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白井 健二さん(30代)
DATA BANK
私は現在、再開発関連の仕事をしており、土地・建物の評価に関する事項が議題になることが多く、また仕事上で鑑定士と関わる機会も多くあります。その中で、評価理論や鑑定士の仕事内容に興味を持つに至りました。そして、鑑定士を目指すというよりは、現職に役に立つ知識をつけたいと思い、学習を始めました。
働きながらの学習となるので、時間的制約をどうクリアするかと考えたときに、重要な論点を絞って効率的に学習できる予備校を利用することにしました。また、学習を習慣化するためにも予備校のカリキュラムが丁度よいペースメーカーになると考えました。
合格者占有率の高さです。「TACで出されていない問題は、本試験でも合格者の大半が解けない」と割り切ることができると考えました。受講料は相対的に高く、オプション追加で想定より出費が嵩みましたが、最短合格のための保険料と思えば安いものでした。
仕事が忙しい期間に、勉強時間が確保できなかったことです。民法の基本講義の期間が特に忙しく、平日の勉強時間は30分確保できるかどうか程度でした。基本講義はWebで受けていたので、細分化して見る等でこなしていましたが、復習時間が十分に取れず消化不良に陥り、本試験まで民法の苦手意識が残ってしまいました。
短時間でも毎日学習することを習慣化していました。10分しかなければ10分でできることを考えました。そして、睡眠時間は必ず確保していました。睡眠不足では仕事に支障が出るし、翌日以降の学習効率が悪くなると思います。また、2018年12月から出社前の学習を始めましたが、もっと早くからその時間を有効活用すべきでした。
インプットについては、基本講義を受講した後、復習を欠かさず行い、疑問点が無くなるまで完全消化するようにしていました。全範囲の講義が終わった後は、テキスト(経済学以外)を読み込むことを繰り返していました。民法は2週間で1周、会計学は1か月で1周というように科目ごとに目標期間を定め、メリハリをつけて何度も回していました。暗記作業はテキストを回す目標期間がずれない範囲で行っていました。暗記しきれなかった箇所は次の周で覚えるようにし、一回で完璧に覚えるのではなく、ぼんやり「こんなことが書いてある」レベルで次の範囲に移っていました。まず全体像を把握し、その後細部を詰めていくという方針で、テキストを回すごとに少しずつ全体の理解・暗記を深めていきました。アウトプット(答練)については、初めから暗記の完全再現は不可能でした。ただ、「テキストのあの辺のことを書けばよい」ということは想起できるようにはなっていました。その後暗記の制度を高めていく中で、答練の点数も上がっていきました。
答練以外の講義はWebで受講していました。レジュメの印刷は面倒でしたが、仕事終わりに自宅近くのカフェで視聴していました。場所を選ばず、視聴速度も調整可能かつ、理解できない箇所を繰り返し見ることができ、働きながら学習する人にとっては最強の見方であると思います。不明点も質問メールで解消できました。
鑑定理論の高橋先生・渡邊先生はTACを選んだ価値を最も感じさせてくれました。行政法規の高倉先生は授業・レジュメの質ともに高く、先生でなければ行政法規に苦しんでいたと思います。法律用語をかみ砕いた素人目線のレジュメは本当に重宝しました。経済学の粟国先生も、素人目線の丁寧な授業で、経済学の面白さまで感じさせてもらえました。大学時代の経済学の講義で理解できなかった事柄が先生の授業で面白いほど簡単に理解できました。途中式の計算も「そこまで丁寧にやるのか!?」と思うくらいでした。
各講師独自のレジュメの質が高く大変重宝しました。鑑定理論の渡邊先生の基本講義レジュメは、論点が100個に絞られ、基準各章のつながりも理解し易い素晴らしいものでした。経済学の粟国先生のレジュメも重要論点のみに絞られた質の高いレジュメで、経済学のテキストはほぼ不要でした。ただ、講師によってレジュメの内容や質が異なるのは受講生にとっては理不尽になると思います。
私は2017年11月に学習を開始し、2年で一発合格する計画を立てていました。開始時期的に、まず短答を初年度に確実に受かり、その後2年目に論文合格というプランが理想だったので、「短答本科生」→「論文本科生B」という、私にぴったりのカリキュラムが用意されていたことはとても助かりました。
第1回模試で初めて自分の現在位置が判ると考えていたので、そこで順位が悪ければ学習時間を増やす等の対策が必要になると思っていました。第1回では20番以内の順位だったのでこれまでの時間の使い方・学習方法で良いという確信が得られました。第2回では、10番以内の順位だったので合格可能性が高いという確信を得ることができ、本試験までは「自分が受からなければ誰も受からない」という気持ちで過ごすことができました。
アクセスαはパックで受講しましたが、アウトプット強化・基礎の定着に有効でした。アクセスβは経済学と演習のみ受講しました。経済学は近年の傾向から、難問が出た場合の対応力の強化に、演習は本番と同様の環境(ホチキス作業)での練習を積むために活用しました。本試験では、経済学は難問に全く対応できませんでしたが、演習は練習量に裏付けられた自信をもって最後まで完走できたので、受講した効果はあったと思います。
鑑定理論は渡邊先生のレジュメの順番通りにボイスレコーダーに録音し、移動中やランニング中などに欠かさず聞くようにしていました。また、TAC生が知っている問題で差をつけられないよう、全科目の答練・模試は全ての問題に自信をもって解答できるまで解き直すことを繰り返していました。1か月前からはTACの出題予想を参考に、自分なりの優先順位をつけて該当箇所のテキストを読み込み・暗記の精度向上に努めていました。
初日の民法で、字を丁寧に書きすぎたことと論点抽出に時間がかかり、残り20分で間に合わないことを察しました。不合格が頭をよぎり、2年の努力が無駄になる恐怖に手が震え、まともに字が書けませんでした。2問目は自分でも読めないような字になり、終了後は放心状態でした。鑑定理論を受けるまで最悪の精神状態でした。
働きながら目指す人は、犠牲にするものは多いです。失う時間やお金に見合う価値があるかを自分でしっかり吟味すべきと思います。私は、あまり吟味せず踏み出しましたが、目指してしまった意地でやりきりました。やるべきことはTACが用意してくれます。学習を習慣化し、淡々と目の前のことをこなしていけば受かると思います。
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