特集 経験者コース担当の市岡講師コラム
今回は公務員の仕事と人事やキャリアアップに関するお話です。広げ過ぎると一般論になってしまうので、まずは地方公共団体バージョンです。
受験にあたって、皆さんは公務員の仕事や配属される職場について、まず知りたいところですね。あわせて、最初の配属はどう決まり、次いでその後の人事異動やキャリアアップがどうなるかも知りたいと思います。イメージが描ければモチベーションも高まります。また論文や面接、ESや面接カードでは、携わりたい仕事、挑戦したい仕事が問われるので、その対策としても知っておきたいところかと思います。
配属・人事異動の決まり方
入庁当初の配属は、経験・能力、希望、適性などを考慮し、所要の需要をもとに適材適所で決まります。合格後の採用手続きの中では配属先の希望は必ずヒアリングしてくれるので、組織と仕事を調べておくのもいいでしょう。もちろんすぐ希望通りになるとは限りませんが、希望は入庁後も尊重され、人事異動に反映される仕組みになっています。入庁後は数年のローテーションで人事異動が行われますが、その際、必ず毎年職務に関する意見書の提出や所属課長とのヒアリングが行われ、異動希望もしっかり伝えられる機会が保障されます。
人事異動とキャリアアップ
あわせて、公務員の人事は中長期の人材育成も重視して行われます。この観点から、事業部門と管理部門(総務・企画・財政などいわゆる官房系)さらに出先職場を含めた幅広いローテーションによる人事異動が行われています。また、主任、係長、管理職(課長以上)への昇任時には局間など大きな異動をさせることで経験を積ませることがあります。多様な職場を経験しておくことは将来とても役立つからです。私の知己の東京都局長も新採用時の出先職場経験が今でもとても役立っていると言っています。 また、キャリアアップの節目になるのが昇任選考です。
主任、係長、課長補佐、管理職選考等があります。主に試験による選考ですが、実務の中心になる係長級では日頃の勤務成績をもとに業績・人事考課で選考されることもあります。管理職選考は択一、短答式、記述式、論文、口頭試問などかなりのボリュームがありますが、職務に相応しい権限が付与されるので達成感とやりがいが実感できます。
このように、公務員の仕事と人事・キャリアアップについては、中長期のスパンで広い視野で考えていただくことが大切です。そうすれば公務員になって本当に良かったと実感できる日がきっとくると思います。
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