.)はすべて「通関士」によって税関の輸入許可を受けて 国内に入ってきているのです。ここでは通関士が活躍している様々なフィールドをご紹介します。

通関業者

通関業者は、例えば輸入の場合、商社やメーカーなどからの依頼により(1)税関に輸入申告→(2)検査→(3)関税を正しく計算して支払い→(4)輸入という一連の業務をおこなっています。多くの通関業者は税関のある港や空港の近くに事務所を設置してスムーズに業務がおこなえるようにしています。

海運・航空・倉庫・物流関連企業

海外から日本へ商品(貨物)を輸入する際、海運会社の船舶や航空会社の飛行機を利用して運ばれます。そして、通関(税関を通す)手続が終了した商品は、一時的に倉庫業者の倉庫で保管され、物流企業のトラックを利用し輸入元に届きます。これらの企業においては本業と併せて通関業務をおこなっていることが多く、通関士が活躍しています

商社

商社は、輸出入者からの依頼等により、さまざまな貨物の輸出や輸入をおこないます。税関に対する輸出入申告には複雑で専門知識が必要なため、通関手続を通関業者に依頼することが一般的です。商社の担当者として通関に関する正確な知識を持っていると、国内の依頼者に対して的確な説明ができ、通関業者に対しても迅速で正確な依頼ができる、というメリットがあります
例えば食品を輸入する場合、単に輸入申告して許可を受ければよいわけではなく、食品衛生法という法令をクリアしなければなりませんので手続に時間を要します。そのことを国内の依頼者に説明しておけばトラブルが防げます。また通関業者に対してどういう書類を提出すればよいかを知っていれば手続をスピーディーに進めることができます。

メーカー

メーカーは、自社の製品を製造するための原材料を海外から輸入し、できあがった製品を海外へ輸出しています。また、海外の自社工場で生産した部品を輸入することも多くあります。
メーカーにおいて、税関に対する輸出入申告については複雑な専門知識が必要なため、通関手続を通関業者に依頼することが一般的です。その際、通関士の知識があれば、商社の場合と同じように、国内の依頼者への対応や通関業者への依頼をスムーズに進めることができます。

商社・メーカーで通関士資格を活かす!

商社・メーカーの中には、自社のグループ内に自ら通関業務をおこなう部門(通関業者)を設立している会社もあります。通関士の資格を持っていれば、「通関業者」と同じく、通関士として申告書作成業務等を任せられるケースもあります。

その他の貿易関連・個人輸入をおこなう

上記の企業以外にも、様々な形で海外から貨物を輸入している貿易関連企業があります。また、最近ではインターネットを活用した個人輸入を営む人も多くいます。こういったケースにおいても通関士の知識を活かすことが可能です。

通関士の将来性

TPP・EPA・FTAなどの経済連携協定が推進され貿易の自由化・規制緩和が進む日本において、通関士の需要はどんどん高まりつつあります。自由貿易によって関税が0(ゼロ)になったとしても、「税関を通す」業務はなくならないからです。むしろ関税がかからない分、貿易量・流通量・輸入品目は増加するわけですから、比例して通関業者と通関士の仕事は増えていくことになります。
現在、通関業者をはじめ、輸出入をおこなう商社やメーカーからも通関士の求人が出されています。貿易に関わる業者への就職・転職を考えている方にとっても通関士取得はオススメといえるでしょう。

TPP・EPA・FTAとは?

【TPP】:環太平洋パートナーシップ(TPP)協定とは、オーストラリア、ブルネイ、カナダ、チリ、日本、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、ペルー、シンガポール、米国及びベトナムの合計12か国で高い水準の、野心的で、包括的な、バランスの取れた協定を目指し交渉が進められてきた経済連携協定
【EPA】:貿易の自由化に加え、投資、人の移動、知的財産の保護や競争政策におけるルール作り、様々な分野での協力の要素等を含む、幅広い経済関係の強化を目的とする協定
【FTA】:特定の国や地域の間で、物品の関税やサービス貿易の障壁等を削減・撤廃することを目的とする協定

通関士試験概要

通関士試験概要

受験者数は毎年約7,000人、科目ごとに合格基準(例年満点の60%以上)を設けた絶対評価であることが大きな特徴です。難易度により合格率は上下しますが、基本を押さえれば初学者の方でも十分合格が可能です。

試験実施日

例年10月第1又は第2日曜日(令和元年は10月6日(日))

受験資格

なし

願書配布

例年7月上旬~8月上旬

願書受付

書面での申請(平成30年度)

平成30年7月23日(月)から同年8月6日(月)まで(土曜日及び日曜日を除く。)
受付時間:午前 10 時から午後5時

※郵送の場合は8/6(月)の消印有効

NACCSでの申請(平成30年度)

受付期間・時間:平成30年7月23日(月)午前10時から同年8月6日(月)午後5時まで(土曜日及び日曜日を含む。)

※受験願書をNACCSを使用して提出する場合には、必ず前記の受付期間・時間内に受験手数料を電子納付してください。受験手数料の納付及び受験票の提出があるまでは受理が保留されますので注意してください。その他、NACCSの利用申込み手続及び使用方法等の詳細については、輸出入・港湾関連情報処理センター株式会社(NACCSセンター)のホームページ(http://www.naccs.jp/)を参照してください。

受験手数料

書面での申請 3,000円/NACCSでの申請 2,900円

試験科目 / 試験時間 / 出題数

通関業法/午前(50分)/出題数・配点:選択式10問(35点)・択一式10問(10点)

関税法等/午前(100分)/出題数・配点:選択式15問(45点)・択一式15問(15点)

通関実務 /午後(90分)/出題数・配点:<通関書類の作成要領>2問(20点)・<その他通関手続の実務>選択式5問(10点)・計算式5問(5点)・択一式5問(10点)

出題形式

五肢択一マークシート方式

試験地

北海道・新潟県・宮城県・東京都・神奈川県・静岡県・愛知県・大阪府・兵庫県・広島県・福岡県・熊本県・沖縄県

合格発表

例年11月下旬~12月上旬(平成30年度は12月7日(金))

合格基準

通関業法・関税法等・通関書類の作成要領その他通関手続の実務について満点の60%以上(平成30年度は通関書類の作成要領その他通関手続の実務について満点の50%以上) 。

官報公告

例年11月下旬~12月上旬

通関士試験に関するお問い合わせ

最寄の税関の通関業監督官(函館、東京、横浜、名古屋、大阪、神戸、門司、長崎、沖縄地区)

税関ホームページ:http://www.customs.go.jp/

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